リヴァプール戦では何もできず…あらためて考える「オーバメヤンが不振に陥った理由」
ボールタッチは38回、パス本数は24本。敵陣で出したパスは12本に留まり、ドリブル成功もシュートもゼロに終わりました。プレミアリーグ30節、リヴァプールに0-3で完敗した夜。ピエール=エメリク・オーバメヤンは何もできずに77分でピッチを去りました。同じサイドにいたモー・サラーはシュート5本で1ゴール。敵陣でのパスは、ガナーズのキャプテンの2倍となる24本を記録しています。
2019-20シーズンは公式戦44試合29ゴール、プレミアリーグ36試合22ゴール。チームに欠かせない得点源だったベテランストライカーは、2020-21シーズンに入ると極度の不振に陥り、公式戦31試合14ゴール、プレミアリーグ25試合9ゴールと数字を落としています。前半戦を「たったの5ゴール」で終えたオーバメヤンは、後半戦に入っても調子が上がらず、ハイライトはリーズ戦のハットトリックとバーンリー戦でニアを撃ち抜いた先制ゴールのみ。ノースロンドンダービーでは、試合前のミーティングに遅刻してスタメンから外され、タイムアップの23分後にはスタジアムを後にしていたと報じられました。
「アーセナルは、誰かと週給30万ポンドというビッグな契約を結ぶと、メスト・エジルとは別の憂慮すべきシチュエーションに陥るようだ」。リヴァプール戦の後、「彼はときどき怠惰なパフォーマンスに終始する」と批判したのは「スカイスポーツ」のジェイミー・キャラガーさんです。「Jamie Carragher says Pierre-Emerick Aubameyang could become ‘another Mesut Ozil situation’ after ‘lazy’ performances」と題した記事に掲載されている昨季とのスタッツ比較を見ると、1試合あたりのゴールは0.63対0.4、オンターゲットは1.2対0.94、枠内に打つ比率は45.2%対42.9%と、あらゆる数字が悪化しています。
オーバメヤンが不振に陥ったのは、なぜでしょうか。「昨季は38%だった右からのアタックが35%に減った」「エースへのアシストが最も多かったニコラ・ペペのクロスが、109本から40本に激減」といったあたりは、明確な変化として挙げていいでしょう。右サイドからのアタックが活性化すれば、ラカゼットがおとりとなって左から入ってきたオーバメヤンが仕留める形が増えるはずです。
今季から加入したウィリアンがなかなかフィットせず、3バックから4バック、4-3-3から4-2-3-1と試行錯誤が続いて戦術が複雑になったことも、ワンタッチゴールと裏抜けというシンプルなフィニッシュが多いストライカーにとっては逆風だったのかもしれません。昨季のアルテタ監督は、プレミアリーグ17試合のうち15試合で左ウイングとして起用。中央に走り込んでゴールを決めるというメインミッションに集中できたのではないでしょうか。リヴァプール戦で守備に忙殺される姿を見て、もっと高い位置からプレイを始めなければ危険な存在にはなりえないと、あらためて感じました。
外からの批判が増え、厳しい状況に追い込まれているオーバメヤンですが、これまでの不振をすべて忘れさせる巻き返しのためのステージが残されています。準々決勝からの5試合を3勝2敗でも、CL出場権を得られるヨーロッパリーグ。昨季のFAカップでは、準決勝のマンチェスター・シティ戦とファイナルのチェルシー戦で2試合連続2発を決めてヒーローになっています。グーナーの希望をつなぐ欧州の大会で、最高のパフォーマンスを…と書いたところで、われわれマンチェスター・ユナイテッドも同じ大会でトロフィーをめざしていることを思い出しました。
アーセナルの話で熱くなると、ELにおいて最大のライバルであることをついつい忘れてしまいます。いや、信じてください。オーバメヤンは大好きなので、確変に突入して欧州を勝ってほしいという気持ちに偽りはないのです。問題は1点のみ。トロフィーがひとつしかないことです。両者ともに決勝に進出して、試合前に「オーバメヤンは規律違反でベンチに…」と聞いたら、「よし!」とつぶやいてしまう自分がいることも認めなければなりません。ああ、せつない。何でCLでイスタンブール・バシャクシェヒルに負けたのだ(怒)!
