イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

このまま去るのか…ベンチ外が続くメスト・エジルに思うこと。

「エジルはいなかった。アーセナルにおける彼のキャリアは終わりだろう。彼よりも多く試合に出場すべき若手がいるからだ」。クラブOBのレイ・パーラーさんが、プレミアリーグで7シーズンめを迎えた稀代のプレーメイカーに居場所はないと喝破しています。30歳になったメスト・エジルの出番は、最下位ワトフォードとのドローゲームと、5-0で圧勝したカラバオカップのノッティンガム・フォレスト戦のみ。いずれもラスト15分を待たずに若い選手にポジションを譲っており、時折見せるサイドへの鋭いパス以外にトピックスはありません。

2015-16シーズンにプレミアリーグ35試合6ゴール19アシストという出色の数字を残したレフティも、エメリ体制初年度の昨季は24試合5ゴール2アシストと完全に停滞。アグレッシブなパスを連発し、存在感を示したのは9節のレスター戦ぐらいで、ハーフライン付近まで下がってセーフティなパスをまわすだけの姿が目立ちました。1年半前、ワールドカップロシア大会を控えて母国で囂々たる批難にさらされた10番は、メンタルコンディションが回復すれば復活すると信じていたのですが、若い選手をチーム内外からピックアップしたエメリ監督の評価は下がり続けているようです。

マンチェスター・ユナイテッドと引き分けたプレミアリーグ7節も、スタンダール・リェージュを4-0と問題にしなかったELも、エジルはベンチの外。ウィロック、ネルソン、マルティネッリといった若手だけでなく、放出候補筆頭といわれていたムスタフィまで出ているゲームで18人のメンバーに入れないとなると、これは事件です。「スカイスポーツ」が、指揮官のコメントをレポートしていますが、今までこれだけはっきりいったことはありませんでした。「毎試合ベストなメンバーを選ぼうとしている。彼を起用しないと決めたときは、他の選手の方がふさわしいと判断したからだ」。昨シーズンは、同様の質問に対して「戦術的理由」と言葉をにごしていたエメリ監督は、司令塔がチームを離れることに何の怖れも感じていないようにみえます。

オーバメヤンとラカゼットの2トップなら、右サイドかダイヤモンドの頂点。ニコラ・ペペやサカを起用する4-3-3ならインサイドMF。エジルが活躍できるポジションにおいては、ダニ・セバージョス、ウィロック、ネルソンの優先順位が上なのでしょう。「デイリー・メール」「デイリー・ミラー」は、エジルは1月に放出される可能性があると報じています。最大のネックは週給35万ポンド(約4600万円)の高額サラリーですが、ガナーズはその一部を負担してでもベテランMFをリリースする意向を固めたといわれています。

「彼はトレーニングを続ける必要がある。明日はELに出場しなかった選手とやるよ」。指揮官の厳しい言葉を、エジルはどう受け止めているのでしょうか。ガナーズとの契約は2021年6月までとなっていますが、もうひと花咲かせたいなら、できるだけ早く新天地を見つけたほうがよさそうです。プレミアリーグに残るなら住み慣れたロンドンのウェストハムか、あるいはうるさくなりそうな母国を避けてトルコやイタリアか。大好きな選手の復活を期待していたのですが、いよいよ腹をくくらなければならない時が来たようです。

2013年9月2日、デッドラインデー。レアル・マドリードからエジルがやってくると聞いたとき、「アーセン・ヴェンゲルのフットボールにいちばんフィットすると思っていた最強プレーメイカーが本当に来るとは!」と盛り上がったことを思い出します。このまま寂しくクラブを離れることになったとしても、数々のエキサイティングなゴールとアシストを忘れたりはしないでしょう。アーセナルは変わった。そして彼も変わってしまった。しばらくは静かに、成り行きを見守るしかありません。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“このまま去るのか…ベンチ外が続くメスト・エジルに思うこと。” への10件のフィードバック

  1. エミリー より:

    毎回、楽しく拝見してます。
    オーバとぺぺとエジルのカウンターで簡単に点が取れると思ってしまうのは自分だけでしょうか。
    セバージョスとエジルのパスワーク。
    SBを裏へ走らせるパス。まだまだエジルに夢をみたいです。

    —–
    同感です。今のエジルの姿は本当に寂しい。EL決勝での姿に、彼と別れる日が近いかもと感じたグーナーも多くいたことでしょう。
    ただ、もやもやするのは、なぜ、エジルが活躍できないのか理由が良くわからないこと。
    序列が下がったのはもはや明らか。
    ただ・・・なぜだという疑問が拭えません。

    戦術と言われても、エジル程の能力・経験を持ってすれば、多少のアレンジはできるのではないかと思ってしまいます。
    幾多の監督・戦術に合わせて生き残ってきたので。

    王様すぎて守備・チェックをできない・しないのか
    強情それとも信念を貫いているの?

    もやもや解消のために、その謎だけ、早めに明かして欲しいものです。
    (チームの事を思えば、はっきりと明かせないかもですね)

    —–
    エジルの話題は、負の感情しか出てこない(泣)
    週給4600万という、エメリ監督にとっては先代監督からの負の遺産と化した天才の実状は、一体どうなってるのか?
    モヤモヤしか出てきません(泣)

    まあ、まともに考えても、エメリ監督の目から見るとマイナス採点だからベンチにもいないのであって、この扱いに不貞腐れてしまってるのなら、やはりエジルはアーセナルにとっては、そこまでの選手ってことだと思います。
    でも、仮に違う監督ががアーセナルを指揮するとしたら、彼は使ってもらえるクオリティにあるのか?
    そのへんが知りたいんですよねぇ。

    なんか、移籍するならしたで、そこでは大活躍するとかいうような、ムカつくことをしそうな気がしますけども(泣笑)

