引退発表から4日。ジョン・テリーがアストン・ヴィラのアシスタントコーチに就任。
マンチェスター・:ユナイテッドとのプレミアリーグ対決となった2007-08シーズンのチャンピオンズリーグ決勝で、ルジニキ・スタジアムのぬかるんだピッチに足を取られ、PKを失敗したシーンは今も頭の中で再現できます。気持ちの強さと統率力でチェルシーを引っ張ってきたテリーは、いずれどこかのクラブで指揮を執ることになるのでしょう。オールド・トラフォードで行われたカラバオカップ3回戦で、マンチェスター・ユナイテッドを倒したダービー・カウンティーのフランク・ランパード監督のスーツ姿を思い出しながら、テリーにふさわしいクラブに思いを馳せたのは、つい2日ほど前のことでした。「彼にはロンドンのクラブがよく似合う。フラムの監督になったら、チェルシーから声がかからなくなるのだろうか」等々。
テリーのセカンドキャリアについて、現地メディアが報じたのは、引退発表から4日しか経っていない10月11日でした。招聘したクラブは、プレーヤーとして最後のシーズンを過ごしたアストン・ヴィラ。肩書きはアシスタントコーチです。1982年にチャンピオンズカップを制した名門は、私にとっては「トゥアンゼベがお世話になっているクラブ」でもあります。プレミアリーグファンにおなじみの選手は、ニール・テイラー、アーメド・エルモハマディ、ジャック・グリーリッシュ、ヤニック・ボラシェ、タミー・アブラハムあたりでしょうか。プレミアリーグで出番が見込めない選手を集めたヴィラは、今季こそ復権のチャンスと力が入っていたのだと思われますが、連勝スタートの後は勝ち切れない試合が続き、3勝6分2敗で中位に停滞。10月3日にスティーヴ・ブルース監督を解任し、ブレントフォードから若き指揮官ディーン・スミスを引き抜いて後任に据えたばかりでした。
「ジョンはイングランドのフットボールシーンにおいて、最も輝かしいキャリアを持つ選手のひとりだった。クラブとの密なリレーションがあり、ディーンの下で新たなキャリアを始める準備ができていた」。ヴィラのクリスティアン・パースロウCEOは、トップクラブで長年戦ってきた経験を買ったようです。勝手知ったるクラブで指導者としてノウハウを蓄積し、いずれはマネージャーとして現場を仕切るというのが、テリーが描く青写真でしょう。
「人生における次のチャプターに対する準備はできている。未来がどうなるか見てみよう。選手として実現した成功の半分でも、手に入れられればうれしい。フランク・ランパードはいい仲間だ。先日、彼を見た。将来的には監督になれればと願っているけれど、時間がかかるだろうね」
ランパード、ジェラード、テリー、ギグス、アンリがプレミアリーグのクラブの監督として、鎬を削る時代がやってくるのを楽しみにしましょう。最初にゲートをくぐるのは、チャンピオンシップで8位につけているダービー・カウンティーの指揮官でしょうか。2000年代にリーグを盛り上げてくれたレジェンドたちの指導者としての成功と、ジョン・テリーの素晴らしい未来を祈念しつつ、この稿を締めさせていただきます。
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