イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

プレミアリーグのいちばん長い日 2)今季引退する名選手たちのファイナル

ジェイミー・キャラガー、マイケル・オーウェン、デヴィッド・ベッカム、ポール・スコールズ。もしかしたら、フィル・ネビルもでしょうか。今季は、プレミアリーグで活躍し、サポーターに愛され続けた大物選手の引退が相次ぎました。彼らの多くは19日のプレミアリーグ最終節でピッチに立ち、最後のプレーを見せるとともにファンに別れを告げています。

コウチーニョのミドルシュートで1-0とQPRに勝ったリヴァプールでは、ジェイミー・キャラガーが本拠地アンフィールドのサポーターに、変わらないプレイを披露。ミドルシュートをバーに当て、惜しくもラストゴールを挙げることはできませんでしたが、1点リードの85分、ファンに大きく手を振りながら、晴れやかな表情でピッチを後にしました。「スタジアムに友人や家族がいて、感情的になった」「特別な見送りだった」と本人は語っていましたが、闘志を前面に出して戦う彼らしい、明るい去り際でした。周囲に「まだやれる」と思われながら、トップレベルを維持したまま引退する選手の場合は、本人も感傷的にならず、ファンも笑顔のみで送り出すことが多いですね。

そこでいえば、マイケル・オーウェンは微妙だったのかもしれません。ケガが重なってトップフォームに戻ることができなかった末の決断だけに、上記の選手のなかでは、いちばん「無念」の想いが強いでしょう。とはいえ、何年も苦しみぬき、やりきったという満足感も同時にあるからか、コメントは落ち着いており、すっきりしたという気持ちが伝わってきます。セント・メアリーズスタジアムのサウサンプトンVSストーク戦が、彼の最後の舞台。74分に交代で登場し、ゴールは挙げられなかったものの、サポーターに名前を連呼され、両チームのファンから拍手を送られてそのキャリアを終えています。アウェイゲームで、この見送られ方はかなり幸せですね。「感情が入り混じっている。これ以上の見送りは本当に望めなかった。ストークファンからすると、僕は今季ほとんど彼らのために貢献できなかった。それでも、このような歓迎をしてくれて、試合中に僕の名前を歌ってくれたんだ。ホームのファンも素晴らしく迎え入れてくれた。もちろん、みんなに感謝している」(Goal.comより引用・抜粋)という誠実なコメントからうかがえる、オーウェンの人柄のなせる技だと思います。

リーグ・アン第37節、パルク・デ・プランスにスタッド・ブレストを迎えたホーム最終戦で、デヴィッド・ベッカムは37分までプレイしました。リーグ・アンはもう1試合を残していますが、ベッカム本人はこの試合が最後であることを明言しています。大きな拍手につつまれて、ピッチを去る元イングランド代表キャプテンは、ただただ号泣です。「世界で最も美しいパリでキャリアを終えられるのは特別なこと」というコメントは、サポーターやスタッフに対する思いやりにあふれ、感激屋で裏表がほんとうにない彼らしい言葉。このキャラクターをサッカー界はほうっておかないでしょう。これからは、ヨーロッパのみならず、何らかの命を受けてサッカーのために世界を飛び回る日々が始まるのでしょうか。

ポール・スコールズは、2回めの引退表明ということもあって冷静です。ホーム最終戦直前のインタビューでも、語るのはサー・アレックス・ファーガソン監督のことばかり。彼のラストマッチはアウェイのWBA戦でした。69分に登場すると、チームメイトは明らかに彼にシュートを決めさせようとお膳立てをしておりましたが、それが過ぎて3点差を追いつかれた、というのは言い過ぎでしょうか。最後の試合で彼らしさが出たのは、むしろ80分過ぎに押し込まれてからの熱い守備のほうでした。無理なスライディングをしてラスト・イエローカードを頂戴してしまうなど「らしい」プレイを出し尽くして終われたのではないかと思います。

それぞれ名残惜しいですが、次にピッチで会う時には、若き指揮官としてその雄姿を観られればと思います。おつかれさまでした。感動的な数々のいいプレイをありがとうございました。(写真著作者/Mr. Phillip Chambers)

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す