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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ダニ・セバージョスとウーデゴーアの退団決定。財政危機アーセナル、本気度が問われる夏の始まり。

3位はキーラン・ティアニー、2位はニコラ・ペペ。プレーヤー・オブ・ザ・シーズンに輝くのは、おそらくブカヨ・サカでしょう。アーセナルの公式サイトが、目いっぱいじらしながら発表している「ファンが選ぶ2020-21シーズンの最優秀選手」のお話です。19歳のレフティが受賞するということ自体が、プレミアリーグ8位に終わったシーズンがいかに苦しかったかを物語っています。

シュート数61本はプレミアリーグ全体の32位、オンターゲット20本は50位。ドリブル成功46回、キーパス38本、ビッグチャンスクリエイト5回はいずれもチームNo.1ですが、それぞれ33位、47位、52位です。「シーズンを通じて素晴らしいパフォーマンスだった」「10代の選手としてはリーグのトップクラス」と評価すべき収穫の1年ではありましたが、そのスタッツはチームのベストプレーヤーに選ばれる水準ではありません。

オーバメヤン、ニコラ・ペペ、トーマス・パーティー、ウィリアン、ダヴィド・ルイスといったインターナショナルクラスの選手たちが結果を出していれば、ブカヨ・サカはチームのMVPではなく、「将来が楽しみなヤングスター」という妥当なポジションに収まっていました。スミス・ロウはプレミアリーグ20試合2ゴール4アシスト、ウーデゴーアは14試合1ゴール2アシスト。彼らの数字も、TOP4を争うチームのアタッカ―としてはもの足りないレベルです。

多くの選手が要求レベルを下回ったのは、ミケル・アルテタが攻撃を活性化できなかったからでしょう。26年ぶりに欧州で戦わずに過ごす来季は、TOP4フィニッシュが必達のミッションですが、状況は厳しいといわざるをえません。公式サイトは、プレーヤー・オブ・ザ・シーズンで表通りを盛り上げながら、その裏でさらりと選手の退団を発表しています。

今月末でチームを去るのは、ダヴィド・ルイス、ダニ・セバージョス、マルティン・ウーデゴーア、マット・ライアン。マドリードでジダン続投となれば、ローン再延長が実現する可能性があったのですが、アンチェロッティ就任によって立ち消えになったようです。中盤センターと攻撃的MFの補強は必須。ノリッジのエミリアーノ・ブエンディアの移籍金が4000万ポンド以内なら、ルーカス・トレイラ、グエンドゥジ、マヴロパノス、コラシナツを早期に売りさばいて全力で獲りにいくべきでしょう。

2019-20シーズンに4780万ポンドの赤字を出したクラブは、エミレーツにグーナーを入れられなかったために深刻なダメージを受けており、1月には財務省が創設した「COVID企業金融ファシリティ(CCFF)」のスキームで1億2000万ポンドを借り入れていました。これについては、5月にスタン・クロエンケとジョシュ・クロエンケが全額返済。それでも、2020-21シーズンは前期を超える1億4000万ポンドの赤字といわれており、余剰戦力の売却とオーナーの投資がなければ新戦力を確保できません。

2年連続でプレミアリーグ8位に終わったミケル・アルテタは、次こそ結果を出さなければなりません。エドゥTDは、ダニ・セバージョスとウーデゴーアの穴をどんな選手でカバーするのでしょうか。オーナーのテコ入れ、経営ボードによる売上拡大戦略の策定、ディレクターとマネージャーによる戦力の適正化…すべてのレイヤーで本気度が問われる総力戦は、既に始まっています。


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