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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

プレミアリーグNo.1のファッションアイコン、最も地球に優しいSB…ああ、ベジェリンはどこへ行く!?

グーナーのみなさんの心を最も複雑に動かすプレーヤーは、実は彼なのではないでしょうか。2011年の夏に、16歳でノースロンドンに降臨。プロデビューは2013年。2015年4月には、40mスプリントでクラブ史上最速の4.41秒を記録。負傷に悩まされた2017年にアル中寸前になり、体質改善すべしと思い立ってヴィーガンに移行。2019年3月、「VOGUE」が選ぶ最もスタイリッシュなフットボーラー。同年6月には、ルイ・ヴィトンのゲストモデルとしてパリコレデビュー。2020年のパンデミックでプレミアリーグが中断した後は、チャリティー団体「One Tree Planted」とともにアーセナルが勝つたびにアマゾンに3000本の木を植樹する活動をスタートさせています。

エクトル・ベジェリン。当初のキャッチコピーはプレミアリーグ屈指の快足SB、いつしかリーグNo.1のおしゃれ番長、その後はバリバリの環境活動家。2020年9月にFIFAと国連が世界で最も環境に配慮したチームと認定したフォレストグリーン・ローヴァーズFCの株主になると、2021年2月にはH&Mとのコラボレーションで環境に優しい素材を駆使したファッションアイテム「Edition By Héctor Bellerín」をリリースしています。森林再生を願って始めた植樹は、5万本を超えました。2014-15シーズンのプレミアリーグデビュー以来、183試合8ゴール20アシストというスタッツの紹介が蛇足に感じられてしまうほど、幅広い活動が伝えられています。

そして今、ロンドンをこよなく愛する彼は、アーセナルから離れようとしています。

ベジェリンの動向に関心を示している母国のクラブは、アトレティコ・マドリード、ビジャレアル、セヴィージャ、レアル・ベティス。スペインメディアは、「アーセナルはベジェリンに2000万ポンド(約31億円)のタグを設定」「アトレティコ・マドリードはキーラン・トリッピアーとのスワップも画策中」と報じています。

10代の頃、右サイドから快足を飛ばしてオーバーラップする姿に胸をときめかせたグーナーのなかには、エメリ時代の前十字靭帯断裂による9ヵ月のリタイアの後はもの足りないと感じている方もいるでしょう。ゴール前で競り負けて失点の原因となると落胆、SBを中央に絞らせるアルテタ戦術を忠実に遂行しようとする姿勢に拍手、時折見せる高速グラウンダーや劇的なゴールに歓喜しつつ、戻りが遅れてピンチを招くと沈黙…。

逆サイドのティアニーや、ライバルクラブのアーノルド、リース・ジェームズ、ジョアン・カンセロ、ワン=ビサカを見ると、スピードでも守備力でも勝負できない彼ではダメかもしれないと思いつつ、いなくなると寂しいというやっかいな存在となった感があります。スペインメディア「スポルト」は、ベジェリン獲得を狙っているユーヴェが、プレミアリーグに戻りたがっているアーロン・ラムジーとのスワップを目論んでいると報じています。

そんなことをされたら、より複雑な気分をもてあますグーナーを増やすだけでしょう。プレミアリーグ262試合40ゴール46アシストのベテランMFは、セリエAでは46試合5ゴールと本領を発揮できず。かつての運動量を失った30歳が、ビッグチャンスでシュートミスを連発したら、ベジェリンに対するよりも大きなブーイングが世界じゅうを駆け巡るのではないでしょうか。

ウェールズ代表を巻き込んだゴシップについては、とりあえず笑ってスルーしましょう。ああ、ベジェリン。どうする、ベジェリン。噂は玉石混交のようですが、次のシーズンは青空が眩しい国でプレイするのは間違いなさそうです。グーナーでなくても、これほどキャラが立ったプレーヤーをプレミアリーグで見られなくなるのは寂しい限りです。スペインか、イタリアか…。


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“プレミアリーグNo.1のファッションアイコン、最も地球に優しいSB…ああ、ベジェリンはどこへ行く!?” への1件のコメント

  1. イレブン より:

    ベジェリン、良いですよね❗️フットボーラーとしてはどうかなと思うけど、生き方としては憧れます。
    次の行先はイタリアかスペインか分かりませんが、もう少し旅をしてもらいたいですね‼️

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