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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

次はプレミアリーグで観たい!キャピタルワンカップでクラブを勝利に導いた若きヒーローたち

キャピタルワンカップ3回戦は、プレミアリーグのトップクラブの明暗を分ける結果となりました。アーセナルはエミレーツでサウサンプトンに1-2と完敗。彼らが3回戦という早いタイミングで大会を去るのは、日韓ワールドカップ直後の2002年以来、12年ぶり。今季不調のエヴァートンもスウォンジーに3-0で敗退し、今後はプレミアリーグとヨーロッパリーグで巻き返しを図ることになります。

一方、勝ったクラブも、楽勝したのは7-0のマンチェスター・シティのみでした。PK戦にもつれ込んだリヴァプール、後半に先制されたトッテナム、猛攻をしのいで逃げ切ったチェルシーは、いずれもチャンピオンシップ所属クラブに苦戦。プレミアリーグで使われていない若手選手の貴重なゴールで何とか勝利をつかんだというのも共通しています。今回は、キャピタルワンカップ3回戦において、苦しんでいたクラブを勝利に導いた若いヒーローたちにスポットを当てて、彼らのプロフィールと将来性を紹介していきたいと思います。

ミドルスブラに2-2、PK戦14-13と、薄氷の勝利でキャピタルワンカップに残ったリヴァプール。ゴールを決めたのは、いずれも大器と期待される若手MFでした。スターリングとランバートのシュートが次々とブロックされた後、GKの足元を抜く強烈なシュートで攻撃を締めたのはジョーダン・ロシター。この日が17歳183日だった彼のゴールは、リヴァプールの最年少ゴール記録を持つ「ワンダーボーイ」マイケル・オーウィンに次ぐ若さだったそうです。

イギリスメディア「スカイスポーツ」の取材で「ゴールした瞬間のことは全く覚えていない。僕は少し狂ったようになっていた」と答えたロシターは、中盤センターなら前でも後ろでもプレイできるハードワーカー。U-16イングランド代表でキャプテンだった彼は、さしづめ「ドリブルが得意なスティーブン・ジェラード」でしょうか。5年後には、ジョーダン・ヘンダーソン主将の下、「Wジョーダン」でリヴァプールの中盤を仕切り、ジェラード、ヘンダーソンと続くチームの統率役を任されるといいですね。トップチームに定着するには、もうしばらく時間がかかりそうですが、カップ戦を中心に、折にふれて彼の活躍を観られればと思います。

そしてもうひとり、延長戦でリヴァプールの勝ち越しゴールを左足で冷静に決めたのが、20歳のスソでした。彼がスペインからリヴァプールのアカデミーに入ったのは4年前。2012-13シーズンにはプレミアリーグデビューを果たし、昨季はスペインのアルメリアにレンタルされていました。U-19欧州選手権、U-20ワールドカップではいずれもスペインの主力で、こちらは「ドリブルが速いダヴィド・シルヴァ」。スターリングやコウチーニョのポジションに入れても、ヘンダーソンの代役をさせても、それなりにこなしてしまいそうな攻撃のオールラウンダーです。現在、リヴァプールでは出場機会が少ないため、夏にはFCポルト、最近ではACミランへの移籍話があるのが気になるところ。リヴァプールは、この才能は何としても守るべしではないでしょうか。

本拠地ホワイト・ハート・レーンで60分過ぎに先制され、負けに傾いていたトッテナムを救ったのは、MFライアン・メイソンでした。こちらはトッテナムのアカデミー出身の選手で、ポジションとしてはエリクセンがライバルとなるイメージでしょうか。2012年にハリー・ケインと一緒にチャンピオンシップのミルウォールFCにレンタル移籍したメイソンは、2012年にはU-21プレミアリーグの活躍をヴィラス・ボアス監督に評価されていたのですが、昨季はケガもあって伸び悩み、ミルウォールで活躍したハリー・ケインが先に出世。本人が「他の選手たちよりも、出場機会を長い間待っていた」と語るように、ここにきてやっとひとつ、チャンスをつかむことができました。トッテナムの攻撃的なMFのポジションはスピード系の選手が多いだけに、メイソンがパスセンスを磨いて大きくなってくれれば、チームの軸となれる可能性もあるでしょう。

アーセナルを倒したセインツの注目株は、22歳のセネガル代表FWサディオ・マネ。移籍市場の締め切り間際は、かなり詳細に選手の出入りをチェックしていたのですが、なぜか彼はスルーしてしまっていました。火曜日のキャピタルワンカップで初めて観ましたが、いい選手ですね。マネがロシツキのファールを誘ってPKをゲットしたところから、セインツの逆襲が始まりました。フランスのメツからザルツブルグに移籍し、87試合45ゴールという記録を残してプレミアリーグにやってきた彼は、スピードとユーティリティの高さが魅力。両サイドでアタッカーとしてプレイでき、9番もトップ下もこなすマネについて、クーマン監督は「アヤックスを率いていたときにザルツブルクとELで戦い、彼を知った。フィジカルの強さとプレイのクオリティに感動した。彼には以前と同じようなゴール数を期待している」と語っています。セインツは、今季の急成長株、19歳のウォード=プラウズの3ヵ月離脱を発表したばかりですが、彼の穴は、これからプレミアリーグデビューとなるマネが埋めてくれるはずです。

最後に紹介したいのは、チェルシーの先制ゴールを決めた19歳、クル・ズマ。サンテティエンヌでリーグ・アン52試合4得点の実績を作り、今年1月にチェルシーにやってきたCBは、2013年にU-20ワールドカップを制したフランス代表のメンバーです。「モウリーニョ監督に惹かれてチェルシーに来た」と公言する彼は、テリー、ケーヒル、イヴァノヴィッチとベテランぞろいのチェルシー最終ラインにおいて、次世代の中心選手として期待されています。同じポジションでも、より攻撃センスのあるナタン・アケのほうが私の好みですが、ダヴィド・ルイスをDFには不要と判断したモウリーニョ監督は、アケのようなタイプをCBでは起用しないと思われます。チェルシーのスケジュールがタイトになる年明け以降は、ズマの出番も増えるでしょう。

キャピタルワンカップやFAカップの醍醐味のひとつに、素晴らしい若手選手を発見できることがあります。今回ゴールに絡んだ選手以外では、負傷離脱のふたりが注目株。既に若手選手の域を脱したイングランド代表MFロス・バークリーと、今季になって俄然よくなった私のイチ推しウォード=プラウズの活躍をレポートできないのは非常に残念です。何はともあれ、キャピタルワンカップ4回戦でも、若手の活躍ぶりを追いかけていきたいと思います。(ヘスス・ホアキン・フェルナンデス・サエス・デ・ラ・トーレス ”スソ” 写真著作者/Liz Phillips)

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