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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

デブライネ、マタ…エジルに続け!「真ん中で使ってほしい素晴らしき司令塔たち」

「スカイスポーツ」で解説を務めるティエリ・アンリ氏が、「今季プレミアリーグにおける最高の10人」を選出しているのですが、これがなかなかのガチンコです。解説者やレジェンドと呼ばれる選手によるこの手の企画は、自分の出身クラブに甘くなったり辛くなったり、アイドルだったビッグネームをデフォルトで入れていたり、どこかにお手盛り感が出るものですが、アーセナルのレジェンドは大真面目に選んだのでしょう。プレミアリーグがオフィシャルに発表している数字を見ても、実際のゲームを観戦した印象としても、ほぼ納得の顔ぶれです。まずは、「アンリの10人」をご覧いただきましょう。こちらです。

アレクシス・サンチェス、カソルラ、エジル(アーセナル)
ジョー・ハート、デブライネ、アグエロ(マンチェスター・シティ)
スモーリング、マルシアル(マンチェスター・ユナイテッド)
パイェ(ウェストハム)、ジェイミー・ヴァーディ(レスター)

デブライネについては、15ゴール15アシストはいけそうと大絶賛。アレクシス・サンチェスには、「彼が負傷しなければ、アーセナルにはプレミアリーグ優勝のチャンスが充分ある」とまでいっています。何度眺めても納得してしまう秀逸な人選ではありながら、ツッコミどころはアーセナルに関する彼のコメントで、4月にアンリさんが残した「プレミアリーグで優勝するにはワールドクラスを4人獲らないといけない」というコメントからは、だいぶ手のひらが返っています。最近は、「今季はアーセナルの年」とまでいっており(まだ2位ですが⁉)、「ウォルコットがプレイするときはジルーがスタメンの座から追い出され、ジルーのときはウォルコットがスタメンから外れる。健全な競争があり、これは必要なことだ」という発言もあります。

聞くと思わず「シーズン20ゴールを決められる絶対的なワールドクラスのストライカーが必要という話はどこに⁉」と叫んでしまいそうになりますが、今回の人選における腹落ち度合いと、ポジティブでまっすぐなお人柄に免じてスルーしましょう。好きです、アンリさん。私が選ぶとすれば、「コンスタントな活躍」という観点で、マルシアルをフェルナンジーニョに代えるぐらいでしょうか。いや、アンリさん、彼は素晴らしいですから、ぜひ入れてください。すべての試合に出て、タックル成功40回はルーカス、ピーテルスに次ぐプレミアリーグ3位、しかも2ゴールです。彼が安定しているからこそ、ケガ人が多いマンチェスター・シティは例年の序盤のつまずきを小さく抑えて、ここまで首位をキープできているのだと思います。

数字といえば、先日の本ブログ記事「プレミアリーグの『パス本数ランキング』に見る、エジルとカソルラの驚異的なクオリティ!」で紹介したカソルラのパス本数&成功率ダブル1位と、エジルの7アシスト&パス成功率90%超えが出色なのですが、もうひとり、フェルナンジーニョのななめ前にいる選手を忘れてはいけません。遅れてやってきたプレミアリーグMVP候補、ケヴィン・デブライネ。マンチェスター・シティ入団以降の彼の成績が素晴らしく、ベルギー代表で3戦3ゴール1アシスト、プレミアリーグでは6戦3ゴール3アシスト、キャピタルワンカップでは出れば必ずゴールとアシスト、チャンピオンズリーグのセビージャ戦では決勝ゴール。締めて14試合で9ゴール7アシストは、一緒にプレイするメンバーも対戦相手の強さもお構いなしの大爆発です。

マン・シティがデブライネ、スターリング、オタメンディという大型補強に成功したのをみて、私はマン・シティ5位予想というギャンブルを放り投げ、1位に引き上げて一部から「節操がない」「不細工」という誹りをいただきました。ごもっともではありますが、今のデブライネの活躍を見ていただき、私がアンリさんをスルーしたように、眉を顰めた方々も私を笑って許していただければ幸いでございます。凄いですね、デブライネ!と、手離しで礼賛してこの稿を終えてもいいのですが、最後に軽く問題提起をさせていただければと思います。

