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スカイスポーツ」が問題提起!「チェルシーは誰をセンターフォワードに据えるべきか?」

ドイツ人は公式戦16試合8ゴール4アシスト、イングランド人は15試合5ゴール5アシスト、フランス人は10試合6ゴール。チェルシーを率いるフランク・ランパード監督は、ぜいたくな悩みを抱えています。「スカイスポーツ」の問題提起は、「Who should be Chelsea’s central striker?(チェルシーは誰をセンターフォワードに据えるべきか?)」。2019-20シーズンのライプツィヒで、公式戦45試合34ゴール13アシストという出色のスタッツを残したティモ・ヴェルナーか。昨季プレミアリーグで34試合15ゴールと大ブレイクのタミー・アブラハムか。プレミアリーグ通算86ゴール、CL17ゴール、EL14ゴールと実績充分のオリヴィエ・ジルーか。ブルーズのサポーターでなくても、プレミアリーグファンならオンライン飲み会が終わらなくなるテーマです。

ヴェルナー派が主張するのは、スピードと1対1の強さ。タミー・アブラハム推しは、決められるエリアに顔を出すストライカーとしてのセンス。ジルーのファンは、プレミアリーグNo.1といい切りたくなるポストプレーと、ダイビングヘッド、バイシクル、スコーピオンなど意外性のあるフィニッシュといったところでしょうか。

この話が盛り上がるのは、「点取り屋たちの得点力勝負」という単純な比較ではないからでしょう。タミー・アブラハムかジルーを選べば、もれなく「左ウイングにヴェルナー」という破壊力のあるアイテムをゲットできます。これに対してCFヴェルナーを推奨する人は、「プリシッチとツィエクを同時に起用できる」という切り返しトークを展開できます。

プレミアリーグにおけるランパード監督の直近4試合のチョイスは、左にヴェルナー、センターにタミー・アブラハム、ラスト10分前後でジルーです。「結論は出ているじゃないか」という声が聞こえてきそうですが、この間はプリシッチとカイ・ハヴェルツが負傷で数試合を欠場しているという状況を押さえておく必要があります。

ヴェルナーが左か中央で必ず起用されるとすれば、タミー・アブラハムの実質的なライバルはアタッキングハーフやウインガーです。4-3-3で、ウイングのファーストチョイスは誰か。カイ・ハヴェルツをトップ下に置く4-2-3-1(あるいは4-2-1-3)を基本とするべきか。議論が尽きないとすれば、ランパード監督の悩みも尽きないということになります。

「スカイスポーツ」の記事では、スパーズ戦でチャンスを活かせなかったタミー・アブラハムに対して、ジミー・フロイト・ハッセルバインクとロイ・キーンの両氏が「決めなければダメ」「改善が必要」と喝。ジルーについては、アダム・ベイト記者が「彼が活用されていないのは明らか」「ランパードは、彼に時間を与えて機嫌を取りつつも、アブラハムの進化を妨げたくない」「明日チャンピオンズリーグ決勝でプレイするなら、アブラハムではなくジルーを先発させたいだろう。しかしランパードは、他の要素を考慮に入れなければならない」と、指揮官の難しい立場を代弁しています。

記者のヴェルナーの評価は、「最前線でボールを収めたり、ゴールに背を向けてプレイしたりするよりも、広いスペースがある左サイドのほうが適しているかもしれない」。結論を読み取ると、「ジルーとアブラハムのうち、元気なほうを前線に据え、ヴェルナーは左」といっているようです。となると、今度は「ツィエク、プリシッチ、ハドソン=オドイのうち、誰が右ウイング?」という別なバトルが勃発し、中盤センターにおいても「カンテ、コヴァチッチ、ジョルジーニョ…」。どこをつまんでも議論が尽きないとすれば、ランパード監督の悩みも尽きないということになります。さて、本日のリーズ戦のスタメンは?


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“スカイスポーツ」が問題提起!「チェルシーは誰をセンターフォワードに据えるべきか?」” への1件のコメント

  1. n より:

    更新お疲れ様です。CLでのあれだけの活躍からするとジルーをトップに置いた先発を期待しますね。トッテナム戦であと数センチの差でゴールとならなかったエイブラハムとしてには、とにかくゴールが必要です。加えて、アスリートにとってはより深刻なコロナの影響もあるかもしれませんが、怪我前の状態まで戻れていないオドイ、レンタル中のロフタスチークやトモリなど、未来を担える才能が控えているので、楽しみな限りです。ツィエクの右は指定席になりつつあるので、状況に応じて刃先の付け替えられる戦術に期待ですね。

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