エジル、ラシュフォード、モラタ、アリソン…背番号を変えた精鋭たち、それぞれの理由。
ルート・ファン・ニステルローイ、ウェイン・ルーニー、ズラタン・イブラヒモヴィッチ。キング・カントナやブライアン・ロブソン、クリスティアーノ・ロナウドら「栄光の7番」に熱狂した私にとって、マンチェスター・ユナイテッドの10番は、負けず劣らず好きな選手たちが纏ったナンバーです。そういえばあのデヴィッド・ベッカムも、7番をゲットする直前は、1年限りのNo.10でした。今シーズンは、彼らの後を継いでほしいヤングスターが、背中に10を付けて戦うことになります。
マーカス・ラシュフォード、未だ20歳。2016年2月25日、ヨーロッパリーグのミッティラン戦で衝撃の2ゴールデビューを飾ったストライカーは、昨季までの3シーズンでプレミアリーグ78試合17ゴールという数字を残しています。サイドでプレーする機会が多かったラシュフォードにとって、この戦績は決して満足いくものではなかったでしょう。ワールドカップでノーゴールに終わった「元19番」は、自ら10番がほしいと申し出たそうです。
「彼はずっと望んでいた。ルーニーやイブラヒモヴィッチを尊敬していたからね。10番が空くのを待っていたんだ。素晴らしいことだ。ぜひ、10番を背負ってもらおうじゃないか」(ジョゼ・モウリーニョ)
今季のプレミアリーグでは、自身初となる2ケタゴールをゲットしていただきましょう。ラシュフォードとは逆に、求めていたはずの背番号を手離したプレーヤーもいます。チェルシーのアルバロ・モラタは、レアル・マドリードやユヴェントスでスーパーサブとしてベンチにいる時間が長く、プレミアリーグにやってきた昨シーズンが初めてのレギュラー待遇。31試合11ゴールと最低限のスタッツは残したものの、後半戦でわずか1ゴールしか挙げられず、ワールドカップロシア大会に参加することができませんでした。新シーズンに向けて背番号を変えたのは、心機一転という意味合いも大きかったのではないでしょうか。選んだナンバーは、一見微妙な「29」。7月に双子が生まれ、父親となった25歳のストライカーにとって、彼らの誕生日にちなんだ数字を背負うことはモチベーションUPにつながるのでしょう。
手に入れることができたエースナンバーを拒否したのは、GK史上最高額でリヴァプールに移籍したアリソン・ベッカーです。ローマでシュチェスニーからポジションを奪い、背番号1を手に入れた男は、アンフィールドで同じ番号を打診されると「(現在付けている)ロリス・カリウスへの敬意を欠いている」と断ったとのこと。チャンピオンズリーグ決勝で信じられないミスを2回もしてしまい、プレシーズンマッチでもセービングミスを繰り返している失意のドイツ人GKがチームを離れない限り、ブラジル代表の守護神は空き番となっている「13」を付けることになるようです。
念願、心機一転、リスペクト。背番号を選ぶ理由、変える理由、断る理由はさまざまです。新しいナンバーを背にプレミアリーグを戦う選手たちに、私も思いを寄せています。代表を引退してアーセナル1本で勝負する29歳と、マンチェスター・ユナイテッドの左サイドでアグレッシブに仕掛けながらルカクのポジションを窺う20歳…2人の10番には、特に。
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