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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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メルボルンの驚愕、アデレイドの収穫…マン・シティとリヴァプールの2人の18歳が凄かった!

そりゃあ、新聞の見出しは「スターリング、開始3分で先制ゴール!」になるでしょう。何せ、プレミアリーグでは時の人。イングランド事情に明るい記者ほど、このネタで新聞を売ろうと前のめりになってパソコンに向かうに違いありません。移籍直前のゴタゴタに憤慨し「コケてしまえ!」と思っている熱きプレミアリーグファンから、「プレイで評価を取り戻してほしい」と息を詰めてピッチを見つめる水色のサポーターまで、多くの注目が集まっていた試合だと思います。昨日、メルボルン・クリケット・グラウンドで行われたインターナショナルチャンピオンズカップのASローマVSマンチェスター・シティ。ダッシュ一発で裏に抜けてひとり旅となり、GKの脇を冷静に抜いたスターリングの先制点は、非の打ちどころのない完璧なプレイ。2-2からのPK戦を5-4で制した瞬間よりも、新戦力の鮮やかな自己紹介のほうが盛り上がったというマン・シティサポーターも多いのではないでしょうか。

あの瞬間、私もテンションが上がってしまったのですが、思わず腰が浮いたのは、背番号7の淀みないアクションよりも、その前のプレイを観た瞬間でした。スターリングの10倍以上重たい「72」という背番号を付けた、18歳の超絶パスです。ナイジェリア代表MFケレチ・イヘアナチョ。2年前に開催されたU-17ワールドカップで6ゴール7アシストを挙げ、文句なしのMVP。ナイジェリアを優勝に導いたレフティは、ペジェグリーニ監督が出場機会を増やしてくれさえすれば、プレミアリーグ2014-15シーズンでブレイクしたハリー・ケイン並みの話題をさらってもおかしくない逸材です。

前半3分、ハーフラインを越えたあたりでマークを背負ってパスを受けたイヘアナチョは、長くなってしまったトラップをフォローしてボールを足元に収めると、振り向きざまにDFを3人まとめて無力化する最高の浮き球スルーパス!ゆっくりスターリングの足元に届いたボールは、コース、強さ、落下点とも完璧で、大先輩のダヴィド・シルヴァですらここまでうまくやれたかどうかわからないスーパープレイでした。新チームで最高のスタートを切れたスターリングは、相当お給料も増えたことですから、思い切り奮発してイヘアナチョにディナーをご馳走してはどうかと思いました。いや、凄い。これは凄い。

32分に左からドリブルで突破を図ったダヴィド・シルヴァのふわりとしたクロスに、バネを効かせて上体を振ったヘディングシュートもよかったのですが、50分の追加点がまたお見事。文章で書けば、「ローマDF陣のバックパスミスを拾ってフリーになり、GKデ・サンクティスの左手をかわす利き足のシュートでゴールをゲット」となるのですが、何が素晴らしいかといえば、宙に舞ったパスミスの瞬間、ひとり落下点に最短距離で走っていたのがイヘアナチョだったことです。まさにセンスのかたまり。不安があるとすれば、プレミアリーグの当たりの強さへの対応と守備力ですが、多少のエラーには目をつぶってでも使い続ければ、エティハドは相当ボルテージが上がるのではないかと思います。今季のプレミアリーグでは、マンチェスター・シティの前線にアグエロ、ダヴィド・シルヴァ、スターリング、イヘアナチョが並んでいるところを観てみたいものです。

さて、同じ21日、メルボルンから828キロ離れたアデレイドにいたリヴァプールは、地元のアデレイド・ユナイテッドとのゲームに2-0で勝利しました。4-3-3で戦ったロジャース監督のチームは、ミスパスが目立った中盤は危なっかしかったものの、67分にジョーダン・アイブのアーリークロスをオフサイド気味のポジションにいたミルナーが押し込み先制。86分には、新加入のナサニエル・クラインが中央から突破し、ラストパスをラインの裏で受けたダニー・イングスが冷静にGKをかわして、気持ちよくゲームを終えました。ミルナーやララナの動きがよく、ダニー・イングスが持ち味を活かせているのが収穫で、懸念はオリギの動きの悪さとポジショニングに難があるデヤン・ロブレンの守備でしょうか。

そう、収穫といえば、この選手の名前を忘れてはいけません。左SBに入った18歳のニューフェイス、ジョー・ゴメス。2014-15シーズン、チャンピオンシップ所属のチャールトンでプロデビューを飾ったばかりの若いSBは、意外な掘り出し物かもしれません。直線的なドリブルとキレのいいグラウンダ―クロス、アップダウンに音を上げない粘り強い守備は、さすがはイングランドU-19代表だと思わせるなかなかのものでした。グレン・ジョンソンやマンキージョが去り、層の薄さが懸念されるレッズのSBですが、両サイドをこなすジョー・ゴメスが機能すれば、噂のアルベロアを獲得しなくてもいけるでしょう。

この時期は、若い選手をチェックするのも楽しいですね。イヘアナチョは、今季のプレミアリーグで弾けると思いますよ!みなさん、72番を見かけたら、最終ライン裏のスペースを使われないよう厳重にご注意ください。(ケレチ・イヘアナチョ 写真著作者/Espandero)

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“メルボルンの驚愕、アデレイドの収穫…マン・シティとリヴァプールの2人の18歳が凄かった!” への5件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    オーストラリアの地では両チームとも新戦力がまずは結果や存在感を示したので良かったのではないかと思います。
    レッズ目線で言えばジョー・ゴメスの獲得はかなりのプラスですね。中盤のパスミスやロブレンについては、まだまだ改善の余地はありますが、昨シーズンと比較するとポジティブな要素が多いのでシーズン開幕が楽しみです。

  2. makoto より:

    Mackiさん>
    ジョー・ゴメスの攻め上がりは迫力がありましたね!2点めの新戦力コンビもよかったです。リヴァプールは、ベテランと若手のバランスがよく、非常に楽しみなチームになったのではないかと思います。

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    なかなかシティの記事をまとめてくれるサイトが無かったのでここのブログ見るの楽しみです
    イヘアナチョ 想像以上ですね
    今期のフォーメーションは4-3-3を使うつもりなのか知りませんがジェコ ヨヨ放出となれば前線の持駒が足りないので是非EDSから有望株をあげて欲しいです

  4. リバサポ より:

    イヘアナチヨはもっと見てみたい選手ですねー。シティはしっかり育てられるんでしょうか?それと同じくらいジョーゴメスもしっかり育てられるのか不安ですけど。下手にプレシッシャーをかけずしっかり育てられれば、ストーンズの後を追いかけられるほどの素材だと思うので、じっくり育てて欲しいのです。最終的にはファーディナンドやテリーのようになることを期待しています。

  5. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    イヘアナチョやスターリング、デルフを活かしきるなら4-3-3はおもしろそうですね。ナスリの遣い方が難しくなりそうですが。

    リバサポさん>
    チェルシーやアーセナル、マンチェスター・ユナイテッドも含めて、自前の選手、若手選手がどこまで成長するのかも、チーム力を高めるうえでのひとつのポイントとなりそうです。

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