2020.07.21 選手トピックス
信じられないミス連発に現地メディアの非難囂々…どうした、デ・ヘア!
「BBC」の見出しは「slump」、「スカイスポーツ」は「nightmare」。不振は克服できるものであり、悪夢ならいずれ醒めるはずですが、直近2年で急激にミスが増えた29歳の守護神は、プレミアリーグNo.1と称えられたかつての評価を取り戻すことができるでしょうか。チェルシーに敗れたFAカップ準決勝の3失点について、「スカイスポーツ」のニック・ライト記者は、「デ・ヘアは大なり小なり過ちを犯していた」と厳しく査定しています。
「1点めはオリヴィエ・ジルーのフリックに騙された。メイソン・マウントのシュートは3つのうち最悪で、掌握すべき距離からのものだった。3点めのシーンでは、ニアポストとの間にギャップを残していたために罰せられた」
見逃し配信で、あらためて3つのゴールシーンをチェックしてみましたが、デ・ヘアびいきの私でも反論の余地はありません。それぞれ、リンデロフ、ブランドン・ウィリアムズ、マグワイアに問題があったのは確かですが、以前の彼なら3つのうち2つは何とかしてくれていたはずです。「BBC」のチーフフットボールライターであるポール・マクナルティさんのコメントも辛辣で、ジルーのニアポストフリックへの対応については「不器用で雑」とひとこと。メイソン・マウントの20ヤードを許したシーンは、「日常的な低迷」「集中力と技術のエラー」と切り捨てています。
「デ・ヘアが、もはやマンチェスターで最高のGKではないことを示す証拠は数多く存在する。彼は、世界を気にする必要はない。プレミアリーグで最高ではないのだから。マンチェスター・シティのエデルソンと、リヴァプールのアリソンのブラジル人ペアは、はるかに優れている。さらに重要なのは、マンチェスター・ユナイテッドからシェフィールド・ユナイテッドに貸し出されたディーン・ヘンダーソンは、デ・ヘアよりもいいシーズンを過ごしているということだ」(「
BBC」7月19日付「David de Gea slump requires action’ after Manchester United loss to Chelsea」/ポール・マクナルティ)
ウェンブリーで犯したいくつかのミスが、これほど大々的に報じられるのは、デ・ヘアが明らかな失敗を繰り返しているからです。プレミアリーグ再開後の初戦では、トッテナムのベルフワインが放ったミドルシュートを後逸。試合を見たロイ・キーンが「オレが監督でも選手でも、デ・ヘアを〇す!ハーフタイムにリ×チしただろう」とまくし立てるのを黙って聞いてしまうほどのショッキングなシーンでした。33節のボーンマス戦で、マグワイアをかわしたスタニスラスにゴール脇からニアを抜かれたシーンも、勇敢なGKなら飛び出していたでしょう。
彼の変調の始まりは、オンターゲットの大半を決められてしまった2018年のワールドカップロシア大会です。ワールドクラス、プレミアリーグNo.1とリスペクトされていた稀代のショットストッパーは、2018-19シーズンに入ると、前に出て体に当てるアグレッシブなセービングが目に見えて減りました。それでも、前半戦は無難なプレイを見せていたのですが、3月10日のアーセナル戦でジャカに喰らったシュート回転の一撃を合図に、目も当てられない大スランプに陥ってしまいました。
シュート回転がかかり、ファーサイドに逃げていくボールに対してニアに動いたGKは、呆然と見送るしかありませんでした。おそらく、ミスのダメージが心に蓄積する繊細なタイプなのでしょう。評論家の非難を浴びたこのシーン以降、デ・ヘアはイージーなミスを連発するようになります。35節のエヴァートン戦は4-0惨敗。シグルズソンとディーニュのミドルに対する反応は、リーグ屈指といわれる選手のものではありませんでした。防波堤の決壊を繕えなかったマンチェスター・ユナイテッドは、最後の5試合を2分3敗で終え、プレミアリーグ6位に留まりました。
2011年の夏にプレミアリーグに参入して以来、2016-17シーズンまでの7年でゴールにつながるミスが6回しかなかった守護神は、直近2シーズンで7回も失点の主犯となっています。このスタッツは、ニューカッスルのドゥブラフカに次ぐ2位。ミスして気にしてミスを重ねる悪循環は、どこで終わりを迎えるのでしょうか。幾度となくチームを救ってくれた絶対的守護神には、「頼む!復活してくれ!」と祈るしかないのですが…。プレミアリーグ2019-20シーズンの最後の2試合は、「やっぱりデ・ヘアだ!」と叫びたくなるようなビッグセーブを期待したいと思います。…いや、もちろん、「デ・ヘアは何もすることがなかった」と書かれるような試合のほうがありがたいです。はい。
