来季はアーセナルに復帰予定…現地メディアが伝える「彼らがウィリアム・サリバを起用しなかった理由」
サンテティエンヌ、ニース、オリンピック・マルセイユ。プレミアリーグにチャレンジできず、母国フランスのクラブに貸し出されていたCBの視界が開けてきたようです。2019年の夏にアーセナルに移籍したウィリアム・サリバ。過去2年のパフォーマンスをチェックしてみると、イングランドではプレミアリーグ2で出場6試合、EFLトロフィー2試合というユースの選手ですが、リーグアンではそれぞれのチームの軸として活躍し、トップクラスのCBと評価されています。
昨季の後半戦から合流したニースでは、リーグアン20試合の出場ながら、シーズンの最優秀CB候補としてノミネートされています。新シーズンは、マルセイユのロケットスタートに貢献。開幕から8試合までのパス本数614本はリーグ6位、成功率95%は8位、ファイナルサードへのフィードの成功率も95%で7位というハイレベルです。ロングフィード14本のうち13本を成功という数字を見ると、ヴィルジル・ファン・ダイクが逆サイドにピタリと通す美しい軌道を思い出します。
ウィリアム・サリバの将来についてイギリスメディアが一斉に報じたのは、ミラノからさまざまな話題を配信しているファブリツィオ・ロマーノさんが、5日に注目のツイートを飛ばしたからでしょう。「アーセナルは、ウィリアム・サリバの動向を注視している。彼らは、フランス人CBにとても満足している」と綴ったジャーナリストは、「数週間前に、本人に対して”100%信頼している”と伝えていた」と続け、来季はノースロンドンに復帰すると明言しています。
これを受けて、「デイリー・メール」は、ミケル・アルテタとエドゥ・ガスパーSDのコメントを紹介。「過去18か月は、いくつかの個人的な問題を抱えていたので、できるだけ近くでサポートし続ける必要がある(アルテタ)」「マルセイユはいいクラブ。彼にとって有益だろう(ガスパー)」といった言葉から、20歳のCBとクラブがしっかりコミュニケーションを取れているのがわかります。
「フットボール・ロンドン」のデニラン=アレイン記者は、金曜日の夜に開催されたU-21欧州選手権予選のフランスVSウクライナに着目。5-0圧勝のゲームで、ウィリアム・サリバが巻いたキャプテンマークがアルテタを喜ばせたと報じました。
「23歳以下がたくさんいる、とても若いグループだね。マルティン(・ウーデゴーア)は代表チームのキャプテンだし、サンビ(・ロコンガ)はアンデルレヒトでキャプテンを務めていた」。指揮官の言葉を引用した記者は、「アルテタは印象的な若い指導者グループを静かに育てている」とレポートし、「来シーズン、この重要なグループに加わる可能性のあるもうひとりの選手は、ウィリアム・サリバだ」と結んでいます。
これらの記事を読んで、腹落ちしたことが2つあります。ひとつは、エドゥとアルテタのリクルーティングはコンセプチュアルで、将来のリーダーを集めようとしていたこと。素晴らしいスプリントを披露し、逆サイドで盛り上がっているゴールセレブレーションに参加するアーロン・ラムズデールと、ボールをもらえる位置に動けと頻繁に指示を出すベン・ホワイトも、リーダーシップ重視の採用だったのでしょう。
もうひとつは、彼らがウィリアム・サリバを頑なに起用しなかった理由です。足りなかったのは、精神面の安定感だったのでしょう。いくらパフォーマンスがよくても、ロッカールームに不穏な空気をもたらしかねないCBの合流をリスクと捉えたのだと思われます。片道切符を持たせてマルセイユに送り出したマッテオ・グエンドゥジは、サリバを丁寧に導入するための秀逸なテキストだったのかもしれません。
「デイリー・メール」「ミラー」「フットボール・ロンドン」、そしてファブリツィオ・ロマーノ…今回読ませてもらったレポートやツイートに感謝と敬意を示すべく、なぜサリバを使わなかったのかという問いを封印しようと思いました。
