昨年まではゼロ、しかし今年は3枚めのレッド…どうした、ソン・フンミン!
「トニ(=リュディガー)が試合後に、われわれが見聞きした大きな出来事について投稿しなければならないような状況で、彼の誠実さを疑うなどというのは失望に値することだと確信している。解説や試合後の反応を聞くと、ソン(・フンミン)の事件はレッドカードだったようだ。今日では、レッドカードをもらうようなプレイを正当化するのは決して冷酷だからではなく、本能的にそうするのだろう。それでも、かなりはっきりしていることがある。トニの誠実さに疑問をさしはさむ余地はないということだ」(フランク・ランパード)
モウリーニョVSランパードの代理戦争と化した日曜日のトラブルは、リュディガーの胸を両足で蹴り上げ、一発レッドとなったソン・フンミンの3試合出場停止という形に着地しました。0-2という劣勢の状況で、逆転をめざすチームを不利にしてしまったアタッカーには、突如強いられたニューイヤーズデーまでの冬休みに、しっかり反省していただければと思います。負傷につながりかねないラフプレーや非紳士的行為は、咎められるべきです。FAに異議申し立てを行ったトッテナムと、リュディガーを非難するという過剰防衛に打って出たモウリーニョ監督は、チームにとっての最善を尽くしただけであり、私たちから見えないところで本人を諫めているものと理解しています。
彼に限らず、選手たちが犯してしまったさまざまな過ちについて、人種や国籍と結び付けて非難するのは慎むべきと考えます。私たちの国は、「日本国民全員の期待」といわれる重い圧力に押しつぶされたアスリートが自死を選ぶという悲しい歴史を繰り返してきました。デヴィスカップで敗れたことを苦にして、1934年の春にマラッカ海峡に身を投げた佐藤次郎さん。走れないという絶望を遺書で表現することしかできずに、1968年に命を絶った円谷幸吉さん。深田祐介さんの「さらば麗しきウインブルドン」や、沢木耕太郎さんの「長距離ランナーの遺書」といった素晴らしいノンフィクションに出会ったのは学生の頃でしたが、今も折に触れて読み返し、そのたびにため息をついています。
ひとりが発する声は微力でも、10万人が揃えば大きなうねりとなり、時にアスリートの心を突き刺します。私が歴史から学べるのは、選手たちを常に個のアスリートとして評価し、尊重すること。人の心を無条件に傷つけるような激しい表現を使わないこと。自分の言葉が、望まない集団の暴力的な批難に加担してしまう可能性があることを自覚しようと努めています。
話が逸れました。ソン・フンミンに戻しましょう。私は、彼を心配しています。「ひとりの選手が1年で3回も退場処分を受けたのは、2010年のリー・カッターモール以来」と報じられていますが、2017-18シーズンまでの彼はまずまずクリーンな選手だったのです。スパーズに入団した初年度の2015-16シーズンはカードゼロ。翌シーズンにプレミアリーグでイエロー2枚、18ゴール11アシストという出色の数字を残した2017-18シーズンはFAカップでイエロー2枚。ここまでは、ラフプレーが話題になる選手ではなかったのですが、2018-19シーズンはプレミアリーグとCLで5枚のイエローカードをもらい、37節のボーンマス戦ではレルマを後ろから突き飛ばしてスパーズでは初のレッドを突き付けられてしまったのです。
2019-20シーズンの最初の2試合を、サスペンデッドで始めたアタッカーは、2度にわたるトラブルをクローズアップされています。アンドレ・ゴメスを長期離脱に追いやってしまったエヴァートン戦のタックル。このシーンは、見た目はボールを追った結果として起こったトラブルではあったのですが、リュディガーを蹴り上げた今回は情状酌量の余地はありません。昨シーズンの後半から続いたチームの不振により、ストレスが増幅したのでしょうか。前回のファールの後に受けた「感情をコントロールできないのではないか?」という疑念の声を打ち消すためにできることは、ラフプレーのない日々を積み重ねるしかないのはわかっていたはずです。
プレミアリーグにフィットできずに苦しんでいた最初のシーズンに、思うような結果を出せずともカードをもらうような振る舞いがなかったソン・フンミンには、耐え続けられたあの頃を思い出してほしい。今のあなたは、バロンドールの候補に選ばれるほどのスターです。次の出番は、ボロと戦うFAカップ3回戦でしょうか。左から斬り込んで放つ素晴らしいシュートと、走り続けることを厭わず仕掛けるフェアなプレスを見せてくれればと期待しています。もう、やらないでね!
