もう一度、見たかった。フェネルバフチェ移籍間近と報じられたメスト・エジルに贈る惜別の言葉。
「Arsenal midfielder leaves complex legacy after years of ups and downs(アーセナルのMFは、浮き沈みの激しい数年の後、複雑なレガシーを残した)」。ここ数日、メスト・エジルの去就について記事を連発していた「スカイスポーツ」が、フェネルバフチェ移籍がほぼ確実になったと報じています。プレミアリーグ184試合33ゴール54アシストという記録を残したアーセナルの10番は、既にイスタンブールに滞在。公式Twitterには、新たなクラブのマフラーを掲げる写真や、黄色と黒のシャツを纏った姿がUPされています。
記事によると、アーセナルのエドゥTD、フェネルバフチェのディレクターのエムレ、エジルの代理人を務めるエルクと・ソグト氏によって話はついているとのこと。プレミアリーグで最高額の週給35万ポンドといわれるサラリーについては、「エジルは、未払いのサラリーの一部を放棄する」「イスタンブールに本拠を置くエクセンメディアグループがサラリーの資金を提供し、見返りとして肖像権を保持する」とレポートしています。メディカルチェックを無事に通過すれば、正式発表される見通し。新しいシャツを着た画像には、英語とトルコ語で「過去と未来」というひとことが添えられています。
冒頭の見出しは、エジルの7年4ヵ月を振り返ったニック・ライト記者によるものです。始まりは、2013年9月。アーセン・ヴェンゲルが、補強について質問した記者に応えた「Maybe we’ll have a good surprise for you」という言葉でした。いい驚き…フラミニをミランから復帰させ、ヤヤ・サノゴをフリーで引き入れた48時間後に、センセーショナルなニュースが世界に配信されました。レアル・マドリードでクリスティアーノ・ロナウドの最高のパートナーといわれていたメスト・エジルが、4520万ポンドでアーセナルに移籍。入団してすぐに、グーナーの人気を集めたプレーメイカーが最も輝いたのは2015-16シーズンでした。
レスターが奇跡的な優勝を遂げたあの年は、エミレーツに移ってからのアーセナルが最も優勝に近づいたシーズンでもありました。プレミアリーグ35試合6ゴール19アシスト。ティエリ・アンリが保持していた20アシストというリーグレコードには及ばなかったものの、チャンスクリエイト146回は史上最多でした。ノースロンドンにトロフィーを持ち帰るキーマンと目されたプレーメイカーは、その後の4年でゆっくり下降していきます。2016-17シーズンは8ゴール9アシスト、その翌年は4ゴール8アシスト、2018-19シーズンは5ゴール2アシスト。エメリ、リュングベリ、アルテタと3人の指揮官の下でプレイした昨季は、18試合1ゴール2アシストという彼らしくないスタッツで終わりました。
私は、「脚本・演出メスト・エジル」というべき無双状態のゲームが好きでした。前線の選手やSBを自在に操り、自らもゴール前に飛び出す美しいプレーメイクを見せつけられると、試合が終わってから数時間はハイテンションが続いたものです。最後の輝きは2018年10月23日、VSレスター。前半終了間際に左のポストに当てる美しいボレーを決めた10番は、ベジェリンをスルーパスで走らせてオーバメヤンのフィニッシュにつなげ、華麗なスルーと左足のアウトでタッチしたおしゃれなアシストで勝利を手繰り寄せました。
2020-21シーズンも、エジル無双を見たいと密かに期待していたのですが…。プレミアリーグの登録メンバーから漏れ、無為な数ヵ月が過ぎた後、年末のビッグロンドンダービーでスミス・ロウが活躍したのを見て、彼の復活を諦めました。フェネルバフチェ移籍の報に触れて、脳裏に浮かぶのは、2016年2月14日のあの1発です。1-1で迎えた95分、おそらくラストプレー。メスト・エジルが右から蹴ったFKがウェルベックの頭を捉え、劇的な逆転勝利。首位レスターとの差を2ポイントに詰めたアーセナルが、いよいよプレミアリーグを制覇すると心がざわついた日でした。
アーセナルに入団してからの公式戦トータルは、254試合44ゴール77アシスト。7シーズンで残したチャンスクリエイト558回を同じ期間で超えるのは、571回のクリスティアン・エリクセンのみです。いよいよ、お別れの時がきたようです。トルコで、幸せに過ごしてください。2018年の春以降、多くの苦しみを味わってきた32歳のプレーメイカーが、晴れやかな心持ちでイスタンブールの空を見上げていることを願っています。
