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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

やっぱりメスト・エジルは別世界!「プレミアリーグパス本数ランキング」

インターナショナルマッチウィークで、プレミアリーグが1週お休みとなると、記事を読んでほしいマスコミが繰り出す2大企画が「移籍ゴシップ」「ランキング」です。先日から「Qoly」が、プレミアリーグ公式サイト掲載のスタッツをさまざまなテーマでまとめてくれており、それぞれとても興味深いのですが、モノによって乗れる・乗れないがあります。「走行距離」「タックル回数」など絶対数を順位付けすると、出場試合数が多い選手が上位を占める傾向があり、ともすると「元気な選手ランキング」に近いものになってしまったりするのです。「1試合あたり平均」「成功率」などで並べたほうが、選手のクオリティや特徴が際立つテーマが多かったりするのに…と思うたびに「だったら自分でまとめろよ」という声がどこからか聞こえてくるのですが、その気力がいつもあるわけでもなく…。そんななかで、このテーマは楽しめました。「30節を終えたプレミアリーグ、パス数が唯一2000本以上なのはあの選手」。パスを出した本数のランキングです。

唯一2000本を超えているのが、チェルシーのセントラルMFセスク・ファブレガス。30試合消化したチェルシーで、セスクは29試合出場、スタメン25試合に留まっていながらこのダントツの数字は凄いです。2位はボーンマスのサーマンですが、この選手は31試合フル出場で、プレミアリーグ走行距離ランキングNo.1の選手です。走行距離とパス本数は連関性が高く、ランキング上位20人中9人までが重なっているのですが、パス本数1位のセスクは走行距離で20位圏外。一方、走行距離2位のハリー・ケインはパスには引っかかってきません。チェルシーの選手たちがいかにセスクを見ながらプレイしているか、プレミアリーグ得点王争い首位のハリー・ケインがいかに献身的にプレイしているかがわかる数字です。

このランキングがおもしろかったのは、出場試合数25試合とTOP10では最少のラムジーが5位にいること、エジルのパス成功率の高さ、逆にドリンクウォーターとアルデルヴァイレルトの成功率の低さです。パス本数は、ビルドアップ時に何度もボールを触るCBと、さまざまなボールを中継するセントラルMFが多くなりがちなのですが、ラムジーはシーズン前半には右サイドにいた選手で、この数字は立派です。出場試合数ゆえに走行距離では20位に入らなかったものの、彼がよく動いてチームに貢献しているのがわかります。

【プレミアリーグ2015-16 パス本数ランキング】
1位/セスク(チェルシー)               2,110/85.0%
2位/アンドリュー・サーマン(ボーンマス)       1,854/85.3%
3位/グレン・ウィーラン(ストーク)          1,760/87.0%

4位/ギャレス・バリー(エヴァートン)         1,755/82.9%
5位/ラムジー(アーセナル)              1,729/86.6%
6位/エジル(アーセナル)               1,711/90.5%
7位/アルデルヴァイレルト(トッテナム)        1,700/80.5%
8位/エムレ・ジャン(リヴァプール)          1,683/81.5%
9位/エリック・ダイアー(トッテナム)         1,680/82.7%
10 位/サイモン・フランシス(ボーンマス)       1,668/80.2%
11 位/アシュリー・ウィリアムズ(スウォンジー)    1,621/85.1%
12 位/ドリンクウォーター(レスター)         1,596/78.5%
13 位/フェルナンジーニョ(マンチェスター・シティ)  1,592/88.1%
13 位/ヤヤ・トゥレ(マンチェスター・シティ)     1,592/87.3%
15 位/ダレイ・ブリント(マンチェスター・ユナイテッド)1,589/85.0%
16 位/グエイ( アストン・ヴィラ )              1,545/85.1%
17 位/マーク・ノーブル(ウェストハム)        1,505/86.2%
18 位/ロス・バークリー(エヴァートン)                      1,477/88.4%
19 位/バカリ・サニャ(マンチェスター・シティ)              1,471/83.9%
20 位/カプェ(ワトフォード)                                        1,440/79.7%
※数字はパス本数/成功率 プレミアリーグ公式サイトより「Qoly」が編集

