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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

今季プレミアリーグの魅力がひと目でわかる!現地紙が紹介する「興味深い13のスタッツ」は必読!

インターナショナルマッチウィークに入り、2週間の長き(?)にわたってプレミアリーグが観られなくなると、現地メディアはあの手この手で読者を振り向かせる話題をひねり出します。定番は、1月のトランスファーマーケットをにらんだ移籍ゴシップ、ランキング企画、クラブや選手のデータ分析といったところでしょうか。さらにこの秋は、最も盛り上がるキーワードとして「モウリーニョ」が浮上しています。マンチェスター・ユナイテッドが停滞を続けているなか、物議を醸す発言が多い指揮官は、記者や評論家の格好のネタと化しています。「多少の痛みなら試合に出るべき。気持ちの強さが足りない」と名将に非難されたと報じられたルーク・ショーとスモーリングは、メディアの注目が試合に移る10日後までは、ひたすら黙って耐えるしかありません。

さて、本日取り上げさせていただくのは、「デイリー・ミラー」厳選のスタッツ紹介です。「The 13 most interesting stats of the 2016/17 Premier League season so far(これまでのプレミアリーグ2016-17シーズンにおける最も興味深い13のスタッツ)」は、視点と切り口がおもしろい記事です。「Come back, Premier League! Come back!」という書き出しに、「最後のゲームから4日しか経ってませんが…」と軽くツッコミを入れて読み始めると、データが大好きなファンなら確実にテンションが上がるネタが続々と目に飛び込んできます。秀逸なのは、ただの数字遊びに終わらせず、それぞれのチーム・選手の素晴らしさや課題とリンクさせていることです。論よりデータ、具体的な中身を見ていただいたほうが早いでしょう。オープニングは、話題のモウリーニョ監督のチームです。

「マンチェスター・ユナイテッドは、今季のプレミアリーグで前方へのパスの割合が30.3%しかなく、最も低い」「前方への比率が高いのはWBAで43.2%」「ハル・シティは16.9%のパスを後ろでまわしており、他のクラブよりも高い」

遅いクラブ、勇敢なクラブ、チキンなクラブといったところでしょうか。11節のスウォンジー戦を1-3で勝ったマンチェスター・ユナイテッドは、CKを1本も取れず、枠内シュートは決まった3発のみという微妙な勝ち方でした。「スカイベット」の「次に解任される監督」のオッズで、就任1ヵ月ながらモイーズさんに次ぐ2位につけてしまったブラッドリー監督率いる19位のチーム相手に横、横、横では、この数字も致し方なしです。対してWBAは、相手が強かろうが弱かろうが毎試合接戦、シンプルなサイド攻撃はファンを飽きさせません。最短距離でゴール前に辿り着こうとするフレッチャーとマット・フィリップスが、この数字を牽引しているのだと思われます。次は、アタッカーにまつわるスタッツです。

「セルヒオ・アグエロは、今季のプレミアリーグで最多となる5本の先制ゴールを決めている」
「エデン・アザールは、2015-16シーズン全体よりも3つも多い7ゴールを既にゲットしており、うち6発はスタンフォード・ブリッジでのゴールである」
「フィリペ・コウチーニョは既に5アシストを記録しており、ゴール数も昨季の8に3つ足りないだけである」
「コウチーニョとマネは、2人で創ったチャンスが14回あり、最も多いデュオとなっている」
「フィルミーノは、オープンプレーから28回のチャンスを創っており、他のプレミアリーグの選手を凌ぐ」
「ディミトリ・パイェは、2016-17シーズンにゴールに絡むチャンスを40回創っており、欧州5大リーグでNo.1」

アグエロの貢献度の高さ、アザールの復活ぶり、コウチーニョがいかにハイペースで数字を伸ばしているか、プレミアリーグ首位に立ったレッズの強さの源泉はどこにあるかを示す数字です。ウイングにいながら11試合7ゴールのアザール、5ゴール5アシストのコウチーニョ、10試合6ゴール2アシストのマネはいずれもキャリアハイの数字を叩き出すのではないでしょうか。3バックと3トップは、名将集う今季のプレミアリーグを語るわかりやすいキーワードとなりそうです。ことチャンスメイクに関しては、リヴァプールに勝てるチームはありません。流れのなかでチャンスを創り続けているフィルミーノはもちろん素晴らしいのですが、両サイドにいるマネとコウチーニョがコンビとは…。彼らのサッカーがいかに流動性が高いのかが、数字を見るとよくわかります。

レッズとチェルシーに話題が集まり、昨季ほどメディアの見出しになっていないのですが、セットプレーという武器があるパイェは健在。彼がいなければ、ハマーズは監督のクビが危うくなるぐらいの惨状に陥っていたかもしれません。ストライカーでは、こんな数字も紹介されています。

「ズラタン・イブラヒモヴィッチは、9月から11月の間、610分もゴールがなかったにも関わらず、6ゴールという彼の数字を上回っているのはまだ4人しかいない」

初めてプレミアリーグで戦うマンチェスター・ユナイテッドのストライカーに対して、愛のある取り上げ方をしてくれています。私は、ズラタンに関しては、トラップやパスが雑になって流れを止めることはあるものの、意外性のあるパスと類まれなるシュート力をリスペクトしており、周囲と合ってくれば得点王すらあるとみています。全盛期の凄みはないかもしれませんが、ゴール前でのアイデアの豊富さと素晴らしい身体能力があるからこそ、プレミアリーグでぶっちぎりNo.1となる59本のシュートを打てるのではないでしょうか。チームともども、「今後に期待」というシールを貼っておきたいと思います。最後に、チーム関連の数字を3つ。

「ボーンマス戦のサンダーランドは、レッドカードを喰らって10人になった試合でプレミアリーグ初勝利」
「チェルシーは昨季の同時期より勝ち点が14も多い」「レスターは10も少ない」

レスターとチェルシーは「ですよね…」。サンダーランドの今季初勝利が、こんなに貴重な勝利だとは知りませんでした。ニューカッスルと入れ替わるという痛恨の結末で、タインウェアダービーの復活を心待ちにしているサポーターをがっかりさせることがないよう、巻き返していただければと思います。ああ、数字を眺めていたら試合を観たくなってきました。Come back, Premier League! Come back!

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