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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

意外な顔ぶれ…「Opta」のデータで見る今季プレミアリーグのベスト&ワーストGKランキング!

プレミアリーグの試合がないインターナショナルマッチウイークに、読者を増やしたい現地メディアの定番2大企画として、移籍ゴシップとランキングがあります。今季、最もシュート成功率が悪いFWは…などと、ちょっぴりネガティブなテーマのほうがおもしろかったりするわけですが、「BBC」のGK特集は、チームにプラスアルファをもたらしている守護神と、シュートを止められていない選手の両方をランキングにしています。プレミアリーグでNo.1のGKはと問われれば、多くの方が思い浮かべるのはデ・ヘア、ロリス、チェフ、クロトワといった名前でしょう。今季でいえば、プレミアリーグ最少の5失点に抑えているマンチェスター・ユナイテッドのスペイン人GKが数字でもトップに立ちそうですが、「Opta」が集計した「決まると予想されたシュートと、実際に決められたゴールの数」の差分を見ると、意外な名前がランキングの頂点に君臨しています。

1位は、負傷したヒートンの留守番をまかされているバーンリーのニック・ポープ。いわれてみれば、彼のチームは今季プレミアリーグで10失点未満の4チームのうちのひとつです。「Opta」が出している「決まると予想されたゴール」のデータは、距離、角度、打たれたときの状況などを数値化したもので、ポープの本数を計算すると10.9になります。これに対して、実際に決められたシュートは5本。差分の5.9は、理論値10.7本に対して5失点のデ・ヘアを上回り、堂々のトップです。

マンチェスター・ユナイテッドの守護神に続く3位はスウォンジーのファビアンスキで、15.3に対して13失点と相当打ち込まれています。4位はボーンマスのベゴヴィッチで15.9&14失点、5位にはポープに活躍の場を提供したヒートンが入っています。バーンリーのGKが2人とも入っているということは、ベン・ミーとタルコフスキーのCBコンビがGKがセーブしやすい守り方をしているのかもしれません。「Opta」の数字が基準不明確で信じがたいという方には、オンターゲットと失点から算出するセーブ率というシンプルな数字のランキングを見ていただきましょう。1位はポープの88.1%、2位デ・ヘアが86.5%。3位はファビアンスキで75.5%、4位ベゴヴィッチの73.3%、5位はクルトワで73.0%。…最初からこちらを出せばよかったのではないかというささやかな疑問は、ワーストのランキングを見ると払拭されます。

決まると予想されたシュートは16.3なのに、実際には22発も許しているランキングTOPは、ストークのジャック・バトランド。長期離脱があり、昨季プレミアリーグの出場が5試合に留まったGKは、トップフォームを取り戻せていないのかもしれません。2位は絶不調エヴァートンのピックフォードで、18.3本に対して22失点。3位に入ってしまったWBAのフォスターは10.7に対して13失点、4位は意外にもレスターのシュマイケルで13.8&16失点、5位はクリスタル・パレスのヘネシーで15&17失点となっています。

一方、セーブ率を見ると、60%以下のGKが5人います。ワースト5位はワトフォードのゴメスで60.0%、4位のチェフは57.9%。ジェイミー・キャラガーに「普通の”いいGK”になってしまった」といわれたアーセナルの守護神は、今季は満足な数字を残せていません。3位がウェストハムのジョー・ハートで56.6%、2位は「Opta」で1位とされてしまった54.2%のバトランド。54.1%とバトランドと僅差で1位に祭り上げられてしまったのは…シモン・ミニョレ!リヴァプールのエースGKは、ハイボール処理のまずさやファンブルはあるものの、PKストップとビッグセーブも多く、「Opta」のランキング上位にいないのは納得です。ワーストランキングを見ると、単純な数字で割り出すセーブ率よりも決定的だったかどうかを加味した「Opta」のほうが、プレミアリーグファンの実感値には近いように思いました。

今回は、上位の試合しか観られない忙しい方々に、ニック・ポープという素晴らしいGKがいることをお伝えしたかったのであります。ジョー・ハートにこだわるイングランド代表のガレス・サウスゲート監督は、バトランドよりひとつ年上のバーンリーGKをチェックされているのでしょうか。ワールドカップを控える今季は、絶対的な存在がいないイングランドのGKの奮闘も注目ポイントです。私はピックフォード推しだったのですが、今季の彼はチームの不振に引きずられたのか判断ミスが目立ちます。結局、ロシアのゴールマウスに立つのは、右手側にシュートを打たれている分にはワールドクラスのジョー・ハートとなるのでしょうか。イングランドのGKは総じてキックの精度が低いんですよね…。

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