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更新お疲れ様です。
素晴らしい文章ありがとうございます。
日本のネットでは、余りにも簡単に特定の国に対して差別的な言葉を吐きすぎだと思います。
他の国の状況は存じませんが、これは、精神的に未成熟な方が簡単に発信できること、島国ゆえの人種に対する教育の遅れ、無頓着さ、いまだにネットを匿名と勘違いしている人が多いということが原因かと思われますが、正直うんざりします。
現実で言ってはいけないことをネットでは平気で言って良いなんてルールはありません。
ネットの中傷、罵詈雑言でたくさんの人が亡くなっているという事実を理解してほしいです。
あなたが加害者になっているのかもしれないのですよ
カードの後に被害者のように泣いたのが2回続いた事が、反感を大きくしている気がしますね。
今シーズン中に後一回同じことがあれば進退に関わるかもしれません。
同感です。そして1さんにも心から同感です。
SNS上でのストレス発散が生き甲斐のようになってしまっている方が日本には多いこと多いこと、、
匿名だからこそ、失う物は何もない、見つからない、罰せられないと考えてしまう短慮が原因でしょうが、罰せられるケースも徐々に増えてきていますし、何より発信前に自分を客観視したいものです。
例の管理人様の記事の荒し行為も、クリスマスイブに俺何してるんだろ、、となればいいのですが。。。
一般的にスポーツの世界で特定の国を差別的に扱うのはもちろん大問題。ただ、背景というものも一考すべきかと。一般的には隣国がどういった国であるかは知られていません。しかし我々日本人は特に身をもって実感している。特に偏った報道ばかりするテレビを見ないネットユーザーであればこそそう言った事実を知っている。隣国こそサッカーの試合に政治的なプラカードを持ち込んだりしたのはつい最近。とあるサッカー選手は日本人を侮辱する行為の後に「日章旗が見えたから」などという意味不明な言い訳をし、国全体がこれまで何にも言わなかった日章旗を戦犯旗だ!と言い出す始末。歴史歪曲や反日教育をするくせに、こういった事実を言うだけでもヘイトだの差別だの扱いをされる。ストレス発散?事実を述べているだけの人も沢山いますよ。だだし、罵詈雑言は控えて冷静に発言する必要があるのはご指摘の通りだと思います。
ソン自身はこれまでクリーンで素晴らしい選手。ただ、隣国のイメージを損なうプレーをすることは誰も望んでいません。火病とかいうものが存在すると言いますが、こういったのも該当するのでしょうか?
ソンフンミン選手はお気に入りの選手の一人ですが、今回のことは特にがっかりです。序盤のスパーズの不調や監督交代、きつい日程などストレスの溜まる環境ではありますが一度自分を見つめ直して冷静になって帰ってきてほしいです。
4さん、「国民性」というものにどこまで論理的な説得力があるのか私には疑問ですが、一つ主張したいのは「ネットユーザーはフラットである」というのはかなり疑わしいのではないかということです。基本的にインターネットはユーザー側から情報の取捨選択をするものであるがゆえにユーザー自身の客観的に物事を見る能力が必要とされます。果たして皆が皆そうした能力を持っているのか私にはわかりません。
差別的な言葉を吐き出すのは良くないですが、そういう言葉を吐き出す人の数も、口汚さも、おとなりさんのほうが数倍強烈ですよ。
ていうか、国家をあげて日本を差別してるのをご存知ないのですか?
日の丸、首相の顔写真を燃やして踏みつけるようなデモを、しょっちゅうやってるのが相手なのをお忘れなく。
特定の国に対して、差別的な言葉を並べる奴の多いことって。
それ、まんまおとなりさんに言わなきゃいけないことなんですが。
民放の偏向報道ばかり見て、国際意識を持った気になっていてはいけませんよ。
サッカーの記事とは関係ない書き込みをしてしまいました。
申し訳ないです。
※1 欧米の人種差別は日本の比ではないと思います。島国的な偏見で逆差別をするのはやめてください。これは世界的な問題で日本人が反省すればすむ問題ではありません。
ソンについては皆さんの仰る通りで、変わらないと「烙印」を押されてしまいそうです。
むしろ、考えさせられたのはネット社会の功罪の面で、匿名性を良いことにこれだけ攻撃的な発言、罵詈雑言の応酬を見せられると、今の社会って良くなってるのか悪くなってるのか分からなくなります。議論が出来ない、成り立たない仕組みになっている。
せめてこのブログでは相手を尊重して、ユーモアも交えて、少し緩めの話をしたいです。makotoさん引き続き頑張って下さい。
先程は余計なコメントして申し訳ありません。二国間での話題ならまだいいですが、プレミアリーグやこのブログの土俵にして発言するのは今後控えておこうと思います。それがブログ主さんの願いでもあると後になって感じました。
前出の書き込みについて補足しますと、私が攻撃的とか罵詈雑言の応酬と表現したのは今日の皆さんの書き込みについてではなく、ネット全体でのこと、およびこのブログでも残念ながらたまに起きていることについてです。
読み返してて誤解を与えるのではと心配になり補足させてもらいました。文章って難しいなあ。
いままでカードをもらってなかったのはチームの調子がよかったからで負けはじめるとプレーが荒くなる印象があります。
一年で三回のレッドというのは常識の範囲を越えているので今。色々叩かれてることで変わっていって欲しいですね。