「1点めはオリヴィエ・ジルーのフリックに騙された。メイソン・マウントのシュートは3つのうち最悪で、掌握すべき距離からのものだった。3点めのシーンでは、ニアポストとの間にギャップを残していたために罰せられた」
見逃し配信で、あらためて3つのゴールシーンをチェックしてみましたが、デ・ヘアびいきの私でも反論の余地はありません。それぞれ、リンデロフ、ブランドン・ウィリアムズ、マグワイアに問題があったのは確かですが、以前の彼なら3つのうち2つは何とかしてくれていたはずです。「BBC」のチーフフットボールライターであるポール・マクナルティさんのコメントも辛辣で、ジルーのニアポストフリックへの対応については「不器用で雑」とひとこと。メイソン・マウントの20ヤードを許したシーンは、「日常的な低迷」「集中力と技術のエラー」と切り捨てています。
「デ・ヘアが、もはやマンチェスターで最高のGKではないことを示す証拠は数多く存在する。彼は、世界を気にする必要はない。プレミアリーグで最高ではないのだから。マンチェスター・シティのエデルソンと、リヴァプールのアリソンのブラジル人ペアは、はるかに優れている。さらに重要なのは、マンチェスター・ユナイテッドからシェフィールド・ユナイテッドに貸し出されたディーン・ヘンダーソンは、デ・ヘアよりもいいシーズンを過ごしているということだ」(「
BBC」7月19日付「David de Gea slump requires action’ after Manchester United loss to Chelsea」/ポール・マクナルティ)
ウェンブリーで犯したいくつかのミスが、これほど大々的に報じられるのは、デ・ヘアが明らかな失敗を繰り返しているからです。プレミアリーグ再開後の初戦では、トッテナムのベルフワインが放ったミドルシュートを後逸。試合を見たロイ・キーンが「オレが監督でも選手でも、デ・ヘアを〇す!ハーフタイムにリ×チしただろう」とまくし立てるのを黙って聞いてしまうほどのショッキングなシーンでした。33節のボーンマス戦で、マグワイアをかわしたスタニスラスにゴール脇からニアを抜かれたシーンも、勇敢なGKなら飛び出していたでしょう。
彼の変調の始まりは、オンターゲットの大半を決められてしまった2018年のワールドカップロシア大会です。ワールドクラス、プレミアリーグNo.1とリスペクトされていた稀代のショットストッパーは、2018-19シーズンに入ると、前に出て体に当てるアグレッシブなセービングが目に見えて減りました。それでも、前半戦は無難なプレイを見せていたのですが、3月10日のアーセナル戦でジャカに喰らったシュート回転の一撃を合図に、目も当てられない大スランプに陥ってしまいました。
シュート回転がかかり、ファーサイドに逃げていくボールに対してニアに動いたGKは、呆然と見送るしかありませんでした。おそらく、ミスのダメージが心に蓄積する繊細なタイプなのでしょう。評論家の非難を浴びたこのシーン以降、デ・ヘアはイージーなミスを連発するようになります。35節のエヴァートン戦は4-0惨敗。シグルズソンとディーニュのミドルに対する反応は、リーグ屈指といわれる選手のものではありませんでした。防波堤の決壊を繕えなかったマンチェスター・ユナイテッドは、最後の5試合を2分3敗で終え、プレミアリーグ6位に留まりました。
2011年の夏にプレミアリーグに参入して以来、2016-17シーズンまでの7年でゴールにつながるミスが6回しかなかった守護神は、直近2シーズンで7回も失点の主犯となっています。このスタッツは、ニューカッスルのドゥブラフカに次ぐ2位。ミスして気にしてミスを重ねる悪循環は、どこで終わりを迎えるのでしょうか。幾度となくチームを救ってくれた絶対的守護神には、「頼む!復活してくれ!」と祈るしかないのですが…。プレミアリーグ2019-20シーズンの最後の2試合は、「やっぱりデ・ヘアだ!」と叫びたくなるようなビッグセーブを期待したいと思います。…いや、もちろん、「デ・ヘアは何もすることがなかった」と書かれるような試合のほうがありがたいです。はい。
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