イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ギグス監督継続か?ファンハール合意か?騒がしくなってきた、マンチェスター・ユナイテッドの次期監督報道

 クリスタル・パレスVSマンチェスター・シティは、ヤヤ・トゥレが戻ってくるとこんなにあっさり点を獲ってしまうんだということを確認し、ハーフタイムでリタイアしてしまいました。すみません。この試合は本日あらためてチェックしますが、リヴァプールの久々のプレミアリーグ制覇に期待していただけに、瞬間的な落胆が大きかったのですね。まだ終わったわけではないのは承知しつつも…あまりこんなことをいっていると、最後まで応援しようと意気込んでいるレッズサポーターのみなさんに叱られてしまいます。気を取り直して、ここでは「マンチェスター・ユナイテッドの来期監督の話」です。

すぐに騒がしくなるだろうな、そしてこの方は黙っていないだろうなと思ってチェックしていると、やはり状況は想像通りの方向へ進んでいっているようです。ギグス代理監督のデビュー戦快勝を受けて、サー・アレックス・ファーガソン元監督と、ウェイン・ルーニーが「ギグスこそ次期監督にふさわしいとコメントした」と報じられています。

イギリスのマスコミのみなさんが、今現在、あまりにもおいしいこの話題について、できる限りセンセーショナルに取り上げようとやっきになっているのは想像に難くありませんので、多少割引いて読むことが必要です。実際、ルーニーのほうは、「ギグス代理監督は、新監督にふさわしい資質をすべて備えていると思うが、決めるのは理事会」と冷静。サー・アレックス・ファーガソンのほうが微妙で、「彼こそ、クラブにとって本当にふさわしい人間。ギグスはマンチェスター・ユナイテッドで20年以上を過ごしてきており、このクラブで天国も地獄も味わい、あらゆる感情を経験してきている」と、今にも推薦しそうな勢いです。リップサービスが当たり前のこの世界で、彼がどこまでギグスを推そうとしているのかは量りかねますが、モイーズ監督就任時と同様、一本釣りで決着させてしまおうと狙っているかもしれません。うーん、危険です。

いや、ギグス監督が悪いと決め付けているわけではありません。彼らをデビュー時からチェックし、マンチェスター・ユナイテッドの黄金時代を見続けてきたものとしては、ベンチにギグスとスコールズ、さらにはニッキー・バットが並んでいるのをみれば、無条件で盛り上がります。モイーズ前監督はビッグクラブでの監督経験がなく、うまくいきませんでしたが、監督経験はなくてもビッグクラブを知っているギグスなら、存外うまくいくかもしれません。バルセロナが、就任当時は経験が豊富とはいえなかったグアルディオラ監督でうまくいったこともあり、しっかりしたスタッフがつけば、ギグス長期政権という話もなくはないと思います。

とはいえ、来季の監督選びと現在のムードについて、私が懸念していることが2つあります。「今後のマンチェスター・ユナイテッドの方向性に沿った監督選びがなされているのか」「そうはいってもコーチ経験すらほとんどないギグス監督で大丈夫なのか」。ギグス代理監督は、マンチェスター・ユナイテッドとプレミアリーグは知っていても、欧州サッカー全体について、どこまで把握しているのかがわかりません。彼が今季は選手兼任のコーチだったことを考えれば、おそらく情報も研究時間もさほどなかった、と捉えたほうがいいでしょう。欧州でどれだけ勝てるかが大事なマンチェスター・ユナイテッドにとって、次期監督がそういう人物でいいのかといえば、やはり疑問です。ましてや、サー・アレックスの推薦理由は“過去を知っているからOK”です。OBであるという事実と、選手として経験豊富という、監督選択基準とは関係ない評価で決めてしまうのは、危険ではないかと思うわけです。

ギグス監督の話が盛り上がりつつある一方で、オランダ紙が「マンチェスター・ユナイテッドとファン・ハール氏は、既に合意に至った」と報道しており、アンチェロッティやシメオネなどの名前も消えてはいないようです。ファン・ハールさんならおもしろいと思いますが、プレミアリーグの外から監督を連れてくる場合は、サッカーが大きく変わるので、選手が早期に納得して新しいスタイルに取り組めるかがカギですね。いずれにしても、私が先日予想した「サー・アレックス・ファーガソンの1年ショートリリース」という話はないと思われます。大ハズレ、すみません。…うーん、サー・アレックス・ファーガソンという方は、選手を見る眼は確かでも、監督を選ぶ眼はないような気がしますね。「同郷」「OB」と、何しろ基準がドメスティックですから。経営のみなさん、もう失敗はできません。くれぐれも、「プレミアリーグの上位で唯一、監督をコロコロ代えて迷走するクラブ」にだけはしないでくださいね!

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“ギグス監督継続か?ファンハール合意か?騒がしくなってきた、マンチェスター・ユナイテッドの次期監督報道” への5件のフィードバック

  1. 冴島 より:

    ギグス監督はやめてほしいな
    今季残り試合を全て勝つことは可能だろうけど1シーズン通してやったらぜったいぼろがでてきてしまう気がする
    名選手が必ずしも名監督になれるとはかぎらないのは歴史が証明していますしね
    選手としてのギグスが好きなだけにいますぐの正式監督就任はやめてほしい(監督として別クラブで経験をつんだ後ならいいけど)

    誰が監督になるのかまだわかりませんがユナイテッドのチームコンセプトを明確にし強化し立て直しができる人にお願いしたいです

  2. あああ より:

    ここでギグス続投ならダルグリッシュを監督にしたリバプールと同じルートっぽいですね。
    レジェンドが失敗すると解任し辛いですよね

  3. makoto より:

    冴島さん あああさん>
    冴島さんのおっしゃるとおり、私もギグス監督は反対です。
    確かにダルグリッシュみたいですね。
    マンチェスター・ユナイテッドの過去のスタイルにとらわれず、
    今の時代での「らしさ」を追及してほしいと思ってます。

  4. つばめ より:

    ギグスがいきなりトップチーム監督には反対です

    これが、ミラン次期監督が、ユースを率いて結果を出したインザーギ
    というレベルの話なら理解できますが
    いきなり選手が監督になったところで、それがどれほど偉大な選手だったとしても
    上手くいくとは思えません

    あのグアルディオラですら、まずはBチームを率いて研究したそうですから
    ギグスも同じルートを通ってからの方が……

    —–
    個人的にはギグス監督をもっと見たいのですが、勝てなくてバッシングされる姿は見たくないし……難しいですね。
    それと、最近からこちらのサイトをよく拝見しているのですが、とても読み応えのある記事が多くて嬉しいです。

  5. makoto より:

    スパーズ推しさん つばめさん>
    スパーズ推しさんのおっしゃるとおり、コーチ修業をもう少し積んでいただければと思います。つばめさん同様、私も見たいのですが、3年後でもいいかな、と。

コメントを残す