今季プレミアリーグで3ゴールのマタ、アーセナルのコントロールタワー・エジル、そしてデブライネ。この3人は、「なぜかサイドに置かれることが多い司令塔タイプ」です。エジルはいち抜けで今季はトップ下をまかされ、ワールドクラスであることを証明し始めていますが、デブライネはサイド起用が多く、マタは固定です。彼らの視野の広さ、パスの多彩さ、得点力を考えれば、プレイの選択肢が多く、よりゴールに近いところで機能させたほうがいいのではないでしょうか。ヘンダーソンが復帰した後、クロップ監督が彼をどこで使うかにもよりますが、戦術次第ではフィルミーノもこの仲間に入るのかもしれません。

「中央のプレスを強化したい」「ストライカータイプを2枚、中に置きたい」「ヤヤ・トゥレとかダヴィド・シルヴァがいるしね」などなど、チーム事情があるのは重々承知ながら、今季のエジルの凄さを見ると、マタやデブライネも…と思わずにはいられません。今季のプレミアリーグで最終結果を左右するのは、「超絶司令塔たちのクオリティがどこまで発揮されたか」なのかもしれません。いや、かもしれないというよりは、3人・4人といわずエリクセンやセスク、オスカル、パイェなども含めて「そうなってほしい」ですね。とにかく、観ていて楽しいですから。

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“デブライネ、マタ…エジルに続け!「真ん中で使ってほしい素晴らしき司令塔たち」” への5件のフィードバック

  1. 新参 より:

    アンリはウォルコットにアドバイスを与えているらしいですから「20ゴール挙げるストライカーはウォルコット」とか言ってくれそうです。

    10人に関しては自分的にはサンチェス→フェルナンジーニョですね。サンチェスはまだできると思ってます。逆にマルシャルは、彼がいなければユナイテッドは低迷したと思います。

    パイェ、バーディーは若ければビッククラブが黙っていない活躍を見せてますね。特にパイェはアーセナルの右サイドに欲しいと思ってしまいます。

    シルバがいればデ・ブライネはサイドがいいですが、今のヤヤ・トゥレのコンディションを考えれば、中央はデ・ブライネにしたほうがいいですね。

    雑多なコメントになってしまいました。すいません。

  2. chop-マンUファン より:

    マタが真ん中で使えるようになると
    ユナイテッドはもっと良くなりますよね
    そのためにはウィングがもう1人
    必要なんですが
    グリーズマンが獲れて
    マタが真ん中できたら面白くなると思います
    グリーズマン過小評価されすぎだと
    思ってるのは僕だけでしょうか…

  3. ぐーなー より:

    欧州激闘レポートで先日触れられていましたが、欧州でプレミア勢が相手を崩しきれない理由の1つに彼らがサイドでプレーをしていることが挙げられるのではないかと思います。

    彼らにどれだけバイタルエリア付近でプレーさせられるか、ということが1つの解決策なのではないかと思います。

  4. makoto より:

    新参さん>
    サンチェス→フェルナンジーニョもありですね。マルシアルは、8月にいなかったのを序盤ということで割引してみただけですので、おっしゃることはよくわかります。

    chop-マンUファンさん>
    グリーズマン、私も素晴らしいと思います。クリスティアーノ・ロナウド、ベイルのような高額選手が噂になりやすいですが、半額から1/3で獲れそうないいウインガーはいっぱいいますよね。

    ぐーなーさん>
    そうなんです。創造性のある選手にサイドからプレイを始めさせることが、遅さやゴールの遠さにつながってしまっている試合もあります。

  5. makoto より:

    新参さん>
    サンチェス→フェルナンジーニョもありですね。マルシアルは、8月にいなかったのを序盤ということで割引してみただけですので、おっしゃることはよくわかります。

    chop-マンUファンさん>
    グリーズマン、私も素晴らしいと思います。クリスティアーノ・ロナウド、ベイルのような高額選手が噂になりやすいですが、半額から1/3で獲れそうないいウインガーはいっぱいいますよね。

    ぐーなーさん>
    そうなんです。創造性のある選手にサイドからプレイを始めさせることが、遅さやゴールの遠さにつながってしまっている試合もあります。

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