マディソン、メイソン・マウント…イングランド代表に抜擢された若きアタッカーたちに注目!
まずは、今回白羽の矢が立った「U-22」の顔ぶれを並べてみましょう(以下、数字は年齢です)。ベン・チルウェル(レスター/21)、ジョー・ゴメス(リヴァプール/21)、トレント・アレクサンダー=アーノルド(リヴァプール/20)、メイソン・マウント(ダービー・カウンティ/19)、ジェームズ・マディソン(レスター/21)、ハリー・ウィンクス(トッテナム/22)、ジェイドン・サンチョ(ドルトムント/18)、マーカス・ラシュフォード(マンチェスター・ユナイテッド/20)。ワールドカップロシア大会でプレイしたラシュフォードや、既にリヴァプールの顔となっているアーノルド&ジョー・ゴメスについては、新たな説明は不要でしょう。最高のサプライズは、チャンピオンシップのクラブから抜擢されたメイソン・マウント、現在の最注目はレスターでプレミアリーグ8試合3ゴール2アシストと大暴れしているジェームズ・マディソン、最も3年後が期待できそうなのはドルトムントで奮闘している18歳のジェイドン・サンチョではないでしょうか。
イギリスメディア「Squawka」が、チャンスメイクトリオと紹介した3人のなかでは、ジェームズ・マディソンが頭ひとつ抜けています。2016年2月にコヴェントリーからノリッジに移籍したアタッカーは、2017-18シーズンに公式戦49試合15ゴールという数字を叩き出し、この夏に2000万ポンド(約29億6000万円)でレスターに加わりました。さっそく2節のウルヴス戦でプレミアリーグ初ゴールを決めると、5節のボーンマス戦と翌週のハダースフィールド戦で連発。パスやシュートの精度が高く、今季プレミアリーグにおけるチャンスメイク15回は、イングランド人で最高の数字だそうです。岡崎慎司の出番が激減したのは、マディソンがヴァーディーの相棒として機能しているからでしょう。デル・アリが健在だったとしても、サウスゲート監督のファーストチョイスとなりえる存在です。
昨季のエールディヴィジで29試合9ゴールと結果を出したメイソン・マウントは、イングランドU-19代表でも16試合7ゴールと主軸として活躍。層の厚いチェルシーではなかなかチャンスが巡ってこず、新シーズンはランパード監督のダービー・カウンティにレンタルされました。チャンピオンシップで9試合3ゴール、カラバオカップで2試合2ゴールと得点力を発揮しているMFは、いずれプレミアリーグでプレイすることになるでしょう。コヴァチッチ、カンテ、ロス・バークリーのいるチームで、レギュラーポジションを確保するのが難しければ、ワトフォードに移籍したナサニエル・チャロバーと同じ決断をすることになるかもしれません。
マンチェスター・シティのエリート・デベロップメント・スカッド出身のジェイドン・サンチョは、ドルトムント移籍初年度の昨季はブンデスリーガで12試合1ゴールとまずまずのスタート。最後の4試合をフル出場で終えて、2018-19シーズンはレギュラー獲得が期待されたのですが、開幕からの6試合はすべて途中出場でした。スピードとテクニックを兼ね揃えた18歳は、7節のアウグスブルク戦のスタメンをきっかけに、次のステップに進むことができるでしょうか。クラブでのブレイクなくして、代表でのポジション獲得は叶わないでしょう。
1年前、イングランドがU-20ワールドカップを制した際は、ソランケ、ルックマン、カルヴァート=ルーウィン、クックが脚光を浴びましたが、今回選ばれた若手のなかに彼らがいないというあたりに、サッカーの母国が築いた若手の層の厚さを感じます。サウスゲート監督は、欧州の強豪との2試合で誰を抜擢するのでしょうか。レスターの10番がピッチに立っているのを観たら、テンションが上がるのですが…。まずは12日に行われるクロアチア戦のスタメンに注目しましょう。
おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!
最後の項に関しては層の厚さというより、その後のブレイクスルーの難しさを感じてしまいます。