前にポジションを取っている選手で、TOP20に入っているのはエジルとロス・バークリーのみ。それだけでも素晴らしいのですが、やはりエジルは別世界。アーセナルの試合をご覧になる方はわかると思いますが、彼のあのチャレンジングなパス出しで成功率90%台キープは、怖ろしいクオリティの高さです。一方で、アルデルヴァイレルトとドリンクウォーターの低さは、彼らが後ろから長いボールで攻撃陣を走らせていることの証拠でしょう。CBは概ね成功率85%前後なのですが、アルデルヴァイレルトの5%低い数字は、「ブリントさんもいいパス出せるのだから、もっと前線を動かしてみては?」といっているようにもみえます。ジェイミー・ヴァーディとマフレズのゴールを創出しているのは、カンテがインターセプトしたボールを前線に展開しているドリンクウォーターの積極性です。

パス関連のランキングを見ていると、ここに名前がない選手を思い出します。元気だったら上位にいたはずのサンティ・カソルラ。彼がランキングに名前を連ねていれば、アーセン・ヴェンゲル監督はGKとセントラルMFをひとりずつ補強しただけでプレミアリーグの首位にいる監督として、リスペクトされていたかもしれません。カソルラ、ウィルシャー、デブライネ、コンパニ、ルーニー、シュヴァインシュタイガーといったキーマンを昨季上位チームが長期間失ったことが、レスターとトッテナムに上にいかれた混戦プレミアリーグの理由のひとつではないかとあらためて思います。

そう考えると、パイェが1ヵ月半いなかったにも関わらず、マンチェスター・シティとマンチェスター・ユナイテッドの間にいるウェストハムは素晴らしいですね。パイェもさることながら、年末のサウサンプトン戦でプレミアリーグ初ゴールを決めてから、12試合6ゴールと頭角を現しているマイケル・アントニオを掘り出したビリッチ監督の慧眼は見事です。どうやら今日は、「ハマーズをほめちぎる日」となってしまったようです。話が拡散する前に、このあたりで締めさせていただきます。Qolyさん、ありがとうございました。

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“やっぱりメスト・エジルは別世界!「プレミアリーグパス本数ランキング」” への4件のフィードバック

  1. ヤンガナ大好き より:

    この記事のスタッツも面白かったですね!サッカーに比べ、NBAは遥かに進んでいて、タイトルは全て1試合平均で比較されます。得点、アシストは勿論、リバウンド、ターンオーバー。さらにシックスマン賞と行ってスターターではない選手の中で、リーグナンバーワンの控え選手を表彰するなど、味なこともしてます。

    プレミアのパス王は率から行って今年は断トツでエジルになりますね!もし、プレミア12番賞を作るなら、自分なら岡崎の代わりに出てきて試合を締めるレスターのシュラップを選びたいです。最近のレスキュー、1対0で勝つゲーム増えてますが、これはまさに後半出てくるシュラップらの頑張りが大きいと思ってます。

    バスケットは5人対5人のスポーツなので、スタッツの比較がわかり易いですが、いずれサッカー界も各プレーヤーの記録が身近になる時代が来ると思ってます。

    1試合平均の走行距離やボール奪取数、タックル成功数、ヘディング数など地味ながら欠かせないプレーでデッフェンダーや中盤の選出が評価されたら嬉しいです。

    もし、レスターが優勝したら自分なら間違いなくカンテがタックル、奪取の記録とともにMVPに選出したいです!

  2. ジダネス より:

    エジルは記録も素晴らしいですが、やっぱりあのスピーディかつなめらかな美しいプレーが好きです!

  3. ジダネス より:

    記録で興味をもったいろんな人が見てくれると嬉しいですね!

  4. makoto より:

    ヤンガナ大好きさん>
    私も、レスター優勝ならMVPはカンテです。トッテナムはアルデルヴァイレルト、ガナーズはエジルですね。

    ジダネスさん>
    力みがない軽やかな感じがいいですよね。あの蹴り方でスピードあるパスがよく出せるな…と感心します。

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