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プレミアリーグ9月表彰はオーバメヤン&クロップ!天才ストライカーのベストゴールは…⁉

プレミアリーグ2019-20シーズンの9月表彰は、それぞれ文句なしでしょう。MVPはピエール・エメリク・オーバメヤン、最優秀監督はユルゲン・クロップ。プレミアリーグ4戦5発のストライカーと、アウェイのチェルシー戦を含む3戦全勝の指揮官の受賞に、異論をはさむファンはほとんどいないのではないでしょうか。

ガナーズのエースのライバルは、1ゴール3アシストのデブライネ、2ゴール2アシストのリヤド・マフレズ、不振のチームで2ゴール3アシストと気を吐いたソン・フンミン、チェルシー戦でゴールを決めたアレクサンダー=アーノルド。8-0圧勝のワトフォード戦で荒稼ぎしたマン・シティ勢に対して、全試合ゴールのオーバメヤンが継続性で上回ると判断されたのでしょう。4勝3分1敗で3位につけているガナーズは、単純にオーバメヤンのゴールを抜くと、1勝3分4敗で降格ゾーンです。

サンテティエンヌで頭角を現したオーバメヤンは、9シーズン連続で2ケタゴールを続けており、ドルトムント時代の2016-17シーズンに32戦31発でブンデスリーガ得点王。翌シーズンにはドイツとイングランドでそれぞれリーグ戦2ケタゴールという快挙を成し遂げており、昨季は36戦22発でプレミアリーグでも得点王に輝いています。

若い頃は、快足ウインガーという言葉がぴったりでしたが、ガナーズでのプレイはワンタッチゴーラーと表現したほうがしっくりきます。1試合あたりのシュート数はハリー・ケインやアグエロに劣るのですが、オンターゲット比率が高く、入団初年度から今季までを順に並べると61%、43%、44%。ショットコンバージョン26.2%は、2018年1月以降のプレミアリーグでTOPの数字です。

9月のゴールシーンを振り返ると、最大のトピックスはヴィラ戦の決勝FKですが、いかにもオーバメヤンらしい一撃を選ぶなら、ワトフォード戦の2点めです。ジャカに預けて前線に上がったストライカーは、エジルがメートランド=ナイルズにスルーパスを通した瞬間、ボールを見ていたドーソンの裏からすっと抜け出し、ノーマークでイージーなボレーを突き刺しました。

DFの間に入ってマークの責任を曖昧にする動きや、サイドにボールがまわってからクロスが入るまでの速度計算が、天才ワンタッチゴーラーの真骨頂です。劣勢の時間帯には、20分以上消えっぱなしも珍しいことではなく、たびたびグーナーをやきもきさせますが、急転直下の鮮やかなゴールシーンを見せつけられれば、待ってましたの大歓声。沈黙と激動のコントラストはエミレーツあるある、高額のチケット代を納得させる極上の予定調和です。

プレミアリーグ57試合39ゴール、9アシストに10回のビッグチャンス創出という通算スタッツは、ひとたびピッチに立てば必ずグーナーを盛り上げてくれることを示しています。先にこれらを見せられると、決定機逃し33回という数字に出くわしても「どれだけチャンスに絡むのか」とポジティブに受け止めてしまいます。アンリ、クリスティアーノ・ロナウド、モー・サラーなど、2000年以降の欧州サッカーではウインガー出身のストライカーが幅を利かせていますが、フィジカルの強さやスピードだけに依存するタイプではないオーバメヤンは、あと5年は第一線で活躍するのではないでしょうか。

「一緒にやってた頃から4年経った。オーバはマジで弱点がないんだ。あのファッションセンスを除けばね」と評したのはユルゲン・クロップ。素晴らしい記録を残して9月を駆け抜けた2人に、あらためて拍手を送りましょう。FIFA最優秀監督のほうは、「個人賞には興味がない」とはにかむ顔が目に浮かびますが、プレミアリーグ17連勝&開幕8連勝は快挙ですので、おとなしくほめられておいていただければと思います。

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