  2. ぐなです より:

    エジル信者みたいなものなので偏った意見になることを承知ですが。

    エメリは、エジルが思っているよりもファンに愛されていることは分かっているのでしょうか?
    エジルを試合に出さないのはかまいません、監督の権利ですから。
    ですが、出さないなら出さないで、明確に勝率をあげる、もしくは魅力的なフットボールをみせてくれるなどしないと、そりゃいつまでたっても「エジルはなんで試合に出さないの?」と突っ込まれ続けるでしょう。
    このままエジルを放出して、なおかつ結果が出なかった場合、いくら気長なファンとはいえエメリに対する逆風が吹き始めるような気がします。

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    エジルが試合にも出れないというのは時代の流れを感じます。
    技術だけなら今でもチームトップだとは思いますが現代のサッカー、とりわけプレミアリーグでは、守備をしないファンタジスタよりも攻守にバランスよく参加できる選手のほうが好まれますからね。
    仮にエメリが解任されたとしても後任がエジルを使う可能性は低いと思っています。

    ただ僕もエジルの魔法のようなパスは大好きなのでリーガあたりで活躍してほしいところです。

  4. エミリー より:

    でも、ベンチ外ってのは、さすがに嫌がらせに近いものがありますよねぇ。
    外されるほど悪いパフォーマンスではないし。
    ぐなですさんのご意見通り、そもそも今のチームの中盤も相当ひどいですからね。
    ドイツ代表で、下がり目でやってたような使い方も、試してみたら?とかは思います。
    トレイラと並ばせて、ペペを走らせるパスを出させるとかねぇ?
    私が監督なら、ジャカ使うよりは、そうします。

  5. 海苔助 より:

    リケルメ徹底的に干し上げて練習参加まで拒否したペジェグリーニ思い出されます。
    そのシーズンは不振に陥りましたが、次シーズン以降カソルラやセナを中心とした魅力的なチームを作り上げ、バルサを差し置いて優勝争いしまして
    金玉の付いてない選手は要らないということなのでしょう、個人的にはドイツかトルコへのレンタルと見てます

  6. グナ より:

    何がエジルに起きてるのか理解出来ません。エメリのエジルに対する対応はあまりに理不尽で信じられません。こんなことを意図してやってるなら、先に出て行くのはエメリであって欲しいし、今のアーセナルを純粋に応援する気にならないです。

  7. プレミアリーグ大好き! より:

    エジル抜きで、毎試合昨シーズンのレスター戦の
    ような試合が出来るのであれば、誰も文句は
    言わないでしょう。
    で、実際はというとほぼほぼ個人技頼みの
    得点と、相手の不甲斐なさに助けられて勝ち
    点を拾っている状況です。ヤンガナに可能性は
    感じますが、あくまで格落ちの相手です。
    選手をやる気にさせるのも指揮官の仕事で
    あり、また働き易くするも指揮官の仕事です。
    守備出来ないアンカーに気合しかないCB、
    まともに前に運べず精度低いパスばかりの
    中盤では、どうしようもないでしょう。
    個人的には、指揮官が無能という結論です。

    —–
    ボールをドタバタ追いかけ回したり、タックルしまくることだけが、ハードワークと献身の証なのでしょうか。
    現在の転がり落ちるような失意の日々は全て彼自身が招いたものだと思われます。それでも私にとって勝とうが負けようがプレイが見たい、そう思わせてくれる稀有なプレイヤーです。ケーキの飾りだなんてとんでもありません。適切なポジショニングとパスが同じようにできる選手が他にいるとは考えられない。球の流れを読む力が他の選手を遥かに凌いでいるように見えます。
    残念なことにアーセナルに来てからは批判ばかり。ありったけの思いを注いだドイツ代表は轟々たる非難を受けて追われました。この痛みは生涯消えない類のものであり、引退声明はエジルにとってプレイヤーの終わりに等しいものではなかったでしょうか。この状況でもう一度輝くなどよほどスーパーな人でない限り無理な話です。ここはひとつ勇気ある撤退をして、どうかもう一度フットボールへの情熱を取り戻して欲しいです。

    —–
    単純に移籍して欲しいから、全く使わないのでしょう。
    アーセナルの問題は給与の高騰にありますから、正しいと思います。

  8. プレミアリーグ大好き! より:

    エジルも好きだけど、オバメ、ラカ、ぺぺのスリートップにセバ、トレイラ、グエンドゥジが今後ベストになってくると思う。
    かといってあれだけの高給取りをスーパーサブで使うのもね。
    年齢的にも下り坂だし、早く切りたいという判断も間違ってはいない。
    ベンゲルには絶対できなかった非情な決断だけど、クラブが成長するためには間違いなく必要な決断でもあると思う。

  9. どど より:

    いつも楽しく拝見させて頂いております。
    が、エジルファンとしては辛い日々が続いており(泣)勝ったゲームを見てもこんなんで良いの?と思うばかり
    ベンゲル時代のパス&ムーブが好きだったので、今の出会い頭の出たトコ勝負のワンワンプレーは受け入れる事が出来ません。
    これも時代の流れなんでしょうが、例え負けたとしても面白かったと思えるゲームをするチームってそうないので、残念で仕方ありません。
    エメリは論外としてフロントでこんなに変わるんだと悲しくなります。
    管理人様にもこれは同調頂けるかと思いますが(泣)

  10. ガナユ より:

    ヴェンゲルは能力疑われてはいましてが、天才と呼ばれる選手達を腐らせた事は殆どないんじゃないか?

    ヴェンゲルに足りなかったのはディフェンス構築だけや、、、、俺の好きなアーセナルはこういう尖った選手が常に輝いてた気がする。エメリまじ頑張れ

コメントを残す