偏愛的プレミアリーグ見聞録

「Auba signs a new long-term contract!」。アーセナルの公式サイトが、グーナーが待ち焦がれたニュースを配信しました。「31歳のキャプテンは、新たな契約に関するペーパーにペンを走らせた後、公式サイトとSNSで速報を流したいと考えていた。さらなるトロフィーを掲げ、長期的なレガシーとして名を残すという野望のために、ここに残ると決めたことをファンにLIVEで伝えたかった」。公式戦111試合72ゴール、プレミアリーグ86試合55ゴールのピエール＝エメリク・オーバメヤンが結んだ契約は、34歳になるまでの3年契約です。

現地メディアは、ノースロンドンにおける夏の最大のニュースを一斉に報道。「アーセナルにとって祝福する価値がある1日」と語ったのは、「BBC」のチーフフットボールライター、フィル・マクナルティさんです。「この夏、多くのビジネスに熱中していたアーセナルとアルテタにとって、このトランザクションは他よりはるかに大きな重要性があった」と語り始めたジャーナリストは、クラブに新たな組織、規律、熱意をもたらしたアルテタ監督の存在が、エースに将来を約束させることに寄与したとレポートしています。

「うまくやれば、ここが彼にとって正しい場所であり、未来があると納得させることができる」…2月の指揮官の言葉を紹介したのは「スカイスポーツニュース」のダルメシュ・シェスさん。シーズンの最後につかんだタイトルとマネージャーの力量、5人の即戦力を獲得したクラブの野心がエースの納得につながったという指摘に異論はないでしょう。準決勝のマンチェスター・シティ戦で2ゴール、ウェンブリーで行われたチェルシーとのファイナルでも2ゴール。彼がいなければFAカップ制覇は成し得ず、FAカップのトロフィーの感触がなければ彼の契約延長交渉は秋以降に持ち越していたかもしれません。

「ピエール＝エメリク・オーバメヤンの影響力を計る尺度は、34歳になっても依然として週25万ポンドの価値があるとクラブが判断したことに現れている。ストライカーの新しい契約は、深刻な財政難に陥ったクラブにとってかなりの投資だが、アーセナルの目線からは、これが正しい決定であるかどうかを疑うことはできない」。その存在はミケル・アルテタのプランそのものと語る「テレグラフ」のサム・ディーン記者もまた、オーバメヤンとの契約延長は唯一の選択肢とするジャーナリストのひとりです。

「現在のシステムは、可能な限りオーバメヤンが脅威となるように設計されている」「彼がいなくなれば、ゼロからやり直し」「サッカー人生の過酷さがオーバメヤンの体を蝕み、18か月後に後悔することになったとしても、今回の契約が取るべきリスクであることは明らか」。類まれなる得点力と戦術的な重要性を情熱的に書き連ねた記者は、ピッチの外で発揮される価値についても言及しています。

「舞台裏でも非常に重要なキャラクター。才能ある若者たちのメンターを務めている」。ファーストチームのひとりという表現で、名前は伏せながらも「彼の振る舞いは、すべての若い選手たちの扱い方について模範を示している。ピッチで語りかけるのが、誰よりもうまい」と、心酔する若い選手の言葉を紹介。チームに及ぼす影響力の高さも、週給に込められていると評しています。メスト・エジルが、バックステージで若手の動機づけになると示されたことはないと添えながら。

入団から2年半で、とてつもなく大きな初タイトルをゲット。チームを勝利に導くゴールを重ねてきた絶対的エースには、偉大なるデニス・ベルカンプのように、14番のシャツを着たままエミレーツでスパイクを脱ぐという最高のエピローグを期待しましょう。

「このスペシャルなクラブと契約することに疑いの余地はなかった。自分はここにいると感じられるのは、ファン、チームメイト、家族とクラブにいるみんなのおかげだ。アーセナルを信じている。われわれはともに大きなことを成し遂げることができる。エキサイティングなものを共有できており、アーセナルに来たのはベストの判断だったと確信している」（2020年9月15日、ピエール＝エメリク・オーバメヤン）