それは君の信念だったのか。マルセイユに旅立つグエンドゥジ、あまりにも不器用で悲しいメッセージ。
マテオ・グエンドゥジが、アーセナルを離れることになりました。行き先は母国フランスのマルセイユ。ディール成立を速報で伝えた「スカイスポーツ」は、「特定の条件を満たせば成立する買い取りオプション付きのローン移籍」と表現しています。22歳になったU-21フランス代表MFが、エミレーツに詰めかけたグーナーたちの声援を受けてプレイするチャンスは閉ざされました。1年前のあの事件がなければ、アーセナルにも彼にも違う未来があったはずです。
ノースロンドンにやってきたのは2018年7月。移籍金700万ポンドと報じられた19歳のセントラルMFは、開幕からレギュラーに抜擢され、公式戦48試合1ゴール2アシスト、プレミアリーグ33試合出場という数字を残しました。ウナイ・エメリの信頼は厚く、2年めのプレミアリーグでも開幕から14試合連続先発出場。順調に経験を積んでいたグエンドゥジがやらかしたのは、アルテタ就任から12試合めの公式戦となる2020年6月20日のブライトン戦でした。
ニール・モペイがベルント・レノを負傷交代に追い込んでしまった不穏なゲーム。終了間際に逆転ゴールを許して敗れた後、グエンドゥジはモペイの首を絞めてFAに咎められました。審議の結果、出場停止などの処分はなし。しかしメディアとアーセナルは、試合中の発言を問題視しました。「僕らは、お前らの一生分のサラリーを稼いでいる」。収入格差をネタに相手を挑発するのは日常茶飯事だったと報じられ、ヤングスターは出場機会に加えてチーム練習への参加資格も失いました。
この処分はライトなもので、しばらく頭を冷やして、反省していると認められればチームに合流という筋書きだったはずです。ところが、グエンドゥジは指揮官やチームメイトへの謝罪を拒否。2月に自身と衝突した際も素直に謝らなかったMFに対して、アルテタ監督は強い姿勢を示しました。プレミアリーグの最後の8試合は出場なし、トレーニングは個人メニューのみ。スカッドから追放されたフランス人は、そのまま構想外となり、2020-21シーズンはヘルタ・ベルリンでプレイすることになりました。
「ありがとう、アーセナル。すべてのことに感謝しています。ここでの生活で、多くのことを発見し、学びました。ひとつひとつの記憶や言葉を忘れず、すべてを列挙することは不可能でしょう…しかし、ガナーズのジャージを着て過ごした時間は決して忘れません。
エミレーツ・スタジアムは忘れられません。ファンのみなさんも忘れられません。この街のことも忘れません。ここで経験したすべてのことを決して忘れません。私の唯一の意志が、誇りを持ってアーセナルのカラーを守ることだったことを忘れたりはしないでしょう。
良い時も悪い時も、私を信じてくれたすべての人に感謝しています。クラブとファンのみなさんの幸せを願っています、信じてください。さよならアーセナル、決して忘れない。そして永遠にグーナーであり続けます」
マルセイユへの移籍が決まる前に、TwitterとインスタグラムにフライングでUPしたメッセージ(その後、削除)を見ると、悔しい気分に支配されます。それほどの思いがあるなら、アルテタ監督と腹を割って話し、頭を下げられなかったのか…。
それがどんなに下品で乱暴に見えても、彼のなかではアーセナルを勝たせるためにやったこと。正しいと信じたことを、咎められて謝るのは、誇りをもってチームのカラーを守るという信念を曲げることだと考えていたのかもしれません。
新しいシャツが体になじみ、マルセイユの街も人もスタジアムも愛するようになり、数年が過ぎた時、彼はどんな思いをもってノースロンドンを振り返るのでしょうか。あまりにも不器用で、悲しい別れです。たったひとつのゴールは、アゼルバイジャンのアグダムで開催されたヨーロッパリーグのカラバフ戦。22歳の誕生日をノースロンドンで迎えられなかった男は、エミレーツのグーナーにゴールセレブレーションを披露できないまま、新天地へと旅立っていきました。