記事によると、アーセナルのエドゥTD、フェネルバフチェのディレクターのエムレ、エジルの代理人を務めるエルクと・ソグト氏によって話はついているとのこと。プレミアリーグで最高額の週給35万ポンドといわれるサラリーについては、「エジルは、未払いのサラリーの一部を放棄する」「イスタンブールに本拠を置くエクセンメディアグループがサラリーの資金を提供し、見返りとして肖像権を保持する」とレポートしています。メディカルチェックを無事に通過すれば、正式発表される見通し。新しいシャツを着た画像には、英語とトルコ語で「過去と未来」というひとことが添えられています。
冒頭の見出しは、エジルの7年4ヵ月を振り返ったニック・ライト記者によるものです。始まりは、2013年9月。アーセン・ヴェンゲルが、補強について質問した記者に応えた「Maybe we’ll have a good surprise for you」という言葉でした。いい驚き…フラミニをミランから復帰させ、ヤヤ・サノゴをフリーで引き入れた48時間後に、センセーショナルなニュースが世界に配信されました。レアル・マドリードでクリスティアーノ・ロナウドの最高のパートナーといわれていたメスト・エジルが、4520万ポンドでアーセナルに移籍。入団してすぐに、グーナーの人気を集めたプレーメイカーが最も輝いたのは2015-16シーズンでした。
レスターが奇跡的な優勝を遂げたあの年は、エミレーツに移ってからのアーセナルが最も優勝に近づいたシーズンでもありました。プレミアリーグ35試合6ゴール19アシスト。ティエリ・アンリが保持していた20アシストというリーグレコードには及ばなかったものの、チャンスクリエイト146回は史上最多でした。ノースロンドンにトロフィーを持ち帰るキーマンと目されたプレーメイカーは、その後の4年でゆっくり下降していきます。2016-17シーズンは8ゴール9アシスト、その翌年は4ゴール8アシスト、2018-19シーズンは5ゴール2アシスト。エメリ、リュングベリ、アルテタと3人の指揮官の下でプレイした昨季は、18試合1ゴール2アシストという彼らしくないスタッツで終わりました。
私は、「脚本・演出メスト・エジル」というべき無双状態のゲームが好きでした。前線の選手やSBを自在に操り、自らもゴール前に飛び出す美しいプレーメイクを見せつけられると、試合が終わってから数時間はハイテンションが続いたものです。最後の輝きは2018年10月23日、VSレスター。前半終了間際に左のポストに当てる美しいボレーを決めた10番は、ベジェリンをスルーパスで走らせてオーバメヤンのフィニッシュにつなげ、華麗なスルーと左足のアウトでタッチしたおしゃれなアシストで勝利を手繰り寄せました。
2020-21シーズンも、エジル無双を見たいと密かに期待していたのですが…。プレミアリーグの登録メンバーから漏れ、無為な数ヵ月が過ぎた後、年末のビッグロンドンダービーでスミス・ロウが活躍したのを見て、彼の復活を諦めました。フェネルバフチェ移籍の報に触れて、脳裏に浮かぶのは、2016年2月14日のあの1発です。1-1で迎えた95分、おそらくラストプレー。メスト・エジルが右から蹴ったFKがウェルベックの頭を捉え、劇的な逆転勝利。首位レスターとの差を2ポイントに詰めたアーセナルが、いよいよプレミアリーグを制覇すると心がざわついた日でした。
アーセナルに入団してからの公式戦トータルは、254試合44ゴール77アシスト。7シーズンで残したチャンスクリエイト558回を同じ期間で超えるのは、571回のクリスティアン・エリクセンのみです。いよいよ、お別れの時がきたようです。トルコで、幸せに過ごしてください。2018年の春以降、多くの苦しみを味わってきた32歳のプレーメイカーが、晴れやかな心持ちでイスタンブールの空を見上げていることを願っています。
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彼のツイッターからは、2018年のW杯以降を顕著に心の中の祖国“トルコ”を想うツイートが目立つようになっていました。
その時から、「ああ、いつか彼はトルコに還りたいのだろうな」とは分かっていました。
それが今だったのでしょう。
決して幸せな別れではありませんが、今までエジルを好きだった気持ちはずっと変わらないと思っています。
クラブを離れた後に、過去に在籍したクラブのファンの気持ちを逆撫でするような発言をする選手もたまにいますが(ファンペ◎シーさんとかセス◎さんとか笑)、エジルはアーセナルのことをこれからも好きでいてくれるとなんとなく思っています。
残りの選手生活が、彼にとって幸せに満ちた日々であることを祈っています。
輝いてる時期を見た1人としてはもっと長く見てる側も読めないようなパスを出し続けて欲しかったです
本人の望む移籍でこれからも頑張って欲しいです