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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

リヴァプール公式サイトが「モハメド・サラーの2年」をスタッツで回想…感懐深い!

リヴァプールの公式サイトが、「モハメド・サラーの2年」と題して、押しも押されぬエースの足跡を印象的なスタッツを並べて紹介していました。かつて「エジプティアン・メッシ」と呼ばれた稀代のドリブラーが残した数字を眺めていると、「リヴァプールの復活は彼なくして実現しなかった」とあらためて感じます。公式戦104試合71ゴール29アシスト、プレミアリーグ74試合54ゴール18アシスト。入団初年度にPFA最優秀選手となり、2シーズン連続でリーグの得点王に輝いています。

プレミアリーグを1敗で走り抜け、チャンピオンズリーグを制した2018-19シーズンの躍進は、マネ、フィルミーノ、ワイナルドゥム、ミルナー、ヘンダーソン、ファビーニョ、ロバートソン、アーノルド、ファン・ダイク、アリソンらがひとり欠けてもなしえなかったように思えますが、前年からのサラーのブレイクが重要なキーポイントだったと表現しても違和感はないでしょう。

2017年の夏、当時のクラブレコードとなる3690万ポンドでローマからの移籍が決まったとき、素晴らしい補強と書いてレッズやチェルシーのサポーターに叱られたことを思い出します。私がサラーというタレントに強いインパクトを受けたのは、バーゼル時代のチェルシーとの3試合でした。2012-13シーズンのEL準決勝セカンドレグでは、要塞スタンフォード・ブリッジで先制ゴール。翌シーズンのCLグループステージでも、先制ゴール2発でプレミアリーグのビッグクラブ相手にダブルを喰らわす導火線となりました。当時の印象は、メッシというより「レフティのシェフチェンコ」。ディナモ・キエフ時代にバルセロナやレアル・マドリードを屠る原動力となったスピードスターの姿が、直線的にゴールに斬り込むエジプトの若手有望株にオーバーラップしました。

類まれなる才能を目の前で見せつけられたチェルシーが、2014年1月に契約寸前だったレッズから強奪するように契約を勝ち取ったものの、アザールやウィリアンがいるチームは本人が望むように出場機会を与えられず。プレミアリーグ13試合2ゴールという冴えない戦績を残して、フィオレンティーナにレンタルされたサラーは、最初の7試合で6ゴール1アシストと復活します。2015年にローマに移ると、2シーズンでセリエA65試合29ゴールという活躍を見せ、以前に振られたリヴァプールが2度めの恋を成就させたのでした。

当時の相場でも3690万ポンドは安いと感じたのですが、サラーに批判的だった方々はチェルシー時代の残像を拭えなかったのでしょう。「抜けるドリブルではない」「奪われても追わない」「守備をしない」。とりわけモウリーニョファンの言葉が激しく、なぜこんなに叱責を受けなければならないのかと戸惑いましたが、あれから2年が過ぎました。バーゼル時代よりも素晴らしい選手となったサラーのスタッツには、感慨深いものがあります。

決して私が正しかったなどといいたいのではありません。何しろ八方美人ゆえ、メンフィス・デパイも推していたのです。サラーについていえば、好きなタイプだったのでセリエAでの活躍をチェックしており、「人間は変わるもの」「フットボールの世界では、未来は常にわからないもの」と自分にいい聞かせながらプレミアリーグでのリベンジを期待していたのでした。前評判は高くなかったけれど、密かに思いを寄せていた選手が大ブレイクしてくれると、こんなにうれしいものなのだなとあらためて感じる次第です。

「リヴァプールで、ユルゲン・クロップと出会えてよかったですね…」。南国で過ごすバカンスで、巨大な魚を右手に握りしめて満面の笑みを浮かべている27歳の写真を眺めながら、ついひとりごちた週末の朝なのであります。トランスファーマーケットが盛り上がる季節。続々とプレミアリーグに参入してくる若い選手たちから、次のサラーが出てきてくれればと楽しみにしています。

