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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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アルテタ監督が獲得を夢想!? 「アーセナルがコウチーニョの移籍交渉開始」ってマジですか?

「ESPN」「ミラー」「イブニング・スタンダード」「フットボール・ロンドン」「Goal.com」「エクスプレス」「ザ・サン」「デイリー・メール」「メトロ」…誰かが彼らに魔法をかけたのかと思いました。「アーセナルが、フィリペ・コウチーニョ獲得に乗り出した」。プレミアリーグの現状を知る人にとっては、ありえない組み合わせと笑ってスルーしたくなる話です。マッチデー収入比率が24%と、プレミアリーグで最もサポーターのお財布に依存しているガナーズは、無観客試合のダメージが最も大きいクラブといういい方もできます。

一方のコウチーニョは、いわずと知れた高額案件。2018年にバルセロナがリヴァプールに支払った移籍金は、1億4000万ポンドといわれており、昨年の夏にローンで獲得したバイエルン・ミュンヘンは、1億1000万ユーロの買い取りオプションを拒否したと伝えられています。バルサは9000万ユーロ(8460万ポンド=約111億円)まで値引きしたようですが、ドイツ王者はこれもNG。今季プレミアリーグ9位でEL出場権獲得も危ういアーセナルが、ターゲットリストのボリュームゾーンが2000万ポンド台のアーセナルが、シーズンチケットの払い戻しを発表したばかりのアーセナルが、バイエルンが嫌った条件を呑むとは考えられません。

さっそく記事を読み比べてみると、共通項は以下の5点です。「コウチーニョの加入を夢見ているミケル・アルテタ監督がリクエスト」「ラウル・サンレヒ氏がコウチーニョの代理人キア・ジョオラビシアン氏とコンタクトを取り、交渉を開始することに合意」「選手はプレミアリーグ復帰を熱望」「アーセナルはローン移籍を希望」「トップランナーといわれていたチェルシーをはじめ、動いていたクラブはなく、アーセナルが最初の交渉相手」。新戦力獲得のための資金がほしいバルセロナは、この時世にコウチーニョの移籍金を支払うクラブはないと心得ているものの、「ローンなら買い取りオプション付きが絶対条件」と主張しているようです。

信頼性が高い、すなわち確定的なネタになるまでは記事にしない「テレグラフ」「ガーディアン」が乗っかっていないあたりは、いかにも移籍ゴシップ。「BBC」はゴシップ紹介のコーナーにフランスの「Le10sport」へのリンクを張るのみで、「スカイスポーツ」の扱いも「Arsenal transfer rumours」です。どうにもこうにもまとまりそうもない話ではあるのですが、「アルテタ監督が夢見ている」「理想の補強と考えている」というクダリは信じてもいいのではないかと思います。今季プレミアリーグにおけるアーセナルのスタッツを見ると、コウチーニョがいれば改善しそうな残念な数字が並んでいるからです。

シュート数312本とオンターゲット109本は、いずれもリーグ14位。ボックスの外からのシュート比率31%は17位で、3ゴールは12位です。MFのゴールは2発しかなく、全員足してもヴィラのグリーリッシュとボーンマスのハリー・ウィルソンの7発や、ノリッジのキャントウェルの6発といった降格ゾーンのエースに及ばないワースト記録。ダニ・セバージョスはつなぎ役に留まり、メスト・エジルも全盛期のアグレッシブなアタックを忘れてしまったかのようでした。バイエルンで公式戦32試合9ゴール8アシストのコウチーニョがインサイドMFに入れば、ミドルが決まるシーンもストライカーがフリーで放つシュートも格段に増えるはずです。

出場試合数が100を超えれば、リヴァプールにインセンティヴを払わなければならないバルサは、残り24試合となったコウチーニョの出番を抑える可能性があるとのこと。チェルシーは未だ動かず、古巣リヴァプールへのルートは絶たれ、ニューカッスルも最優先ターゲットにはしていません。コウチーニョは、アルテタ監督と熱い抱擁をかわすことができるのでしょうか。「BBC」が自らのサイトのタイムラインに載せるのは、いくつかのハードルをクリアした後になります。


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