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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ライバルが強すぎ⁉ 出番が増えないファビオ・ヴィエイラは存在感を発揮できるのか?

ポルトからの移籍が発表されたのは6月。「ファビオ・ヴィエイラって誰?」と混乱したグーナーも多かったのではないでしょうか。かくいう私も、「リヴァプールとホームで戦ったチャンピオンズリーグで、右からのクロスをタレミに合わせてアシストした選手」と結びつくまでに時間がかかりました。

2021-22シーズンのリーガ・ポルトガル・ビーウィンで27試合6ゴール14アシスト。移籍金3000万ポンド(約50億円)は、安い買い物になるのではないかと思いました。早く観たい選手だったのですが、プレミアリーグの開幕から2試合は負傷欠場。アルテタ監督が連勝中のチームをいじらなかったため、その後の3試合はベンチでタイムアップを迎えています。

初登場は、プレミアリーグで唯一の敗戦となっている6節のマンチェスター・ユナイテッド戦。ラスト16分という出番ながら、シュート2本とドリブル成功2回で存在感を発揮しました。続くブレントフォード戦で先発メンバーに名を連ね、49分に右のポストを叩くミドルで初ゴールをゲットしました。

ノースロンドンダービーは、10分の出場でチャンスクリエイト1回に終わりましたが、ヨーロッパリーグのボデ/グリムト戦で1ゴール1アシスト。いよいよ出場機会が増えるかと思いきや、ワールドカップまでのプレミアリーグは先発1回で、出場時間は126分に留まりました。彼の役割をわかりやすくいえば、「ヨーロッパリーグのレギュラー」です。

ファビオ・ヴィエイラの前半戦を長々と振り返ってまいりましたが、ここからが本題です。彼はアーセナルで必要とされる存在になれるのでしょうか。プレミアリーグで先発すれば、ゴールかアシストを記録しているにも関わらず、なかなか出番が増えません。

最大の理由は、強力すぎる競争相手でしょう。前線に変化をもたらす主将マルティン・ウーデゴーア、突破力に長けたガブリエウ・マルティネッリ、7年めにして進化を遂げたグラニト・ジャカからポジションを奪うのは、並大抵のことではありません。

加えて、彼自身の問題もあるように感じられます。FAカップ3回戦のオックスフォード戦の前に、アルテタ監督は「フィジカルは、われわれが求めているレベルに達している」とコメント。裏を返せば、これまではプレミアリーグの激しいチェックへの対応が課題だったということになります。

ウーデゴーアと比べると消えてしまう時間が長く、2アシストでヒーローになったFAカップでも、前半は目を引くプレイがありませんでした。指揮官は、早急に結果を求めずじっくりフィットさせていこうと考えているのかもしれませんが、スミス・ロウとムドリクが加われば、本人としては悠長に構えていられなくなりそうです。

左サイドは、マルティネス、ムドリク、スミス・ロウ。ウクライナのヤングスターが左ウイングで輝いた際は、マルティネッリは中央でプレイする機会が増えそうです。右サイドはサカとマルティネッリ、トップ下はウーデゴーアとスミス・ロウ。目に見える結果を出し続けられなければ、どのポジションでも3番手になってしまう可能性があります。

ウイング、トップ下、インサイドと起用法を変えているアルテタ監督は、彼の活かし方を模索しているようにも見えます。将来的には、4-3-3のインサイドや4-1-4-1でセカンドストライカーのように振る舞うという道もありそうです。手本とすべきは、同郷の先輩ベルナルド・シウヴァでしょうか。

私が彼の行く末を案じているのは、オックスフォード戦でエンケティアに通した美しいスルーパスに見惚れたからです。ウーデゴーアという天才がいなければ、チームの主軸になれそうなプレーメイカーには、出番を求めて移籍を志願するようなことにならないでほしいと祈っております。指揮官にとっては、今も変わらず重要な戦力であり続けているのかもしれませんが。


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