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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Livepool×Chelsea】痛いジェラードのスリップ!リヴァプール、17試合ぶりの敗戦で遠のく優勝・・・。

これで、プレミアリーグの優勝争いがまたわからなくなりました。リヴァプールがチェルシーに0-2で敗れ、実質的にはプレミアリーグ首位から陥落。現状を簡単にいえば、「残り3試合を全勝し、得失点差で抜かれなければマンチェスター・シティの優勝」です。痛かった、ジェラードのミス。そしてもうひとつ、敗因を挙げるとすれば、SASが完全に抑えられてしまったことでしょう。スアレスは、深いチェルシーのDFラインに手を焼き、ケガから復帰したばかりで交代出場だったスタリッジは本調子ではありませんでした。

水曜日にチャンピオンズリーグ準決勝を控えたチェルシーは、チェフ、アザール、ウィリアン、テリー、ケーヒル、オスカル、ラミレスと、7人のレギュラークラスがスタメンから外れています。トップはデンバ・バ、中盤にはマティッチ、ミケル、ランパード、サラー、シュールレ。DFラインは右にアスピリクエタ、CBはイヴァノヴィッチとカラス、左にアシュリー・ヤングと、2人が控え選手、2人はいつもと違うポジションという急造ライン。ヘンダーソンとスタリッジを欠くだけにとどまり、アンフィールドで戦えるリヴァプール有利というのが素直な見方でしょう。

開始から15分は、リヴァプールがいつ点を獲るのかという展開。スアレスのクロスからコウチーニョのボレー、セットプレイからのサコのシュートと、ほぼフリーでシュートを打つシーンがあり、チェルシーのDFラインは不安定です。しかし20分を過ぎると、試合に入っていけたからか、リヴァプールの攻撃を見切ったのか、見違えるようにラインの統率が取れてきました。4人が比較的内側に絞り、中にスペースを作らせないチェルシーの最終ラインは、この後の70分間、乱れることはありませんでした。

25分を過ぎると、お互いにシュートが打てない、プレミアリーグ首位争いらしいヒリヒリしたせめぎ合いが続きます。30分からの15分間で、シュートを放ったのはサラーとスアレスのみ。チェルシーは、外から攻めてCKを奪うところまでいくのがせいいっぱい。リヴァプールは、スターリングの積極的な仕掛けでサイドを突きますが、マティッチ、ミケル、ランパードにパスコースを消され、スアレスにボールがつながりません。前半はこのまま終わりかと思われた47分、CKからカラスがヘッドで狙うも、当たりが薄く、ボールは左に大きくアウト。そして事件は、その直後に起こりました。

自陣でボールをまわずリヴァプール。左に開いたCBサコが、中央にいたジェラードに戻すと、ジェラードはこれをトラップミス。あわてて拾いにいこうとしたところでスリップし、デンバ・バにルーズボールをさらわれます。デンバ・バ、ひとり旅。1対1からのシュートは、GKミニョレの左脇を抜けて、ゴールど真ん中に転がります。ボールポゼッション69%のリヴァプールが、前半にビハインドを背負ってハーフタイムを迎えるなどという場面は想像できませんでした。大きな先制点を奪ったチェルシーは、後半に入るとカウンターすらろくにせず、ひたすら専守防衛です。

私の手元のメモでは、後半だけでジェラードのシュートは8本。やはり、自らのミスで奪われた失点を取り返したかったのでしょう。しかし、彼のシュートはGKシュウォーツァーにダイビングキャッチをさせることすらできず、そのほとんどが正面もしくはゴールの外に飛んでしまいます。中央のスペースをCBとセンターMFで完全に消し、リヴァプールの攻撃をサイドに追い出すチェルシー。57分、ロジャース監督は、ついにスタリッジを投入。やっと揃ったSASに、プレミアリーグ制覇の希望を託します。その直後、リヴァプール最大のチャンスは、クリアをダイレクトで捉えたジョー・アレンのミドルでした。弾道も強さも文句なし、アウトにかかって右隅を襲ったシュートは、シュウォーツァーがぎりぎりのところで外にはじき出しました。

62分にシュールレが左からドリブルで持ち込み、ミニョレに指先でセーブさせる惜しいシュートを放ったチェルシーでしたが、これを最後に攻撃することすら止め、ボールを奪ったらゆっくりキープして時間を遣います。サラーをウィリアン、シュールレをケーヒルとチェンジし、厚みを増していくチェルシーの守備。78分、スアレスの左からの突破から、浮き球の折り返しをジェラードが合わせますが、これもGK正面。ロジャース監督、苦しい。スタリッジに続く打ち手は、フラナガンに代えてイアゴ・アスパス。今季、一度も成功していないカードをきらざるをえないところに、彼らのやりくりの苦しさが垣間見えます。攻撃のオプションを増やすために狙っていたサラーは、先ほど敵チームのベンチに戻っていったばかりです。

グレン・ジョンソンやコウチーニョがサイドからクロスを何度も入れますが、そこからゴールまでが遠かったリヴァプール。スタリッジは消え、アスパスはパスミス以外で現地実況に名前を呼ばれることはありませんでした。全員攻撃を仕掛けていた93分、敵陣で奪われたボールがウィリアン、交代出場のF.トーレスとつながれ、DFは誰も戻れずハーフラインから2対1の状態です。F.トーレスがミニョレを引き付けてウィリアンに流し、ウィリアンが無人のゴールに軽く蹴り込んだ瞬間、長かったリヴァプールの快進撃が終わりました。

