本田圭佑にマンチェスター・シティが27億円!? そりゃないでしょと思いながら、ちょっとうれしい!
岡崎は、「プレミアリーグのウエストハムが獲得に関心」と伝えられておりましたが、ドイツよりイタリアのほうが話を盛るのがうまいのか、マインツとACミランの差なのか、本田圭佑は、岡崎より圧倒的に上をいく移籍話が記事になっています。イタリア紙「コリエーレ・デロ・スポルト」が、ミランの10番へのオファーを用意していると伝えたのは、何と昨季プレミアリーグ王者のマンチェスター・シティ。移籍金は、1800万~2000万ユーロ(約25億~27億円)まで高騰していると報じています。記事内では、「ミランは話を聞く気すらない」「マーケティングの観点でも重要な選手」と、イタリアの名門クラブはオファーを断ると書かれておりますが、こういわれると、実現してもしなくても、「ほら、いったとおりでしょ!?」と胸を張られそうで、巧妙なゴシップだな、とむしろ感心してしまいます。
これを読んだサッカーファンの大半が「そりゃないでしょ!」と思ったはずで、私もそのひとりですが、ミランへの移籍話が盛り上がっていた2013年7月には、同じ「コリエーレ・デロ・スポルト」がたったの200万ユーロ(当時のレートで約2億6000万円)と報道。実際には移籍金ゼロで冬にミランに加入したことを思い出せば、20億円からの話があるというだけで、少し誇らしい気分になったりするのです。そこは、日本人ですから。
そして、プレミアリーグ入り以外にも、本田圭佑の話題はさまざま。一部の新聞では、昨季終盤に掲載した酷評を謝罪する記事まで掲載しているようです。「トゥット・スポルト紙」は、CSKAモスクワ在籍時に本田圭佑と対戦経験があるゼニトのスパレッティ前監督のコメントを掲載。ライバルクラブで戦った指揮官は、「シンプルにボールをさばくときと、勝負しにいくときの判断が素晴らしい」と、彼の才能をリスペクトしています。また、「ガゼッタ・デロ・スポルト」は、ミラノのレストランで家族や友人たちと食事していた本田に、ガリアーニ副会長がシャンパンをプレゼントしたという話を紹介。ガリアーニ氏は、「あのプラティニですら、実力を発揮するまでにはそれなりの時間が必要だった。本田のゴールラッシュはインパクト大だ」と、ユーヴェで3年連続セリエA得点王を記録したUEFA会長の名前まで持ち出して、クラブのエースを称賛しているとのこと。いや、これはもう、大騒ぎです。それはそうですよね。何せ、右ウイングの選手がクリスティアーノ・ロナウド並みの勢いで、毎試合のようにゴールを決めているのですから。日本人云々は関係なく、「ミランは素晴らしいアタッカーを擁してチャンピオンズリーグに復帰しようとしている」というわけです。
本田圭佑にとって大きかったのは、互いに厚い信頼を表明しているフィリッポ・インザーギ監督の存在でしょう。ドリブルはさほど速くはないものの、正確なクロス、タイミングのいい中や裏への飛び出し、運動量、守備での貢献、ボールキープと総合力の高い本田をウィングにコンバートしたのは、インザーギ監督の慧眼だと思います。あらためて、監督との関係で選手は変わるんだなと痛感します。
6ゴールは、右、左、頭すべてあり。決めたシーンも、DFを一瞬かわしてミドル、GKと1対1、クロスをヘッド、直接FKと多彩です。この調子でいけば、シーズン20ゴールも十分可能性がありますが、最大のネックは1月のアジア大会です。本田自身も、ワールドカップに直結しないローカルな大会のために、よりハイレベルな戦いができるミランを離れたくないのではないでしょうか。
ミラン入団からもうすぐ1年。いろいろありましたが、ここまでの本田圭佑は順調といっていいでしょう。しかし今後、彼が「誰もが認めるミランの10番」になるためには、セリエAのトップクラブとの対戦で活躍しなければなりません。今週末のフィオレンティーナ戦、来月のミラノダービー、年末のローマ戦は、クラブにとっても本田にとっても極めて重要。これらの試合でのゴールと、セリエAで彼自身初となるハットトリックに期待したいと思います。…プレミアリーグの話じゃないのに、少し盛り上がりすぎました。すみません、何かとうれしかったもので、つい。とってつけたようですが、マンチェスター・シティ移籍はやめてくださいね。ミランの10番が、わざわざ海を渡ってダヴィド・シルヴァ、ナスリ、ミルナー、ヘスス・ナバスに続く5番手評価、などとなったら悲しすぎます。(フィリッポ・インザーギ 写真著作者/Delfort)
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名前が少し違いますよ〜
本田圭佑だと思います。
モウさん>
お恥ずかしい。恐縮です。ありがとうございます。訂正させていただきました。