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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ストライカー獲得は不可能?2つのビッグディールを見据えるペップが漏らした本音。

「マーケットがどのように終わるかはわからない。チキ(・ベギリスタイン)とともに何ができるかもわからないね。大抵、やりたいことは不可能だから」。スペインの放送局「TV3」のインタビューに応じた彼は、自分に言い聞かせるようにこう語りました。「4年の間に3度のリーグ制覇を果たし、ようやくチャンピオンズリーグのファイナルに辿り着いた今のチームで継続できなければ、何もできないだろう」。プレミアリーグ連覇と悲願のCL制覇をめざすペップ・グアルディオラは、望む補強はできないと覚悟を決めているようです。

最重要ターゲットは、プレミアリーグ得点王とアシスト王に輝いたハリー・ケインと、左サイドからゲームを創る稀代のプレーメイカー、ジャック・グリーリッシュ。アストン・ヴィラは、19年をともに過ごしたキャプテンを送り出す準備ができているのかもしれませんが、トッテナムは、絶対的エースを全力で引き留めようとしています。マンチェスターで6度めの夏を迎えた指揮官は、クラブは1億ポンドの選手に投資する準備ができていると示唆していますが、2人となると話は変わります。

「もし、われわれがバルサやマドリードの選手を1億ポンドぐらいで獲得したがったら、バルサやマドリードは文句をいわないだろう。彼らは、むしろそれが成立するのを喜ぶはずだ。私は今、そうであってほしいと願っている」

問題は、2つです。ひとつはシンプルで、意中の選手たちのタグがチキとペップの評価額を超えていること。もうひとつはやっかいで、1億ポンドを提示しても首を縦に振らないクラブがあることです。カタルーニャのメディア「ムンド・デポルティーボ」のインタビュー記事を紹介した「マンチェスター・イブニングニュース」は、2月のペップのコメントから、満足な補強ができなかった場合のスカッドを予測しています。

「すべてのクラブが財政的に苦しくなっている。われわれも例外ではない。このポジションで信じられない活躍を見せているガブリエウ(・ジェズス)とフェラン(・トーレス)がいて、アカデミーには若手もいる。偽9番で何度も戦っているしね」

「何が起こるかはわからない。来シーズンはストライカーを買うかもしれないし、買わないかもしれない。しかし今は、買わない可能性のほうが高い」

当時、プレスから突き付けられた質問は、「ドルトムントのアーリング・ブラウト・ハーランドを買うのか?」でした。ターゲットがプレミアリーグ得点王に変わった今、セルヒオ・アグエロの後継者を得られる可能性はより低くなったと考えているのではないでしょうか。1年前に、マンチェスター・ユナイテッドがほしがっていると報じられたとき、グリーリッシュのお値段は5000万ポンドといわれていました。ヴィラの中盤を仕切るプレーメイカーの移籍金が高騰しなければ、中盤を強化したうえで「ハリー・ケインの1本釣りに成功するか否か」というシンプルな話になっていたかもしれません。

ユーロ2020で優勝と得点王をめざすイングランド代表のキャプテンは、念願のトロフィーを抱きしめられれば、気持ちを切り替えてスパーズに戻れるのでしょうか。昨季プレミアリーグ王者が腹をくくり、ベルナルド・シウヴァやマフレズを売りさばいてダブル奪取という未来も可能性ゼロとはいえませんが、スペインでバカンスを満喫している指揮官の言葉には、諦念が漂っているように感じられます。

次のシーズンが始まるとき、われわれはどちらの言葉をつぶやいているのでしょうか。「トランスファーマーケットは、やっぱり何が起こるかわからない」、あるいは「さすがにマンチェスター・シティも例外ではなかった」…。


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