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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

崖っぷちマンチェスター・ユナイテッド…彼らが崩れた理由と新監督に期待したいこと。

直近の公式戦9試合で2勝7敗、プレミアリーグ2勝4敗と崩れたマンチェスター・ユナイテッドは、オールド・トラフォードで行われるチェルシー戦に敗れれば、来季の欧州におけるステージはヨーロッパリーグとなります。パリ・サンジェルマンとのCLラウンド16にて、ホームで2点差で敗れながら逆転した唯一のチームとなったレッド・デヴィルズは、スールシャール就任以来14勝2分1敗という快進撃を続けていました。フレッジ、マクトミネイ、アンドレアス・ペレイラというレギュラー不在の中盤で、敵地でパリを屠ったチームは本物だと思われたのですが、直後のプレミアリーグ30節でアーセナルに2-0で敗れたのをきっかけに、あっという間に別なチームになってしまいました。

エミレーツでの完敗は、3年前のリベンジのようでした。2016年2月に、首位レスター相手に95分のウェルベックのゴールで劇的な勝利を挙げたアーセナルは、プレミアリーグ制覇の手ごたえを得て意気揚々とオールド・トラフォードにやってきました。勢いを止めたのは、プレミアリーグデビュー戦だったマーカス・ラシュフォード。29分と32分に衝撃的な2ゴールを決めた18歳によってアーセナルは3-2で敗れ、その後の2試合で勝ち点1しか積めずに優勝争いから脱落しました。今回、マンチェスター・ユナイテッドに尾を引くショックを与えたのは、グラニト・ジャカ!? アウトにかかって鋭くシュート回転したミラクルショットに、逆に動いて呆然と立ち尽くしたデ・ヘアは、その後すっかり調子を崩してしまい、メッシやサネのシュートを弾き切れずに敗戦の遠因となっています。

ガナーズにやられた後、ウルヴスとバルサに連敗し、エヴァートンに4-0といいところなく敗れたマンチェスター・ユナイテッドは、パリ戦を最後に完勝といえる試合がひとつもありません。2-1で勝ったワトフォード戦は、オールド・トラフォードでシュート数8対20と押しまくられ、同じくホームゲームだったウェストハム戦はポグバのPK2発で辛勝。直近5試合でPK以外のゴールはなく、1勝4敗で2得点11失点という深刻なスタッツを残しています。最大の問題は、スールシャール監督の宗旨替えでしょう。サブの選手を活かしてパリで勝てたのは、アグレッシブな姿勢と戦い方に一貫性があったからです。負け始めた指揮官はティンカーマン(こねくり回し屋)と化し、強豪相手に守備的な布陣を採用するなど、スタメンも戦術も毎試合変えるようになりました。

破竹の快進撃を支えていたのは、前任者にはなかった攻めて勝つ姿勢と、「ラシュフォードのCF起用」「リンガードを中央で機能させる」「マティッチのカバーによりポグバをより前へ」などの新機軸でした。マティッチ、リンガード、アンデル・エレーラ、アシュリー・ヤング、ルーク・ショーらが次々と負傷したのは不運でしたが、戦術のベースをしっかりキープできていれば、ここまでの混乱はなかったのではないかと思います。1試合あたり107.8㎞の走行距離はプレミアリーグ16位。厳しいプレスとポゼッションを捨てて引いて戦うフットボールとなれば、その道の大家であるジョゼ・モウリーニョに叶うはずもなく、今や前半戦よりも質が低い守備的なチームに堕しています。

「マンチェスター・ユナイテッドはなぜスールシャールとの正式契約を急いだのか、わからなかった。彼がマネージャーにふさわしくないとはいっていない。実際にチャンスを勝ち取ったわけだけど、まだ修羅場を経験していなかったじゃないか」。イギリスメディア「デイリー・メール」が報じたバーンリーFWピーター・クラウチの言葉が、結果的には的を射ているように感じられます。クラブの監督選びの問題を指摘したベテランストライカーは、選手たちの姿勢についても疑問を投げかけています。

