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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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吉田麻也、リーグカップで今季初出場!香川真司の巻き返しシナリオは?

未だ プレミアリーグ出場なし。プレミアリーグ所属の日本人選手が出遅れております。吉田麻也は、昨季末の欠場要因となった股関節痛を引きずり、またそのことをチームに隠してコンフェデレーションズカップやウルグアイ戦に出場したこともあって、ポチェッティーノ監督の怒りを買ってしまいました。吉田のケガは、以前に中田英寿さんや中山雅史さんも苦労した、グロインペイン症候群(鼠径部痛症候群)らしく、だとすれば無理をすると治すのに半年以上かかったりするやっかいなものです。ワールドカップを控えたシーズンでもあり、ここは無理厳禁で、しっかりコンディション作りをしていただければと思います。

そんなこんなで、吉田麻也は完全に出遅れスタートとなったわけですが、サウサンプトンは今季、さらなるジャンプアップを実現すべくクロアチア代表DFのデヤン・ロブレンを獲得しており、開幕2戦を観る限りはどうやら彼がDFラインの中心となりそうです。そうなると、吉田麻也、フォンテ、ホーイフェルトの3人でレギュラーの椅子を争うことになり、昨季以上に厳しいチーム内競争が繰り広げられます。左SBにはルーク・ショーがいるものの、右が弱いチームなので、吉田は右SBとしての出場も増えるかもしれません。日本代表としては、長谷部同様、クラブと代表で異なるポジションをこなす状況は悩ましいですが、出場機会を失うよりマシです。ポチェッティーノ監督は「横一線、4人でのレギュラー争い」を公言しており、選手のコンディションや力を見ながらフェアに起用していく方針だそうです。最近、代表ではマンマークの弱さやプレイの軽さで致命的なミス続きですが、彼の前線への展開力やポジショニング、ピッチ全体を見渡す力は、フォンテやホーイフェルトにはないものなので、昨季同様にレギュラーCBとしての活躍を期待しています。

一方、香川真司ですが、コミュニティシールドではゲーム終盤の交代出場、プレミアリーグ開幕2戦で出場なしということで、日本のマスコミは「厳しい状況」と大騒ぎ。古巣のドルトムントサポーターは、「フリーカガワ」というハッシュタグまで作って、ツイッターなどで「ゲームに出さないならカガワを解放せよ。ドイツに帰っておいで」とやっています。彼についても私は楽観的で、「コンフェデレーションズカップ出場で休みが取れず、他の選手のほうがコンディションがいいから出ていないだけ」と見ています。まあ、今季のマンチェスター・ユナイテッドは開幕5戦中3戦が上位対決と組み合わせが厳しいなか、新監督が「守備力重視のフォーメーション」にしているという側面もあるようですが、いずれにしても状況は変わっていくはず。チェルシーにおいても、モウリーニョ監督がマタについて、「休んでおらずケガもあったのでアストン・ヴィラ戦の起用のみにとどめた」といっており、彼も現状の扱われ方は香川とほぼ同じでしょう。

マンチェスター・ユナイテッドでは、チチャリートは2試合ともベンチ外。モイーズ監督の、エヴァートンにおけるFWイェラヴィッチとアニチェベの起用法をみても、コンディションを重視しているのは間違いないところ。チャンピオンズリーグや国内カップ戦が始まれば、ミッドウィークのゲームも増えるわけで、香川自身がスランプに陥ったりしなければ、昨季より出場機会は増えるでしょう。

保守的なモイーズさんのことですから、少なくとも5節のマンチェスターダービーまでは、現在好調のウェルベック、バレンシア、ルーニーのフォーメーションを継続するでしょうが、もしかしたら4節のクリスタル・パレス戦では香川真司のスタメン出場もあるかもしれません。前線の裏への飛び出しや、狭いスペース使いなど、マンチェスター・ユナイテッドというトップクラブでも、香川にしかできないことがあります。焦らず、力を発揮するチャンスが来るのを待って、出た試合ではゴールを決めてもらえればと思います。

開幕前、イギリス紙の記者は、香川真司と吉田麻也について、「チームの主軸として昨季以上の活躍をするだろう」とポジティブな評価をしています。われわれが日本で想像する以上に、2年めの日本人プレイヤーに対するクラブやサポーターの期待は大きいのです。ここはファンとしても短期的な事象に一喜一憂せず、「果報は寝て待て」ですね。そういえば、吉田麻也はキャピタル・ワン・カップ2回戦のバーンズリー戦に出場しました。いよいよ、反攻開始です。

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