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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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監督もエースも、ここはひとつ冷静に…。ジエゴ・コスタ3試合出場停止について、思うこと。

サッカー解説者で、目の肥えたプレミアリーグファンの支持者も多いガリー・ネビルさんは、「個人的には、ジエゴ・コスタは処分を免れるべきだと思う。彼は選手を見てなかった。意図的と証明することは不可能だろう」と「疑わしきは罰せず」のスタンス。一方で、「スカイスポーツ」の新人解説者、ティエリ・アンリさんは、「彼はやり過ぎだった。レッドカードだと思う」と厳しいご意見。キャピタルワンカップ準決勝のジエゴ・コスタの行為が、イギリスで議論を呼んでいます。前半12分、エムレ・ジャンともつれて倒れ込んだジエゴ・コスタは、リヴァプールCBの右足を踏みつけ、何事もなかったかのようにピッチに復帰。「スタンプ」と呼ばれるこの行為にレフェリーは気づかず、試合後にFAが行ったビデオ確認によって、ジエゴ・コスタには3試合の出場停止処分が科されています。

この試合をライブで観ていたとき、「ジエゴ・コスタ、やりやがったな」と思った私は、「わざとやった派」ですが、このシーンについて「故意か否か」を議論・追及するのは専門家におまかせしましょう。少なくとも、そこにあるのは、FAが故意だと見做して3試合出場停止というそれなりに重いペナルティを課したという事実。この裁定に異論はあるかもしれませんが、まったくの見当外れとはいえないでしょう。

故意か否かはおいておいたとしても、「偶然だったというなら、スポーツマンとしてその場でエムレ・ジャンに謝意を示していれば、3試合を失うほどの罰は受けなかったのではないか」と思います。レッドカードを受けるケースの多くは、悪意から生じたラフプレーではなく、技術不足や判断力不足に起因するものです。「抜かれたのであわてて対応したら、後ろから足がかかってしまった」「ピンチに焦ってスライディングしたら、勢いがつきすぎて足の裏が相手のくるぶしに入ってしまった」…。故意ではなくても、危険なプレイをしたら相応のペナルティを受けるのがサッカーのルール。あのシーンは、ジエゴ・コスタに踏まれた瞬間、タイミング悪くエムレ・ジャンが起き上がろうとしていれば、大きなケガにつながったかもしれません。偶然だったとしても危険であるのは間違いないこの行為について、ジエゴ・コスタは故意ではないと認めてもらうためのアクションも怠った(故意であれば、すっとぼけるのは当然ですが)わけですから、悪意があったと見做されてお咎めを受けても仕方がないのではないでしょうか。

残念なことが、2つあります。ひとつは、「マンチェスター・シティとのプレミアリーグ首位争いの直接対決で、ジエゴ・コスタが観られなくなったこと」。そしてもうひとつは、モウリーニョ監督の発言です。現場のトップが選手を守ろうとする気持ちや、ペナルティによってプレミアリーグで厳しい戦いを強いられるのを避けたいという意図はわかりますが、それにしても、あれだけ明快なシーンについて、お得意の陰謀説を持ち出すのは悪印象しか残さないでしょう。

「テレビの解説者が、“コスタの行為は犯罪だ”というキャンペーンを張っただけだから、今回は処分を受けないだろう。これは偶然だ。コスタはボールを追っており、そこに相手が倒れていた。両者がぶつかって、コスタの足が当たっただけだ」

レフェリーや相手チームの過ちとなれば、罰金450万円を取られるほどのレフェリー批判をしながら、自分たちが起こしたことについては無理筋の主張をしてしまうのは、チェルシーとモウリーニョさん自身が損をするだけのように思います。好きな監督なので、ぜひお願いしたいのですが、こういうときは、スアレスに対してロジャース監督がそうだったように、潔く認めていただけないでしょうか。それが無理なら、せめてヴェンゲルさん流に「私のいたところからは見えなかった」ととぼけるぐらいにしてはいかがでしょうか。年末、チェルシーに対するキャンペーンが存在すると言い出してからのモウリーニョさんは、被害妄想といわれかねないコメントが増えており、これを続けてもご自身の株を下げるだけではないかと懸念しています。

そして、今まで起こした数々の事件を「bwin」に図解付きで紹介されたジエゴ・コスタには、今後はやめていただくよう、偶然だというなら気をつけていただくよう、お願いしたいと思います。マンチェスター・シティを迎えるスタンフォード・ブリッジのピッチにあなたがいないことを悲しむチェルシーサポーター、残念に思うプレミアリーグファンが世界じゅうにいるのですから。

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“監督もエースも、ここはひとつ冷静に…。ジエゴ・コスタ3試合出場停止について、思うこと。” への6件のフィードバック

  1. のり より:

    今回の件で何より残念なのは
    選手本人から謝罪や反省のコメントが無い事です

  2. ミッチー より:

    モウリーニョがメディアを使って選手を守って自分に目を向けさせる方法は主さんもごぞんじのはずでは??
    今回もその部類だと思いますよ
    ただ今回のコスタは故意でしょうけどね
    チェルシーファンの私ですがヒートアップしてラフプレーになってしまう選手がコスタなんでしょうけど改善して欲しいですね~

  3. のり より:

    ラフプレーならまだ荒っぽいで済むんですが
    プレー外での暴力行為は暴漢と何も変わりませんよ・・・

  4. モウ より:

    コスタは闘志むき出しでプレーしたり、イエローをもらっているDFに仕掛けたりするような狡猾なところは、個人的には別にいいのですが、
    相手の選手を怪我させてしまうようなプレーはして欲しくないですし、暴力的な発言はやめてほしいです。
    点をとってくれるFWが来てくれて、ほんとに嬉しかったのに、こういう部分は自分のためにも、周りの選手の将来のためにも、直していただきたい。
    そしてわざとじゃないなら、謝意を見せるべきですね。

    モウリーニョは自分の株などは気にしてないとは思いますが、その発言によって余計チェルシーに対する判定や処分が厳しくなるような気もします。

  5. こーこ より:

    モウリーニョがメディアを使って~云々は何年も前のモウリーニョを美化するためのものだったと最近は思ってます
    マドリーでの振る舞いを見てる限りは
    マドリーでもペペやラモスに好き放題やらして自分も好き放題言いたいことを言ってました
    それがモウリーニョの戦略だったのかどうかは知りませんがペペやラモス、他のマドリーの選手たちの悪質なプレーが改善したかというとしてないですよね?
    結局、選手を守る云々は自分に目を向けさせることで選手が暴力を自由に震ふるえる環境を作るためだったんだなと思いました
    今回のコスタの件も周りが悪い、全部悪いと言い続けるだけでコスタのプレーを改善させようとすることはないように思います
    第一次政権でのチェルシー、インテルという素晴らしいチームを作った監督がこんな風になってしまったかと思うと残念極まりないです

  6. makoto より:

    のりさん>
    そうですね。プレイ中の出来事ではなく、ピッチ外なので、なおさらですね。

    ミッチーさん こーこさん モウさん>
    ミッチーさんのおっしゃるとおり、モウリーニョさんのメディア活用法はよく知られているところなのですが、気になっているのは、モウさんやこーこさんご指摘の「モウリーニョ発言が選手にとってもプラスになっていると思えないこと」「謝罪がなく、選手に改善を求めているようにみえないこと」ですね。

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