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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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プレミアリーグが動き出す!? メッシを手離したバルセロナ、必然だったギブアップの構造。

「FCバルセロナとリオネル・メッシは新契約締結に合意し、両者ともに本日まで明確な意思がありましたが、スペインのラ・リーガの選手登録に関する規定により、実現しないことになりました」
「この状況を受けて、メッシがFCバルセロナに留まることはありません。選手とクラブの希望が最終的に叶わなかったことを、互いにとても残念に思っています」
「FCバルセロナは、クラブの発展に貢献してくれた選手に心から感謝するとともに、個人的にもプロとしても最高の未来が訪れることを願っています」

バルセロナが、リオネル・メッシがクラブを離れると発表しました。6月末に契約満了となった後、彼らは新たな条件を見出す方向で交渉をスタート。当初は2年延長が検討されていたのですが、最終的には推定1億2300万ポンド(約188億円)の年俸を半額にする5年契約で合意に至りました。

これによって、ラ・リーガのサラリーキャップはクリアできるはずでした。しかし、今回の発表で、メッシのサラリーカットだけでは難しかったことが証明されました。バルセロナの計画は、当初より楽観的な「たられば」が組み込まれたものだったのです。「スカイスポーツ」と「ガーディアン」が、彼らが抱えていた構造的な問題と誤算についてレポートしています。

最大の問題は、コロナウイルスによるパンデミックに端を発するバルサの財政危機です。負債総額は10億ポンド(約1529億円)。2019-20シーズンにおけるサラリーの限度額は5億7000万ポンド(約871億円)だったのですが、昨シーズンは2億9500万ポンド(約451億円)に目減りし、現在はさらに大幅に減少しています。バルサが選手に支払っているサラリー総額は、売上の110%となっており、ジョアン・ラポルタ会長は「ファイナンシャル・フェアプレーのルールを順守できていない」と認めています。

彼らは何とか条件をクリアしようとしていたのですが、打ち手はことごとく空回りしました。「スカイスポーツ」によると、ジェラール・ピケ、セルヒオ・ブスケツ、セルジ・ロベルトにはサラリーを40%カットする新契約を提示したのですが、現在はまだ交渉中。アントワーヌ・グリーズマン、ウスマン・デンベレ、フィリペ・コウチーニョ、サミュエル・ウムティティ、マルティン・ブライトウェイトらを売ろうとしたものの、資金力があるプレミアリーグのビッグクラブからもいい反応は得られませんでした。

バルサの苦闘と並行して、ラ・リーガはCVCキャピタル・パートナーズから23億ポンド(約3500億円)の資金調達を進めていました。この契約が決まると、バルサには2億3000万ポンド(約350億円)が流れ、15%にあたる3440万ポンド(約53億円)をサラリーに充てられるようになります。これに対してバルサは、レアル・マドリードとともに長期的なリスクを指摘し、反対にまわっているようです。最終的には、クラブの多数決によってスキームは実施される見通しですが、ラ・リーガとの対立も彼らの状況を厳しくする要素になりえるでしょう。

メッシの退団は、プレミアリーグにも大きな影響を与える可能性があります。ペップ・グアルディオラとチキ・ベギリスタインが獲得に動けば、ハリー・ケインは?パリ・サンジェルマンが契約を結んだら、ポール・ポグバは?イギリスのメディアでも、しばらくはメッシを見出しに立てた記事が増えるのではないでしょうか。「スカイスポーツ」のトランスファーセンターのブログには、「メッシとペップは再びリンクする?」というコメントが載っています。


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