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“リヴァプール公式サイトが「モハメド・サラーの2年」をスタッツで回想…感懐深い!” への10件のフィードバック

  1. わたぴこ より:

    私はmakotoさんの太鼓判が嬉しくて、守備の意識が芽生えてから更に毛深くなったサラーに期待すると、makotoさん擁護派でしたよ(笑)
    最初はビッグチャンス外しまくりでどうなるかと思ったファン多数でしたが、とんでもない選手になってしまいましたね。makotoさんとクロップの目利きに脱帽です。ロバートソンも素晴らしかったですね。今年も彼らのような選手獲得に期待します。

  2. プレミアリーグ大好き! より:

    104試合で71ゴール29アシストってほぼ毎試合ゴールかアシストしてることになるのか…。すごいなあ。
    最近フィルミーノとマネを評価する声が大きくて、実際その二人もとても重要な選手なのだけど、やっぱりリバプールのエースと言われるとサラーかなと思う。

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    当時、makotoさんが「サラーを5000万£以下で獲得する最後のチャンス」と仰っていたのを思い出します。 
    批判的なコメントが並んでいたのも。

    今やその倍の価格でも彼を獲得はできないでしょ。

  4. アイク より:

    更新ありがとうございます。
    ビッグ6からの得点こそ少なかったですが、今年も脅威であり続けましたね。
    以前makotoさんが書かれていた通り、サラーへの徹底マークを逆手に取り、右で引きつけて左のマネに決めさせる形が活きていました。しかもマネのゴールシーンを見返すと、きっちりと詰めているサラーの姿が…!

  5. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    サラーはレッズサッカーになくてはならない存在ですね。
    チェルシーに移籍した時はレッズが脆かった時代だったので、今レッズにいる事が良かったと思ってます。もちろんあの時の移籍は悔しい思いもありましたが(笑)
    新シーズンも期待してます!

  6. プレミアリーグ大好き! より:

    言っちゃ悪いがここのコメ欄クソにわかだらけ
    リヴァプールの移籍市場ネタでやっぱり大型補強を期待してしまう!とか書いてるアホがいるくらいだし

  7. プレミアリーグ大好き! より:

    チェルシーは金出せば良い選手もライバル相手でも売ってくれてそのほとんどの選手が活躍してるのにそれでも売っちゃう印象しか無いからフィオレンティーナ以降有名だったサラーがそんなに叩かれてたって意外だ
    逆にユナイテッドに行った選手(マタ、ルカク、マティッチ)が中堅の良い選手止まりで伸びない環境なのがユナイテッド没落の原因かなと思ってる

  8. makoto より:

    みなさま>
    サラー、大当たりでしたね!

    クソにわかなどという方は、どうぞよそへ。他の方を中傷するのはやめていただきたいので。
    できるだけ多くの方に楽しんでいただければと考えてますので、マニアックなことを書くときも話題のネタに触れることもあります。昨季のリヴァプールを見て、大型補強を期待する向きも的外れではないと思います。CL、トップ下、得点力があるインサイドMFにワールドクラスをという考え方があるから、コウチーニョ復帰という(今のところ)ゴシップがお話として成立するのだと思います。

  9. プレミアリーグ大好き! より:

    クロップ自身が「散財」という言葉を使って補強を肯定し、クラブには予算があり、ヨーロッパチャンピオンという魅力的な肩書きまである。
    レギュラー陣に穴らしい穴はないものの、リバプール史上最強のチームが挑むのは、プレミアリーグ史上最強のペップシティ。
    オプションは多いほうがいいし、選手層も厚いに越したことはない。
    今年のレアルに比べれば大した額にはならないだろうけど、1億ポンドほど使う夏になっても不思議はないと思うが、果たしてそんなものないと断言して他人をニワカ呼ばわりして大丈夫かな?

  10. てっぺ~ より:

    シェフチェンコめっちゃ懐かしいですね~
    サラーもチェンコのような似たタイプですが、個人技だけでなく今の時代のチームにマッチした頭脳も持ってますよね

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