地元メディアが指摘する「武藤嘉紀の苦戦の理由と、変わらなければならないこと」
現在のニューカッスルが採用している布陣は、3-4-2-1あるいは5-4-1。サイドにはイェドリンとマット・リッチーというスペシャリストが定着しており、最前線のサロモン・ロンドンの脇には、中央でストライカーを助けながら自ら仕掛けられる選手が起用されています。ファーストチョイスは、プレミアリーグ30試合6ゴールのアヨゼ・ペレス。冬のマーケットでクラブレコードの2000万ポンドを支払ったミゲル・アルミロンは、ベニテス監督が獲得を熱望していたといわれる得点力が高いプレーメイカーです。彼が2月に合流してからのプレミアリーグ6試合は3勝2分1敗と好調で、開幕から10試合勝利なしだった頃とは別なチームに仕上がっています。
マン・ユナイテッド戦でゴールを決めた後、3試合連続でスタメンだった武藤嘉紀は、サイドに流れるプレイが多く、サロモン・ロンドンをサポートできませんでした。プレミアリーグの屈強なCBに負けないフィジカルを備えているのか、ここぞというシーンで身体を張ってボールをキープできるのか、ベニテス監督には線が細いサイドアタッカーに見えたのかもしれない…。ワントップでも2列めでも結果を出せなかった武藤は、アヨゼ・ペレスやクリスティアン・アツに取って代わられ、2度の負傷とアジア大会参加によって巻き返すための時間を得られないまま、完全に居場所を失いました。
私は、武藤がフィットしない理由をベニテス戦術とプレースタイルのギャップに求めていたのですが、冒頭で紹介した地元メディアは別な目線で捉えています。「最大の問題はコミュニケーション、進化してはいるが流暢とはいえない英語」。バイタリティスタジアムのボーンマス戦で82分に武藤を投入した指揮官は、「いつもながら懸命にワークし、相手の選手を追いかけ、スペースに走ってくれた。われわれが期待していたとおりにね」とコメントし、「ゲームやトレーニングセッションにおいて、彼の力を懸念する者はいない」といい切っています。
「彼は英語のレッスンをしており、チームメイトとの相互理解はより進んでいると思う。今までよりはるかにいいコミュニケーションができるようになった」
なるほど。ベニテス監督は、英語がうまくない日本人ストライカーが、ピッチ上で連携が取りづらいことを問題視していたのですね。「セカンドストライカーとして機能するはずの武藤が、サイドでしか勝負できないという烙印を押されている」のだとばかり思っていました。指揮官が、彼の勝負は来季と期待し続けてくれれば、持てる力を発揮できる時が来るでしょう。2018-19シーズンの残り試合は7つ。少ない出場機会で爪痕を残し、もう1度アヨゼ・ぺレスに勝負を挑んでいただければと思います。「クロニクル・ライブ」は、ベニテス監督のこんな言葉で記事を結んでいます。
「It’s just for me to know that he knows about the other players around, and in this case Almiron came and is doing well, so Muto just has to carry on competing.(わかっているよ。彼は周囲の選手を理解している。でも今はアルミロンが来てうまくやっているから、ムトウは競争を続けなければならない)」
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