2019-20シーズンは公式戦44試合29ゴール、プレミアリーグ36試合22ゴール。チームに欠かせない得点源だったベテランストライカーは、2020-21シーズンに入ると極度の不振に陥り、公式戦31試合14ゴール、プレミアリーグ25試合9ゴールと数字を落としています。前半戦を「たったの5ゴール」で終えたオーバメヤンは、後半戦に入っても調子が上がらず、ハイライトはリーズ戦のハットトリックとバーンリー戦でニアを撃ち抜いた先制ゴールのみ。ノースロンドンダービーでは、試合前のミーティングに遅刻してスタメンから外され、タイムアップの23分後にはスタジアムを後にしていたと報じられました。
「アーセナルは、誰かと週給30万ポンドというビッグな契約を結ぶと、メスト・エジルとは別の憂慮すべきシチュエーションに陥るようだ」。リヴァプール戦の後、「彼はときどき怠惰なパフォーマンスに終始する」と批判したのは「スカイスポーツ」のジェイミー・キャラガーさんです。「Jamie Carragher says Pierre-Emerick Aubameyang could become ‘another Mesut Ozil situation’ after ‘lazy’ performances」と題した記事に掲載されている昨季とのスタッツ比較を見ると、1試合あたりのゴールは0.63対0.4、オンターゲットは1.2対0.94、枠内に打つ比率は45.2%対42.9%と、あらゆる数字が悪化しています。
オーバメヤンが不振に陥ったのは、なぜでしょうか。「昨季は38%だった右からのアタックが35%に減った」「エースへのアシストが最も多かったニコラ・ペペのクロスが、109本から40本に激減」といったあたりは、明確な変化として挙げていいでしょう。右サイドからのアタックが活性化すれば、ラカゼットがおとりとなって左から入ってきたオーバメヤンが仕留める形が増えるはずです。
今季から加入したウィリアンがなかなかフィットせず、3バックから4バック、4-3-3から4-2-3-1と試行錯誤が続いて戦術が複雑になったことも、ワンタッチゴールと裏抜けというシンプルなフィニッシュが多いストライカーにとっては逆風だったのかもしれません。昨季のアルテタ監督は、プレミアリーグ17試合のうち15試合で左ウイングとして起用。中央に走り込んでゴールを決めるというメインミッションに集中できたのではないでしょうか。リヴァプール戦で守備に忙殺される姿を見て、もっと高い位置からプレイを始めなければ危険な存在にはなりえないと、あらためて感じました。
外からの批判が増え、厳しい状況に追い込まれているオーバメヤンですが、これまでの不振をすべて忘れさせる巻き返しのためのステージが残されています。準々決勝からの5試合を3勝2敗でも、CL出場権を得られるヨーロッパリーグ。昨季のFAカップでは、準決勝のマンチェスター・シティ戦とファイナルのチェルシー戦で2試合連続2発を決めてヒーローになっています。グーナーの希望をつなぐ欧州の大会で、最高のパフォーマンスを…と書いたところで、われわれマンチェスター・ユナイテッドも同じ大会でトロフィーをめざしていることを思い出しました。
アーセナルの話で熱くなると、ELにおいて最大のライバルであることをついつい忘れてしまいます。いや、信じてください。オーバメヤンは大好きなので、確変に突入して欧州を勝ってほしいという気持ちに偽りはないのです。問題は1点のみ。トロフィーがひとつしかないことです。両者ともに決勝に進出して、試合前に「オーバメヤンは規律違反でベンチに…」と聞いたら、「よし!」とつぶやいてしまう自分がいることも認めなければなりません。ああ、せつない。何でCLでイスタンブール・バシャクシェヒルに負けたのだ(怒)!
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