プレミアリーグ310試合連続出場の偉大なGKフリーデル、44歳の充実フィナーレ!
UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)在学中の1992年、21歳のときには既にアメリカ代表に選ばれていたフリーデルですが、クラブレベルでは遅咲きの苦労人でした。デンマークからトルコのガラタサライ、母国のコロンバス・クルーと1年ごとにクラブを転々とし、サッカー選手として終の棲家となったプレミアリーグに来たのは1997年。当時のリヴァプールにはデヴィッド・ジェームスというイングランド代表のエースGKがおり、フリーデルのプレミアリーグ出場は3年間で25試合に留まりました。
2000年11月、当時チャンピオンシップに所属していたブラックバーンがフリーデルを獲得。移籍するとすぐにその実力を周囲に知らしめた29歳のGKは、初年度にクラブをプレミアリーグに昇格させ、翌シーズンにはカーリングカップ優勝の立役者となりました。フリーデルの偉大な記録がスタートしたのは、2004年8月14日のプレミアリーグ開幕戦、対WBA。この試合以来、2012年10月7日にトッテナムのヴィラス・ボアス監督がウーゴ・ロリスをピッチに送り出すまで、プレミアリーグ310試合連続出場という素晴らしい記録を打ち立てました。ブラックバーン、アストン・ヴィラ、トッテナムと3つのクラブにまたがり、8年の長きに渡ってケガもスランプもなく監督に信頼され続けるというのは、並大抵のことではありません。
日本のサッカーファンにとっては、プレミアリーグのフリーデルよりも、日韓ワールドカップでポルトガル、メキシコを破りドイツを苦しめたアメリカ代表GKとしての彼のほうが、鮮明な印象があるかもしれません。余談ですが、トニー・メオラ、ケラー、フリーデル、ティム・ハワード、グザンとアメリカはいいGKの宝庫ですね。ジョー・ハートの次がなかなか思い浮かばないイングランド代表と比べると、断然アメリカが上。川島の次に悩む日本人としても、その充実ぶりにはため息がでてしまいます。
話を戻しましょう。2012-13シーズンにロリスにポジションを譲ったフリーデルは、当初は失望していたものの、以来2シーズン半に渡って控えGKという難しい役割を全うしました。今季はフォルムが加入したこともあり、プレミアリーグ出場はゼロ。それでも最後までプロに徹したフリーデルがいかに素晴らしい人物だったかは、引退発表に際してクラブの公式サイトに掲載されたコメントに滲み出ています。
「4年間にわたって、この素晴らしいクラブのメンバーでいられたことを光栄に思う。監督は偉大で、ロッカールームには驚くべき才能があった。これからは、スタッフや選手たちと日々の会話ができなくなると思うと寂しいね」
偉大なGKは、多くの若手選手やチームスタッフから慕われつつ、やりきったという実感をもって、ピッチに別れを告げることを決断したのでしょう。引退後はアメリカに帰国し、「フォックス・スポーツ」の解説者になることが決まっているそうです。コーチングライセンスの取得にも意欲的と伝えられているので、遠くない将来、トッテナムやアストン・ヴィラの指揮を執る日がくるかもしれません。フリーデルさん、数々の素晴らしいビッグセーブをありがとうございました。必ずや、プレミアリーグに戻ってきてくれるだろうと信じています。(ブラッド・フリーデル 写真著作者/James Boyes)
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更新ご苦労様です。
フリーデル遂に引退ですか、、、。厳つい顔に似合わず俊敏性に優れたGKでした。ロリス移籍後難しい立場になりましたが、コメントから推察するに人格者だったのでは?と思います。是非とも指導者としてプレミアに戻ってきて欲しいですね。お疲れ様でした!