偏愛的プレミアリーグ見聞録

ウェストハムはデクラン・ライス、ウルヴスはルベン・ネヴェス、レスターはウィルフリード・エンディディ、アストン・ヴィラはドゥグラス・ライス。ビッグ6の一角崩しを目論む中堅クラブには、中盤の底を仕切る素晴らしいアンカーがいます。クラブのステップアップのキーマンとなっている彼らは、ビッグクラブのターゲットでもあります。このなかの何人かは、来季プレミアリーグでは違うシャツを着てプレイしているのではないでしょうか。

一方、優勝を争うクラブの中盤に目を移すと、マンチェスター・シティにはロドリ、リヴァプールにはファビーニョという絶対的な存在がいます。チェルシーのジョルジーニョも、堅守速攻に欠かせないパーツといっていいでしょう。デュエルに強く、カバーリングに長けたアンカーたちは、縦に入れる攻撃的なパスやロングフィードといった武器も併せ持っています。

さて、ここからが本題です。「スカイスポーツ」のリアル・トーマス記者が、アーセナルの中盤センターの強化についてレポートしています。アルテタ監督が築き上げた若いチームには、トーマス・パーティーがいるのですが、彼が不在のプレミアリーグは1勝1分4敗。サンビ・ロコンガ、ジャカ、エルネニーから2人という布陣は、ベン・ホワイトとガブリエウに負荷がかかります。

ほしいのは、守備力と展開力があるアンカータイプ。今回、記者がガナーズのターゲットと伝えたのは、ウルヴスのルベン・ネヴェスです。ブルーノ・ラージ監督のチームは、今季プレミアリーグで4番めに少ない28失点の堅守をキープ。3バックの前に君臨するポルトガル代表MFは、サイドアタックやカウンターの起点としても機能しています。

記事によると、2024年まで契約が残っているルベン・ネヴェスを獲るとなると、ウルヴスは5000万～6000万ポンドを要求するとのこと。高額ではありますが、オーバメヤンやチャンバース、ウィロックを放出してスリムになったガナーズは、ローン移籍させている選手たちを売却できれば、さほど負担にはならないでしょう。

グエンドゥジ、ルーカス・トレイラ、パブロ・マリ、ベジェリン、ネルソン、メートランド＝ナイルズが売却候補。ローマのジョゼ・モウリーニョ監督が獲得を熱望と伝えられているジャカも、29歳の今が売り時でしょう。CL出場権を得られるかどうかはわかりませんが、欧州の舞台には確実に戻ってくるチームとしては、トーマスへの依存度が高い中盤の強化は必須のミッションです。

ライバルと目されていたトッテナムは、ベンタンクールを獲得してトーンダウン。マンチェスター・ユナイテッドは新監督が決まるまで動かないはずです。アルテタ監督とエドゥTDは、速攻を決めることができるでしょうか。プレミアリーグ26試合4ゴール2アシストのセントラルMFは、トーマスよりも精度が高いミドルシュートもあり、今のチームにはうってつけの人材です。