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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ドンマイ、ロリス・カリウス!「プレミアリーグで最も素晴らしいGK」は誰だ!?

プレミアリーグ14節における最大のサプライズは、ボーンマスがリヴァプールを1-3の劣勢からひっくり返したことでしょう。電光石火で同点にしたラスト15分からの怒涛の反撃も凄かったのですが、決勝ゴールが衝撃的でした。ロリス・カリウス、ファンブル。クックが遠めから狙ってくることを予想できていなかったのか、12000人も入らないディーン・コートとはいえ、ホームチームのサポーターの絶叫に冷静さを失っていたのか。いずれにしても、プレミアリーグにやってきたばかりのGKには、時間が必要でしょう。

「スカイスポーツ」の「Remember David de Gea’s hammering before criticising Loris Karius, says Chris Kirkland(クリス・カークランドが提言ーロリス・カリウスを批判する前に、デ・ヘアが叩かれていたことを思い出せ)」と題された記事では、「(ロリス・カリウスを批判する)ジェイミー・キャラガーとガリー・ネビルは、GKを気に入ったことがないみたいだね」とジョークを飛ばしたカークランド氏のコメントを紹介。マンチェスター・ユナイテッドに入団した当初は、たびたびハイボールにバンザイしていたデ・ヘアは、今では世界最高のGKだと主張し、ロリス・カリウスについても長い目で見るべきだといっています。私も、これには賛成です。リヴァプールの新守護神は、デ・ヘアやロリス、チェフと肩を並べる存在になる可能性があると期待しつつ、ミニョレの競争相手で終わるかもしれないとも思っています。これを判断するのは、2年先でもいいでしょう。ロリス・カリウスに必要なのは、プレミアリーグで経験を積み、自信をもってプレイできるようになることです。

カークランド氏が「世界最高レベルのGK」として引き合いに出したのはデ・ヘアでしたが、マンチェスター・ユナイテッドの絶対的守護神は、今季はファンブルが多く、ファン・ハール時代のパフォーマンスを見せてくれていません。では、「プレミアリーグで最も素晴らしいGK」は誰なのでしょうか。プレミアリーグ公式サイトと「FOX Soccer」より、クリーンシート、セーブ数、セーブ率の3項目についてまとめてみました。

■クリーンシート
1位/ティボ・クルトワ(チェルシー)          7
2位/フレイザー・フォースター(サウサンプトン)    5
2位/ウーゴ・ロリス(トッテナム)           5
4位/ペトル・チェフ(アーセナル)           4
4位/ダヴィド・デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)4
4位/リー・グラント(ストーク)            4

■セーブ数
1位/トム・ヒートン(バーンリー)        62
2位/ジョーダン・ピックフォード(サンダーランド)56
3位/ルカス・ファビアンスキ(スウォンジー)   48
4位/ベン・フォスター(WBA)            47          
5位/ペトル・チェフ(アーセナル)        37
5位/アドリアン(ウェストハム)         37

■セーブ率
1位/トム・ヒートン(バーンリー)        77%
2位/カスパー・シュマイケル(レスター)     76%
3位/ウーゴ・ロリス(トッテナム))       73%
4位/ジョーダン・ピックフォード(サンダーランド)72%

5位/ベン・フォスター(WBA)            72%          
6位/ペトル・チェフ(アーセナル)        71%
7位/ティボ・クルトワ(チェルシー)       70%

「素晴らしいGKを3人挙げろ」といわれれば、ヒートン、ロリス、クルトワです。イブラヒモヴィッチの殺人的ボレーを至近距離で喰らい、右腕1本で弾き飛ばしたヒートンは、数字を見れば明確にNo.1。守備の要であるアルデルヴァイレルトを欠きながら、スパーズのプレミアリーグ最少失点を継続させているロリスの安定感もリスペクトされるべきだと思います。3バックがあまりにも堅牢なために、「ザ・サン」に、「セーブ1回10万ポンド」と揶揄されているクルトワは、少ないプレイ機会でもミスがありません。ひとりに絞れといわれれば、ヒートンに後ろ髪を引かれながらもロリスです。私は以前、ニッポンの高校サッカーの底辺でGKをやっておりまして、「華があるセービング」「DFを鼓舞する後ろからのコーチング」ができる守護神が好きなのです。「ワールドクラスのGK特集」があると、半数を占めることもあるGK王国のプレミアリーグのなかでも、ウーゴ・ロリスの安定感と統率力は光っていると思います。

最後に、ちょっぴりかわいそうなGKを紹介しましょう。「FOX Soccer」のデータから算出すると、10試合以上出場しているGKのなかで最もセーブ率が低いのは、サウサンプトンのフレイザー・フォースターなのですが、そうなってしまった原因は「CBのファン・ダイクとフォンテがよすぎるから」でしょう。セーブ数はヒートンの1/3以下となる17本、許したゴールは15発、セーブ率53%。CBがことごとくシュートを弾き返す堅守のチームで、フォースターのところにまわってくるのは、誰も止められない絶望的なボールばかりとなっているようです。これは、「GKを数字で評価するのがいかに難しいか」というお話でもあります。異論・反論があるのは重々承知しておりますので、ロリスへの偏愛をご容赦ください。

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“ドンマイ、ロリス・カリウス!「プレミアリーグで最も素晴らしいGK」は誰だ!?” への5件のフィードバック

  1. りっきー より:

    面白い記事ありがとうございます!
    確かに所属チームのスタイルによっても数字が大きく変わってきますよね!
    特にセーブ数なんかはそもそも被シュート数が多くなければ数字が伸びませんから( ゚□゚)
    しかしそれを加味して考えると尚更ヒートンはセーブ数、セーブ率ともに素晴らしいですね。。
    今度からキーパーにももっと注目して試合観戦しようと思います(^^)
    それと突っつくみたいで申し訳ないのですがクリーンシートのところのチェフの所属がチェルシーになってます、、、
    気になったのですみませんm(_ _)m

  2. makoto より:

    りっきーさん>
    ご指摘ありがとうございます。訂正させていただきました。ヒートンは勝ち点直結のセーブが多く、今季No.1の資格ありだと思います。おっしゃるとおりで、堅守の首位チームにいるクルトワはセーブ数では絶対に上位に入れないのですが、上位クラブは上位なりに、中堅・下位は下位なりに評価したいですね。

  3. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    カリウスへの評価はまだまだ出来ない段階と思いますし、移籍初年度は難しいと思います。リーグ戦折り返しから、どこまで順応しているのか見て行きたいと思います。しかし、GKは厳しいポジションですよね。セインツのフォースターも優秀CBがいるから、、、なんて語られてしまうからです。

  4. アイク より:

    すごく面白いです。
    チェフが上位チームで唯一人、3項目すべてにランキング入りしてますね。
    セーブ数が多いのは守備に穴がありスーパーセーブで補っているのか、コーチングが上手く打たせているのか。
    いずれにせよチェフ獲得は数字で見ても素晴らしい補強でしたね。

  5. makoto より:

    Mackiさん>
    DFがいいときや、ずっと押し続けているときは、守りにくかったりするんですよね。シュートがたまにしかこないGK、止めても止めてもくるGK、くるボールが決定的な一撃ばかりのGK、それぞれに大変です。

    アイクさん>
    ありがとうございます。チェフは大当たりでしたね。アーセナルは試合中に波があり、引いた時にミドルシュートのコースを切るのがうまくないからではないでしょうか。チェフが止めなければ勝ち点を落としていたゲームも、いくつかあったと思います。

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