「シティが2-0で勝った後、ロイ・キーンが『自分がいた頃のようなスタンダードがなくなった』といっていた。選手たちは、ユナイテッドのようなクラブでプレイする誇りを常に持つべきだ。しかし、何人かはそれを理解できていないように思える。なぜルカクはイタリアでプレイしたいといった? なぜポグバはレアル・マドリードとのコンタクトの噂を収めない? 以前は許されなかったことが起こっている」

デ・ヘア、ポグバ、ルカク、エレーラなど主力に移籍の噂が絶えないチームは、いま一度団結してライバルに勝つことができるでしょうか。新監督がいい形で来季をスタートさせるためには、CL出場権は必須アイテムです。ゴールが遠い5-3-2ではなく、4-4-2あるいは4-3-3で攻撃的に戦った方が可能性は高まるでしょう。今からできることは、スールシャール監督が明快な戦術を打ち出し、適切な布陣に配された選手たちが持てる力を最大限に発揮することだけです。最も重要なステージで意地を見せてほしい。もちろん、全力で応援します!

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“崖っぷちマンチェスター・ユナイテッド…彼らが崩れた理由と新監督に期待したいこと。” への5件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    比べるのも何ですが、あくまでも私見です。
    かつてのレッズもラファが去った後、ホジソン>ダルグリッシュ>ロジャーズと流れ今のクロップがあります。その間獲得したカップが当時のカーリングカップのみと苦しい時代を経験しました。まあラファ以前も何ですしクロップ政権下ではまだカップが獲得できていないので、成功だった!と結論も出せません。(現時点ではクロップ以外の監督は考えられませんが)当時のレッズが暗黒期と言われる時代に勝てないもどかしさや、スッキリできないゲームが多々あり、その点は理解できます。憎らしいくらい強かったユナイテッドが戻るのは時間がかかるでしょうか、、、。こんなレッズサポは少数派でしょうが、ライバルチームながら気になるところであります。

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    スールシャールが就任した後数試合 スールシャールが戦術的に優れているわけではないというのはすぐわかりました。それでも勝っていた要因としてはやはり自由さでしょう。守備は大事なのはたしかですが今のように守備から入って攻撃につなげる教科書通りのサッカーをやるのなら実際モウリーニョでいいです。 雑で効率悪くとも乗りと勢いでプレッシングし 攻撃陣の自由な連携で決める そういう雑さで勝負するべき監督だと思いますけどねスールシャールは。戦術こねくりまわすとおかしくなる。そう言うのに詳しい訳じゃないだろうし元々

  3. ルーニー より:

    「死に物狂いで4位を取りに行く」よりも
    「来季に向けて色々と試している」ような
    最近のオーレはそんな感じがします。
    結局、CLにはそんなに拘ってないんじゃね?
    本当の勝負は来季と見据えて
    今はリストラ選定期間かと。。
    個人的にはデヘアとエレーラには残って欲しいけど
    それ以外の噂の人達、サンチェス、ポグバ、ルカク
    辺りは放出した方が良いかも知れません。
    補強資金のタップリあるこの夏の移籍市場が楽しみ。
    セセニョン、サンチョ、グイエ、バークリー
    トリッピアー、アルナウトビッチ辺りが欲しい。

    —–
    サンドバッグさんの意見に大方同意です。ライオラ物件は間違いなく放出でいいでしょうね。
    来季ELなら色んな選手も試せて本当にユナイテッドでプレーしたい選手しか来ないでしょうし。と、ポジティブに捉えています

  4. プレミアリーグ大好き! より:

    ユナイテッドは選手が行きたいと思うチームなんですかね?
    給料は良いでしょうがタイトルからは離れていてCL出場も難しそうですしね

  5. B より:

    こういう時のユナイテッドにキッチリ負けるのが我がブルーズ。
    戦う姿勢をみせてくれー

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