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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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日曜日のマンチェスター・シティ戦は、チェルシーの前線で機能し始めたコール・パルマーに注目!

移籍金6500万ポンドでアーセナルに売却されたカイ・ハヴェルツは、チェルシーで過ごしたプレミアリーグ3シーズンで、91試合19ゴール7アシスト。2021年5月にマンチェスター・シティと戦ったチャンピオンズリーグファイナルと、翌年2月のクラブワールドカップのパルメイラス戦で、いずれも決勝ゴールを叩き込んでいます。

彼の後継者として加わったコール・パルマーは、ワールドクラスがひしめく最強クラブでなかなか出番を得られず、昨季まではプレミアリーグ19試合ノーゴール。まだ21歳で底を見せていないとはいえ、移籍金総額4250万ポンドには高すぎるという声がありました。即戦力評価なら実績と金額が見合わず、先行投資ならこれほどの額を積むのはリスキーです。

「テレグラフ」のマット・ロー記者によると、マン・シティが将来を嘱望されていた逸材を売った理由は3つです。ひとつは、自らの評価を超えるオファー。2つめは、レギュラーとしてプレイしたいという本人の強い意向。3つめはレンヌの快足ウインガー、ジェレミー・ドクを獲得できる見通しが立ったからです。

チェルシーを選んだ理由を問われたコール・パルマーは、「プロジェクトにいい感触を得た」と答えています。おそらく、主力として期待しているといわれたのでしょう。しかし当時は、カイ・ハヴェルツに加えてメイソン・マウント、オーバメヤン、ツィエク、プリシッチも手離したチームの攻撃力が上がるとは思えませんでした。

11節を終えた今、ジェレミー・ドクを獲得した昨季王者は首位に立ち、カイ・ハヴェルツをインサイドMFとして起用するガナーズは3ポイント差の4位。最初の6試合で3敗を喫したチェルシーは、10位に沈んでいます。チームのポジションを比較すると、チェルシーのギャンブルはうまくいっていないように見えるのですが、コール・パルマーには成功の兆しが感じられます。

直近の5試合は3勝1分1敗、12ゴールを決めているチェルシーは復調気配。コール・パルマーも、バーンリー戦以降の4試合で3発2アシストと調子を上げています。「3つのゴールは全部PK」というツッコミにはうなずくしかありませんが、ビッグチャンスクリエイト5回はリーグ6位、スルーパス8本はサラーやジェームズ・マディソンと並ぶ4位です。

ちなみにカイ・ハヴェルツは、11試合でゴールはPK1本のみで、アシストもひとつ。オンターゲットは1本しかなく、ビッグチャンスクリエイトもスルーパスもゼロで、ビッグチャンスミスが2回もあります。スタッツを見れば、ガナーズで攻撃力を発揮できていないインサイドMFより、3つ年下のアタッカーのほうが貢献度が高いのは明らかです。

コール・パルマーを語るうえでは、インターセプト6回という数字も外せません。敵陣で奪ってショートカウンターに持ち込むシーンが多く、抜け目のないプレイぶりはさすがマン・シティのユース出身とため息が漏れます。8番、トップ下、ウイング、偽9番と幅広い役割をこなせるのも魅力で、ポチェッティーノ戦術の熟成に欠かせないタレントにはるはずです。

プレミアリーグ2023-24シーズンはまだ11試合しか消化しておらず、補強の成功・失敗を仕分けるのは時期尚早ですが、チェルシーの前線を動かす20番は、4000万ポンドを投じる価値があったといわれる存在になるのではないかと思います。日曜日の古巣対決では、オープンプレーでの初ゴールを期待しましょう。(コール・パルマー 写真著作者/pantkiewicz)


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