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ブライトン戦で2発!現地記者がイングランド代表入りを期待するイヴァン・トニーの遅咲きキャリア。

彼はワールドカップに行かなければならない(スカイスポーツ)」「イングランドは、トニーを無視できるのか(BBC)」「イヴァン・トニーがブライトンをダブルダウンし、ワールドカップ出場を自ら後押し(テレグラフ)」

ブライトン戦で2発ゲットのイヴァン・トニーが、現地メディアのヘッドラインをジャックしています。昨季プレミアリーグで33試合12ゴール5アシストというスタッツを残したブレントフォードのエースは、新シーズンも開幕から絶好調。6節のリーズ戦でハットトリックを達成すると、11節のブライトン戦では軽快なヒールキックとPKで、劣勢だったチームを勝利に導きました。

プレミアリーグ10戦8発2アシスト。ゴールランキングを見ると、彼の上にいるのはハーランドとハリー・ケインだけです。2021-22シーズンにリーグ3位の空中戦147勝を記録したストライカーは、今季も29勝でミトロヴィッチ、ベン・ミーに次ぐ3番めをキープしています。

ブライトン戦で決めたPKは、プレミアリーグでは8発めで、成功率100%。失敗ゼロの選手で、彼より多く決めたのは、11発のヤヤ・トゥレと9発のベルバトフのみです。9月のネーションズカップでイングランド代表に初招集されたばかりで、未だ出番はありませんが、現地の記者たちは「彼を外すという選択はない」という論調に傾いています。

26歳のポストプレーヤーは遅咲きで、スポットライトとは無縁のキャリアを積んできています。バーンズリー、シュルーズベリー、スカンソープ、ウィガン、スカンソープ、ピーターバラ。2020年の夏にブレントフォードに入団するまで、7シーズンの大半をリーグ1(3部相当)のクラブで過ごしています。

故郷のノーサンプトンでプロデビューしたのは、16歳だった2012年。2014-15シーズンのリーグ2(4部相当)で記録した40試合8ゴールがトップクラブの目に留まり、シーズンを終えた直後にニューカッスルに移籍しました。当時は19歳。4部からトップリーグというジャンプアップは厳しかったのか、2015-16シーズンのプレミアリーグでは2試合10分しか出番がなく、そこからリーグ1での修行の日々が始まりました。

マグパイズに所属しながら、ローンであちこち渡り歩いた3シーズンは、リーグ戦89試合25ゴール。2017-18シーズンが終わると、ブレイクの見込みなしとジャッジされ、ピーターバラに放出されてしまいました。移籍金は65万ポンド(約1080万円)。このまま、「リーグ1で活躍するまずまずのストライカー」でキャリアを終える選手はたくさんいます。

しかし、イヴァン・トニーにとっては、新たなクラブは巻き返しの第1歩となりました。2シーズンのリーグでの戦績は76試合40ゴール。FAカップでは、8戦6発という出色の数字を叩き出しています。500万ポンド(約8300万円)で移籍したブレントフォードも、正しい選択でした。2020-21シーズンはチャンピオンシップ45試合31ゴールで、プレミアリーグ昇格の立役者でした。

「ワールドクラスのストライカーに、だんだん近づいていると思う。トップスコアラーは、技術的に優れている必要がある。左足、右足、リーズ戦のフリーキック、チップキックなど、彼はとても素晴らしい。技術だけでなく、性格もいい」

「自分がイングランドの監督だったら、彼をワールドカップのメンバーに加えるだろう。ガレス(・サウスゲート監督)次第だけどね。イヴァンは他の選手にはない特別なものを持っている。もし最初のキャップを手にしたら、とても大きなことだ。クラブにとって、80年ぶりになる。偏った見方化もしれないけど、チームに柔軟性を求めるなら、完璧にフィットするはずだ」

才能を開花させたトーマス・フランク監督は、代表で機能するはずと主張。イングランドがワールドカップで好成績を収めるには、PK戦に勝つ必要があるというジェイミー・キャラガーも、「トニーは悪い選択ではない」といっています。「彼の不在はリスク」とまでいうのは、ガリー・ネビル。落選に異論はあっても、抜を批判する向きはなさそうです。

ワールドカップ前のプレミアリーグは5試合。ランキングでハリー・ケインの上に立てば、代表入りの可能性はさらに高まるでしょう。3年前はリーグ1でプレイしていた苦労人が、カタールでゴールをゲットすることを想像すると、胸が熱くなります。オンターゲット10本のうち、8本をネットに突き刺しているスナイパーの抜擢を期待したいと思います。(イヴァン・トニー 写真著作者/Ardfern)


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