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やはり来季は3トップ!? アレクシス・サンチェス獲得を狙うマンチェスター・ユナイテッド!

プレミアリーグ王者奪回をめざすファン・ハール監督は、噂どおり3トップの構築を志向しているのかもしれません。イギリス紙「ガーディアン」が、オランダ人新監督が、バルセロナのFWアレクシス・サンチェスを最優先ターゲットと考えていると報道しています。スペインで34試合19ゴール、11アシストを記録したエース級を放出するなど普通は考えられませんが、バルセロナのほうも、ルイス・エンリケ新監督を迎えてチーム改革を推進中。既にラキティッチの獲得が確実となっており、マンチェスター・シティのアグエロを狙っているという話もあります。

25歳のチリ人ストライカー獲得は、リヴァプールやユヴェントスとの奪い合いになる可能性もありますが、出場機会がどれだけあるかまで考え合わせれば、アレクシス・サンチェス自身がマンチェスター・ユナイテッドを選ぶ可能性もあるでしょう。バルセロナの街を気に入っており、本人が出ていく気はないといっていたのが懸念材料で、先行き不透明ではあるものの、ファン・ペルシを最前線において、右にアレクシス・サンチェス、左にルーニーという3トップは迫力があります。

さて、そうなると気になるのは、「中盤をどう配置するのか」「誰を放出するのか」です。3センターなのか、トップ下(もしくはアンカー)+2センターなのか。いずれにしても、ナニとアシュリー・ヤングのうち、どちらかはチームを去ることになるでしょう。3センターになった場合は、香川真司とマタのポジションも怪しくなります。「カガワは既に放出リストに載っている」という報道もあり、ファン・ハール監督の評価によっては、日本代表のエースは来季、プレミアリーグでは観られなくなるかもしれません。

香川真司と本田圭祐という、日本代表の攻撃陣を牽引してきた存在が、このオフシーズンは同じような立場になっています。両者ともクラブが不振に陥り、ファン・ハール、ピッポ・インザーギとも新監督は3トップ派で、新しい布陣ではトップ下を置かない可能性があります。香川真司にはマタ、本田圭祐にはカカとターラブトと、ただでさえ強力なライバルがいる環境で、2人とも「3センターのひとりとして守備もできますか?」「攻撃的MFとして、ライバルに勝てますか」といった難題を突き付けられている格好です。私は、香川真司も本田圭祐も、センターMFとしても機能すると思いますが、「そのポジションで競って、世界有数の選手になれますか」といわれると疑問です。やはり彼らはトップに近い位置でプレイしたほうが活きるのは間違いなく、そのポジションがないのであれば、彼らの能力を買ってくれるチームに移籍したほうがいいでしょう。プレミアリーグの上位クラブを見渡すと、トッテナム以外はニーズがなさそうなので、最低でもチャンピオンズリーグ出場権を争うレベルとなると、スペインかドイツ、という話になりそうですが…。

ACミランもマンチェスター・ユナイテッドも、自クラブ所属の日本人選手がワールドカップで活躍してくれることを望んでいるでしょう。ただし、その理由は「高値で売却したいから」なのかもしれません。香川と本田をを応援している両クラブのサポーターにとっては残念な話ですが、それでもいいじゃありませんか。ふたりには、ぜひワールドカップで5試合ぐらい戦っていただいて、自らの価値を欧州のトップクラブの経営陣にアピールしていただければと思います。出るにしても残るにしても、彼らが明るい未来を手に入れられるかどうかは、ワールドカップという名の市場で、どのくらいの値付けをされるのか、にかかっています。

ワールドカップ開幕直前というテンションのなか、ついつい話が日本代表選手方面にそれてしまいました。戻しましょう。ファン・ハール戦術において求められるアタッカーの条件が、アレクシス・サンチェスという名前を通じてうかがえるような気がします。だとすると、マタ獲得は拙速もいいところでしたね。モイーズ前監督のやり方や器の問題も大きかったとは思いますが、マンチェスター・ユナイテッドがプレミアリーグで7位と惨敗した戦犯第1位は、どう考えても方針不明確で行き当たりばったり、補強も下手なエド・ウッドワードCEOでしょう。この夏の補強は、大丈夫でしょうか。(アレクシス・サンチェス 写真著作者/Gobierno de Chile)

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