リヴァプールにとっては最悪の展開、モウリーニョ監督にとっては勝つならこれしかないという、してやったりのゲームでした。できれば双方ベストメンバーで、決着は胸のすくようなファインゴールでついてほしかった好カードでしたが、プレミアリーグ首位争いのゲームともなれば、ミスをしたほうがそのまま敗者になる、というのも往々にしてあることです。いやー、点を獲れませんでしたね、SAS。レッズサポーターからすれば、あまりに残念なゲームでしたが、あれだけメンバーを変えてもスキができないモウリーニョ守備戦術をリスペクトするべき一戦でしょう。プレミアリーグはいよいよ残り2節。3強が勝ち点2の中に収まる大激戦が続きます。

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“【Livepool×Chelsea】痛いジェラードのスリップ!リヴァプール、17試合ぶりの敗戦で遠のく優勝・・・。” への11件のフィードバック

  1. せお より:

    更新お疲れさまです。

    いやぁモウはさすがです。記憶が正しければ今季これで上位陣に敗け無しですね。
    リバポはシティとの得失点差が5っていうのがキビシイですね。
    ただ最近のシティもなんだかよく分からないからどうなるか分かりませんね。
    この優勝争いに最後まで加われなかったアーセナルが残念でならないです。

  2. リバサポ より:

    昨日に関しては、完敗でした。
    まぁ、シテイがこけるのを待って、応援し続けますよ。開幕戦から夢をみさせてもらったので、今度はこちらが精一杯応援しないと。
    選手達がこの優勝争いというプレッシャーを経験できたのも今シーズンの収穫でもありますしね。

  3. makoto より:

    せおさん リバサポさん>
    チェルシーは守備が崩れなかったですね。リヴァプールは、つなぐことを意識しすぎてややよそ行きのサッカーをしてしまった感があります。スアレスやスターリングは、もっと突っかけてもよかったのではないか、と。

    マン・シティはエヴァートン次第です。

  4. スパサポ より:

    正直結果だけで言えば予想通り
    モウリーニョチェルシーのここぞという時の上位との試合は必ず結果を出してきましたからね
    リバプールのサポーターには悪いんですが
    優勝はないと思っています
    なんとなくモウリーニョチェルシーの2冠の予感がするんですよ
    なんなくなんですけどね(笑)

  5. チェルシー より:

    更新お疲れさまです

    リヴァプールとシティにダブルで首位じゃないチームがあるらしいですね
    正直メンバーを見たとき無失点は厳しいと思ってましたがまさかやるとは
    カラスは今季まともに試合出てないのにお見事でした

    落とした試合一つでも取ってればと悔やまれるので勝ったのに不思議な気分です(笑)
    次はアトレティコ戦温存してた選手達に暴れてもらいたいです

  6. あああ より:

    ジェラードのミスが直接的な敗因になるとは・・・
    サッカーは残酷です

  7. makoto より:

    スパサポさん チェルシーさん あああさん>
    対戦相手を考えても、チェルシーは悪くないですね。先日、マンチェスター・ユナイテッドにやられまくったノリッジとホーム。アウェイながら、降格決定後のカーディフと最終戦です。リヴァプールは、次戦アウェイのクリスタルパレスに勝てるか、マン・シティはエヴァートン戦がとにかくヤマ場です。チェルシーの大逆転優勝、ない話じゃないですね。

    あああさんに同感です。よりによって、ジェラードが…。心情的にはリヴァプールを応援していたので、チェルシーが勝つにしても豪快なスーパーゴールを決めてほしかったなと思います。

  8. 管楽 より:

    更新お疲れ様です

    キャプテン以外の誰かがミスってゴールを決められていたならまたもうちょっと違う結果になったように思います。
    ミスした後のジェラードはまるで初めてトップリーグに出たルーキーのように見えました。我武者羅にシュートを打ち続けて失敗を取り戻そうとしているさまがちょっと見てられなかったです・・・

  9. こーこ より:

    もしもジェラードがミスをした後のハーフタイムにキャラガーやヒーピア、アロンソ、ハマンがいたら・・・とか
    もしも監督がダルグリッシュなら(それなら今頃こんな順位にはいないですけど笑)とか
    色々考えてしまう試合でした
    ジェラードが精神的に頼れる選手(監督もかな?)というのがいなかったのがジェラードにとってきつかったですね
    後半のキャプテンの精神崩壊はみてられないほどつらかったです

  10. これさわ より:

    更新おつかれさまです。いつも楽しみにしています。

    過程や内容は別として悪い予感があったので、この敗戦は比較的落ち着いて
    受け容れることができています。
    強気なロジャースだと最初から引き分けを狙うことはないだろうと思ってい
    ましたし、一方でモウリーニョは、昨年のスアレスとの因縁を含め様々な
    揺さぶりを仕掛けているのだろうと思っていました。

    シティ戦でのありえないキャプテン(コンパニ)のミスから得た勝ち点3と、
    チェルシー戦でのありえないキャプテン(ジェラード)のミスで失った勝ち点。
    ここ数試合、冴えない表情が目立ったスアレスは、この敗戦をどう受け止めて
    いるのでしょうか。
    この一戦は、スアレス自身にとっても、リバプールにとっても大きな転機と
    なりうる試合と注目していましたが、やはり最後の2戦の内容や結果如何では
    スアレスの去就に大きく影響するのではないでしょうか。

    ファンとしては、残り2戦ただひたすらに精一杯応援したいと思います。
    最後にスアレスもジェラードも最高の笑顔を見せてくれることを信じています。

  11. makoto より:

    管楽さん こーこさん これさわさん>
    後半は確かに、キャプテンのミスという重さと動揺が伝わってくるゲームでしたね。スアレスは、チャンピオンズリーグに出られるなら残留、だと思いますが。彼も、いきなり優勝できるとは思っていなかったでしょう。来季、クラブがさらに強化を進めることさえ伝わればOKなのではないでしょうか。

    今の戦力の薄さで優勝争いに加わっていることが、既に素晴らしい成果です。

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