アルテタの戦術や采配にモヤモヤすることは多々あるものの、中長期的な視座と胆力のある指導者だとあらためて感じました。アーセナルが夏に獲得した6人…いや、ガブリエウとサリバを含む若きタレント8人の進化をしっかり見守りたいと思います。(ウィリアム・サリバ 写真著作者/Supporterhéninois)
昨季の後半戦から合流したニースでは、リーグアン20試合の出場ながら、シーズンの最優秀CB候補としてノミネートされています。新シーズンは、マルセイユのロケットスタートに貢献。開幕から8試合までのパス本数614本はリーグ6位、成功率95%は8位、ファイナルサードへのフィードの成功率も95%で7位というハイレベルです。ロングフィード14本のうち13本を成功という数字を見ると、ヴィルジル・ファン・ダイクが逆サイドにピタリと通す美しい軌道を思い出します。
ウィリアム・サリバの将来についてイギリスメディアが一斉に報じたのは、ミラノからさまざまな話題を配信しているファブリツィオ・ロマーノさんが、5日に注目のツイートを飛ばしたからでしょう。「アーセナルは、ウィリアム・サリバの動向を注視している。彼らは、フランス人CBにとても満足している」と綴ったジャーナリストは、「数週間前に、本人に対して”100%信頼している”と伝えていた」と続け、来季はノースロンドンに復帰すると明言しています。
これを受けて、「デイリー・メール」は、ミケル・アルテタとエドゥ・ガスパーSDのコメントを紹介。「過去18か月は、いくつかの個人的な問題を抱えていたので、できるだけ近くでサポートし続ける必要がある(アルテタ)」「マルセイユはいいクラブ。彼にとって有益だろう(ガスパー)」といった言葉から、20歳のCBとクラブがしっかりコミュニケーションを取れているのがわかります。
「フットボール・ロンドン」のデニラン=アレイン記者は、金曜日の夜に開催されたU-21欧州選手権予選のフランスVSウクライナに着目。5-0圧勝のゲームで、ウィリアム・サリバが巻いたキャプテンマークがアルテタを喜ばせたと報じました。
「23歳以下がたくさんいる、とても若いグループだね。マルティン(・ウーデゴーア)は代表チームのキャプテンだし、サンビ(・ロコンガ)はアンデルレヒトでキャプテンを務めていた」。指揮官の言葉を引用した記者は、「アルテタは印象的な若い指導者グループを静かに育てている」とレポートし、「来シーズン、この重要なグループに加わる可能性のあるもうひとりの選手は、ウィリアム・サリバだ」と結んでいます。
これらの記事を読んで、腹落ちしたことが2つあります。ひとつは、エドゥとアルテタのリクルーティングはコンセプチュアルで、将来のリーダーを集めようとしていたこと。素晴らしいスプリントを披露し、逆サイドで盛り上がっているゴールセレブレーションに参加するアーロン・ラムズデールと、ボールをもらえる位置に動けと頻繁に指示を出すベン・ホワイトも、リーダーシップ重視の採用だったのでしょう。
もうひとつは、彼らがウィリアム・サリバを頑なに起用しなかった理由です。足りなかったのは、精神面の安定感だったのでしょう。いくらパフォーマンスがよくても、ロッカールームに不穏な空気をもたらしかねないCBの合流をリスクと捉えたのだと思われます。片道切符を持たせてマルセイユに送り出したマッテオ・グエンドゥジは、サリバを丁寧に導入するための秀逸なテキストだったのかもしれません。
「デイリー・メール」「ミラー」「フットボール・ロンドン」、そしてファブリツィオ・ロマーノ…今回読ませてもらったレポートやツイートに感謝と敬意を示すべく、なぜサリバを使わなかったのかという問いを封印しようと思いました。
アルテタの戦術や采配にモヤモヤすることは多々あるものの、中長期的な視座と胆力のある指導者だとあらためて感じました。アーセナルが夏に獲得した6人…いや、ガブリエウとサリバを含む若きタレント8人の進化をしっかり見守りたいと思います。(ウィリアム・サリバ 写真著作者/Supporterhéninois)
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