ノースロンドンにやってきたのは2018年7月。移籍金700万ポンドと報じられた19歳のセントラルMFは、開幕からレギュラーに抜擢され、公式戦48試合1ゴール2アシスト、プレミアリーグ33試合出場という数字を残しました。ウナイ・エメリの信頼は厚く、2年めのプレミアリーグでも開幕から14試合連続先発出場。順調に経験を積んでいたグエンドゥジがやらかしたのは、アルテタ就任から12試合めの公式戦となる2020年6月20日のブライトン戦でした。
ニール・モペイがベルント・レノを負傷交代に追い込んでしまった不穏なゲーム。終了間際に逆転ゴールを許して敗れた後、グエンドゥジはモペイの首を絞めてFAに咎められました。審議の結果、出場停止などの処分はなし。しかしメディアとアーセナルは、試合中の発言を問題視しました。「僕らは、お前らの一生分のサラリーを稼いでいる」。収入格差をネタに相手を挑発するのは日常茶飯事だったと報じられ、ヤングスターは出場機会に加えてチーム練習への参加資格も失いました。
この処分はライトなもので、しばらく頭を冷やして、反省していると認められればチームに合流という筋書きだったはずです。ところが、グエンドゥジは指揮官やチームメイトへの謝罪を拒否。2月に自身と衝突した際も素直に謝らなかったMFに対して、アルテタ監督は強い姿勢を示しました。プレミアリーグの最後の8試合は出場なし、トレーニングは個人メニューのみ。スカッドから追放されたフランス人は、そのまま構想外となり、2020-21シーズンはヘルタ・ベルリンでプレイすることになりました。
「ありがとう、アーセナル。すべてのことに感謝しています。ここでの生活で、多くのことを発見し、学びました。ひとつひとつの記憶や言葉を忘れず、すべてを列挙することは不可能でしょう…しかし、ガナーズのジャージを着て過ごした時間は決して忘れません。
エミレーツ・スタジアムは忘れられません。ファンのみなさんも忘れられません。この街のことも忘れません。ここで経験したすべてのことを決して忘れません。私の唯一の意志が、誇りを持ってアーセナルのカラーを守ることだったことを忘れたりはしないでしょう。
良い時も悪い時も、私を信じてくれたすべての人に感謝しています。クラブとファンのみなさんの幸せを願っています、信じてください。さよならアーセナル、決して忘れない。そして永遠にグーナーであり続けます」
マルセイユへの移籍が決まる前に、TwitterとインスタグラムにフライングでUPしたメッセージ(その後、削除)を見ると、悔しい気分に支配されます。それほどの思いがあるなら、アルテタ監督と腹を割って話し、頭を下げられなかったのか…。
それがどんなに下品で乱暴に見えても、彼のなかではアーセナルを勝たせるためにやったこと。正しいと信じたことを、咎められて謝るのは、誇りをもってチームのカラーを守るという信念を曲げることだと考えていたのかもしれません。
新しいシャツが体になじみ、マルセイユの街も人もスタジアムも愛するようになり、数年が過ぎた時、彼はどんな思いをもってノースロンドンを振り返るのでしょうか。あまりにも不器用で、悲しい別れです。たったひとつのゴールは、アゼルバイジャンのアグダムで開催されたヨーロッパリーグのカラバフ戦。22歳の誕生日をノースロンドンで迎えられなかった男は、エミレーツのグーナーにゴールセレブレーションを披露できないまま、新天地へと旅立っていきました。
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エジルやサリバに対してもそうでしたが、アルテタは一度決めた信念は曲げないタイプなのでしょうね。
良く言えば規律を重んじる強いリーダー。
でもひとたび成績が悪くなれば頑固者のへそ曲がりとレッテルを貼られるかもしれません。
個人的にはアルテタの方針を信じていますが、ベントナーやナスリ、不倫行為で騒がせたジルーも根気強く起用したヴェンゲルを懐かしくも思います。
いずれにせよ、今いるメンバーで結果を出す以外にやれることはないと思うのでガナーズもグエンも頑張ってほしいの一言です。