チェルシー復帰が噂される2部MVPのバンフォードは「1年遅れのハリー・ケイン」になれるか!?
4月19日、イングランドのフットボールリーグは、チャンピオンシップ(2部相当)の年間最優秀選手として、今季17ゴールを決めたバンフォードを選出しました。ノッティンガム・フォレストで育ち、19歳だった2012年にチェルシーへ移籍。ミルトン・キーンズ・ドンズ、ダービー・カウンティーにレンタル移籍して実戦を重ね、今季は2部のミドルスブラというところまでは、チェルシーの若手選手にありがちなキャリアです。しかし、ここから先は、プレミアリーグ首位クラブに在籍する他の若い選手たちと違った道を歩くかもしれません。この夏、イングランドU-21代表として欧州選手権を戦うバンフォードは、来季はドログバに代わり、ジエゴ・コスタのバックアッパーとしてチェルシーのベンチに食い込むのではないかともいわれています。
最優秀選手受賞後のコメントは、バンフォードの置かれている立場を如実に表していました。「何よりもまず、チャンピオンシップの最後の数試合に集中したい。ボロ(ミドルスブラ)のプレミアリーグ昇格を願っている。そしてシーズンが終わったら、U-21欧州選手権で全力を尽くすつもりだ。(受賞にあたっては)クラブと一緒にプレイしているチームメイトに感謝したい。彼らがいなかったら僕はここに立っていないから」。チェルシーのベンチに入るためには、目の前にあるチャンスをすべて活かして、モウリーニョ監督に外国人ストライカーの獲得を思いとどまらせなければなりません。
バンフォードのプレイは数試合しか観ていませんが、どんな形でもシュートが打てる一方で、ジエゴ・コスタのような抜け出しのうまさや、中盤と絡む動きはまだ足りず、試合から消える時間があるのが気になりました。前線からの守備を怠ることもなく、運動量と決定力は魅力ですが、MFに決めさせるなどのプレイの幅を広げないと、ロイク・レミー、イジー・ブラウン、ソランケなどライバルが多いチェルシーでは、ゲームに出るチャンスは与えてもらえないでしょう。
ミドルスブラでの活躍で注目される機会が増えたバンフォードは、ストライカーとしての才能だけでなく、サッカー選手としては異色の経歴を持つ選手としても話題になっています。高校時代は成績優秀で、17歳のときにはアメリカのハーバード大学から特待生のオファーを受けていたとのこと。ノッティンガム・フォレストとの契約でハーバード大学の誘いを断り、サッカー選手としての人生を選んだバンフォードは、その多才ぶりにさらに磨きがかかり、ドイツ語、フランス語もOK。ピアノ、ギター、サックスに加えて、バイオリンまで演奏できるそうです。
今シーズンのプレミアリーグをこのまま無事に制覇したら、来季以降のモウリーニョ監督は、ホームグロウンルールの変更を視野に入れて、自前の若手選手育成に注力してくるはずです。既に、18歳のイジー・ブラウンやボガについては「2~3年後に代表レベルに成長していなければ私の責任」とまでいっており、ロフタス=チークやクリステンセンも、今季のズマに続けとばかりにプレミアリーグに顔を出してくるものと思われます。さらにバンフォードが加わり、ジエゴ・コスタの不調時にはそのポジションを奪うぐらいの「1年遅れのハリー・ケイン」になったとしたら…。ライバルクラブにとっては脅威ですね。移籍金を使わずにホーム・グロウン選手を増やしたチェルシーは、浮いたお金でテリーやケーヒル、イヴァノヴィッチら高齢化した最終ラインの後釜に、大物選手を連れてくるに違いありません。マンチェスター・ユナイテッドやマンチェスター・シティは、大型補強だけでなく若手育成もがんばらないと、モウリーニョ監督に1年や2年では追いつけないぐらいの圧倒的な差につけられてしまいます。うーん、チェルシー、恐るべし。
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そういえば今季のU19CLはチェルシーが優勝してましたね。
FAユースカップも優勝に王手をかけてますしアカデミーの方も充実のシーズンを送ってるようです。
この中からトップチームに定着する者が出てくればチェルシーに対する英国内の評価も変わるのでしょうね。
チェルシーは優秀な若手が多いみたいですよね。
でも果たしてモウリーニョがスタメン超固定をやめて若手にも出番が与えられるように出来るのかという疑問はありますね。
まあそれが出来なきゃ長期政権なんて無理だしやるとは思うんだけど今までが今までなのでどうにも…。来シーズンはロフタス=チークにポジション争いさせるという発言も信じていいのかどうか…。
楽しみだけど不安ありです…。
パックンさん>
今季、何人かトップに入ってきており、誰が伸びてくるのか楽しみですね。10代の選手については、トップ5のなかでいちばんの充実度だと思います。
パチさん>
おっしゃるとおり、今季のやり方を見ると若手登用はイメージしにくいですが、プレミアリーグ優勝を果たせれば、モウリーニョさんも変わってくるのではないでしょうか。後ろの選手の世代交代やドログバの後釜をどうするかなど、いくつか懸案のポジションもありますし。