本田圭祐とのコンビも手応え充分。「エル・ニーニョ」フェルナンド・トーレス、復活の兆し!
さて、かくいう私も、アーセナルの試合をメインで観戦しながら、リヴァプールの大変な延長&PK戦と、エヴァートンの完敗をチェック。さすがにこれ以上リアルタイムで観るのは難しかったものの、実はもう1試合、気になる試合がありました。ACミランVSエンポリ。この試合に、プレミアリーグを離れたフェルナンド・トーレスがスタメンで出るという情報があったからです。
私は以前、フェルナンド・トーレスが好きでした。彼の存在を強く意識したのは、2006年のワールドカップ・ドイツ大会が最初でした。それまでワールドクラスのストライカーをなかなか輩出できず、国際舞台でベスト8が指定席だったスペインにトーレスが現われたとき、「無敵艦隊スペインが、ほんとうに無敵になるかもしれない」とワクワクしました。何しろ凄かったですからね。一気にトップギアに入る、10メートルの爆発的なスピード。キャリアのピークは、24歳だった2008年でしょう。2007-08シーズンのリヴァプールで、プレミアリーグの得点王争いで2位となる24ゴールを挙げ、ユーロのファイナルではドイツを下す決勝ゴール。このときは、「これから10年は、エルニーニョの時代だ」と思ったのですが、彼の運命はチェルシー移籍とともに暗転します。
入団当初の903分間ノーゴールで完全につまずき、3年半でリヴァプール時代の2年分にも及ばない45ゴール。度重なるケガがスピードを奪い、うまくプレイできない焦りが豪快なシュートを忘れさせたのでしょうか。この夏、ACミランと2年間のレンタルという異例の契約を結んだ元スペイン代表のエースは、既に30歳。もう、チェルシーにもプレミアリーグにも戻ることはないでしょう。早熟の天才、下り坂の選手と切り捨てながらも、心のどこかで彼が気になっていました。もし、何らかの理由でチェルシーが合わなかったのであれば、新天地ACミランでもうひと花、咲かせられるのではないだろうか、と。
昨日のエンポリ戦の前半は、ACミランにとって最悪の立ち上がり。最初の20分でセットプレーから2点を獲られ、セリエAに昇格したばかりのチームにリードを許します。しかし、ここからのミランの攻撃は迫力がありました。本田圭祐は、ゼロトップに近い4-3-3でメネズが中央にいるときより、明らかにプレイしやすそうです。背番号10が中に入りやすくなったのは、メネズより球離れがよく、右サイドに開いて本田にルートを創ってくれるフェルナンド・トーレスがいるからです。そしてついに、その瞬間がやってきました。43分、右からのクロスを絶妙なヘッドでゴール左隅に落としたのは、フェルナンド・トーレス!現地の実況が叫ぶ「エル・ニーニョ(神の子)」という愛称を、久しぶりに聞いた気がしました。
いや、うれしかったですね。ゴールもさることながら、プレイしている姿が楽しそうで。ミランの2点めは、アバーテから本田にパスが渡った瞬間、トーレスが右サイドに開いてDFを連れて行ったためにできたスペースを本田が突いたゴールでした。同点になった後、右サイドを抜けたトーレスが強引にクロスにシュートを放ち、ファーでパスが欲しかったフリーの本田が怒るシーンがありましたが、この強引さは、若き日にゴールを量産していたフェルナンド・トーレスとオーバーラップします。本田圭祐、アバーテとの3人のコンビネーションは、今後のACミランにゴールの山を築くでしょう。
先週末のデポルティーボ・ラ・コルーニャ戦で、チチャリートが2ゴールを決めましたが、プレミアリーグを離れた選手の活躍ぶりも気になるところです。とはいえ、プレミアリーグだけでも追いかけるのが大変なので、これ以上観戦する試合を増やすとなると、ただでさえ足りない睡眠時間をさらに削るしかありません。うーん、悩ましい。(フェルナンド・トーレス 写真著作者/Flums)
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チェルシーを去ったとはいえトーレスが活躍してくれて嬉しいです。チェルシーではパスの供給元が誰もいなかったので、ファブリガスのような選手がいればチェルシーでも輝けたのではないかと未だに妄想しています。
アスピ(ry さん>
そうですね。ミランでは本田圭祐もさることながら、エル・シャーラウィとアバーテがいるので、気持ちよくパスをもらえると思います。