マルシアルが新契約締結に合意!全勝スールシャールはチームに何をもたらしたのか?
これは、うれしい。2015年に19歳でマンチェスター・ユナイテッドに加わったアタッカーは、プレミアリーグ102試合32ゴールという数字を残していますが、まだまだ伸びしろが感じられます。ティエリ・アンリの域に達するとまではいえなくても、アレクシス・サンチェスよりもスケールの大きいアタッカーになる可能性なら充分にありそうです。スールシャール監督就任後、移籍の可能性が取り沙汰されていた選手たちが続々と残留の意志を表明していますが、6戦全勝の指揮官はチームに何をもたらしたのでしょうか。
ノルウェーからやってきた新指揮官は、誰もが思わず肩の力を抜いてしまうあのスマイルのイメージが強く、「選手たちに自由を与えた」といったモチベーターとしての功績が強調されやすい監督です。トッテナム戦の後、11本のオンターゲットをすべてセーブしたデ・ヘアが「監督がハッピーをもたらし、みんなうまくやっている」と語っており、フットボールを楽しめる雰囲気づくりが連勝につながったのは間違いありません。
しかし、選手たちの話に耳を傾けると、指揮官がもたらした変化はポジティブな空気だけではないようです。稀代の守護神は「われわれはゲームコントロール、ボールキープ、チャンスメイクの仕方がわかっている。これぞ真のマンチェスター・ユナイテッドだ」と続けており、直近のプレミアリーグで4ゴール4アシストのポグバも戦術の変化について語っています。「スカイスポーツ」より、6番の言葉を紹介しましょう。
「The way we are playing we have more possession of the ball. We know more where to attack and where to go. We have more of a pattern of play and more of a structure.(われわれのやり方は、ポゼッションを高めている。どこを攻め、どこに走るかがよりわかるようになった。プレイのパターンと構造が多彩になっている)」
「That makes it easier for everyone. So I would not say it is only myself. Yes, I have scored a few goals and had a few assists but it is all the team.(それらによって、みんなやりやすくなった。自分だけの話じゃない。そう、いくつかゴールとアシストを決めたけど、チーム全体がもたらしたものだ)」
トッテナム戦では、ラシュフォードとマルシアルが2トップを形成してリンガードが後ろに入る布陣と、リンガードが最前線に立ってチェイシングを繰り返す戦い方を使い分けていました。プレスのかけ方やボール奪取後の展開の仕方を徹底的に確認したからこそ、流動的な布陣とシンプルなアタックを同時に実現できたのでしょう。「より中でプレイしてくれといわれている」とリンガードが明かし、「ボックスの使い方はファーガソンの頃と同じ」とポグバが語っていることからも、モウリーニョ時代にはなかった攻撃の約束ごとが浸透しているのが窺えます。
ラシュフォードはストライカーとしての自らの力を思い出し、刺激されたルカクも途中出場で泥くさいゴールを決めています。プレー選択が多彩になったマルシアルは、これならチャレンジできると手応えを得て、残留に傾いたのではないでしょうか。残るはバイリーとアレクシス・サンチェスです。ポテンシャルが高いCBと、アーセナルでエースとして活躍した小柄なアタッカーがいいときのスタイルを取り戻せば、冬のマーケットで新戦力獲得を期待していないという指揮官の言葉に深くうなずけるようになります。攻撃に劇的な変化をもたらしたスールシャール監督は、チームをどこに連れていってくれるのでしょうか。プレミアリーグは未だ6位、CLの相手はパリ・サンジェルマンと厳しい状況が続きますが、来季につながるいいシーズンだったと振り返れるような着地を期待しています。
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スールシャールは見事にチームに必要なものを多くもたらしたようですね。
暫定だからでサヨナラしたら、選手達が失望するほどの監督ぶりです。
ユナイテッドは長い曇りが晴れ、アーセナルは雨が降りだしています。
どうなることやら。