※1
他人の差別を批判するためにあなた自信が新たな差別を生み出していることをお忘れなく。
みなさま>
いつも多様なご意見をいただき、大変感謝しております。
私の見解は記事で書いた通りなのですが、少しだけ付記させていただきます。
日本と韓国の間に難しい問題が横たわっているのは、みなさまもご存じのとおりで、私も人並み以上には情報をインプットしているつもりです。テレビが偏向報道かどうかは、立場によって解釈が異なり、「ネットのほうが詳しい」とはいえても「正しい」かどうかは、どんな情報を受け取り、どう判断したかによって異なるのだと思います。
それでも明快にいえることがあるとすれば、
「相手が悪いという理由が、自分たちが罵詈雑言を並べたり差別的な発言をしたりすることを正当化しない」
「ある選手の発言や行動は、国を代表すると明示されたり特定の国を対象としていたりするものでなければ、個人のものとして解釈・評価されるべきである」
ということだと考えています。
言い換えれば、プレミアリーグのピッチで起こった出来事を、選手の出自に紐づけて強い言葉で批難・中傷することを正しいとする理由はない、ということでもあります。
また、政治的な議論であれば、しかるべき場で行えばよく、TPOは尊重されるべきでしょう。ソン・フンミンの件に関して、非常に厳しい言葉で非難されている掲示板やSNSを見ると、「ライトなファンは萎縮するかもしれない」「プレミアリーグは怖いので関わりたくないと思われるのはないか」と気になります。国際間の話として議論したり、時に抗議したりする場とそうでない場を切り分けてコミュニケーションできること、TPOをふまえたトーンでやり取りできることこそが、知性というものなのではないかとも考えたりします。
さまざまな場があっていいのですが、フットボールやプレミアリーグの話を、冷静かつ楽しく話せることが担保されている場は多くないので、このコメント欄がそのひとつとして存在できればと願っています。「この物言いはどう受け取られるのか」「誤解される要素はないか」と注意しながら日々の記事を書いています。これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
相手がやってるからとか、他の方がひどいとかは議論のすり替えですよ。
どんな理由があれ差別は良くないですし、隣国と比べてどうなんて話は全くしていないです。
「どんな理由があれ差別は良くない」
これだけの話です。
すみません。書いてすぐですが、TPOをわきまえてませんでした。
このブログに関係ないことを書くのはもうやめにします。失礼しました。
モウリーニョは公正な発言しないとまた身内からの信用を失うぞ
ラストのコメントを除けば笑、意見内容の差こそあれ、今回のコメント欄は皆様冷静且つ的確にご意見記載されていて、これが見本なのではと思えた次第です。
今までは胸糞悪い罵詈雑言が多すぎましたので、、、
あの蹴りあげは悪意があったのでレッドカード 昔からそうでしたね そのこと自体を議論する気にはなりません
ちなみにオーリエを怪我させたのはレッドカードに値するようなプレーかどうかは議論の余地があると思います ボールに行ってましたし 結果的には最悪の結果になりましたが
素晴らしい選手なのは疑いようがありません。反省してこれからやらなければいいだけです
僕が気になるのはモウリーニョとスパーズが何故か判定に不服なことですね。リュディガーの演技は正直やりすぎで 注意を与えられてもいいですがレッドカード取り消しの理由はよく分からないことを言っていますね。
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韓国に非があるからネット上で韓国人が悪意の対象になるのは仕方ないという論調の人は、ソンが「リュディガーの腕が僕の腹に当たったから然るべき制裁を加えただけだ」とか言い出したら納得するんですかねえ
ソンがかつてクリーンな選手であったというのは初めて知りました。18-19シーズンはチームこそ不調でもソンの輝きはむしろ増していたような印象がありますが、彼に何が起こったのでしょうか。好きな選手であるだけに、感情をコントロールする術を取り戻してくれることを願うばかりです。
暴力行為を働いてここまで擁護される選手って他にいます?
サッカーファンとして、公平にピッチの上で起こったことを目にした結果、理解ができない。
韓国人が今まで数々の嫌がらせ、暴力行為を日本の選手、ファンに犯し、その結果日本のサッカーファンに嫌われているのは事実だし、
そのせいでここぞとばかりに叩かれているとは思う。
しかし自分から暴力行為を働いて、その結果我が身可愛さに泣きわめいたり、「どうして?」みたいなアピールする選手なんて、普通に嫌悪の対象でしょう。それを差別だなんだと話をぼやかそうとするなんて言語道断。というか、余計にソンフンミンが嫌われるようにするための工作なのかと勘繰るレベル
あと、今回の記事読んで、もしかしてソンフンミンってクリーンな選手なの?って勘違いする人が出ないか心配。
割と叩けば埃が出る選手だからね。まぁ動画とか画像とか出回ってるから、普通の人は騙されないとは思うけれど。
差別つもりはありませんが、やはり理由は韓国人とはこういうもの、と理解するのが妥当ではないでしょうか。歴史的な経緯を鑑みても、他者を蹴っておきながら自分が被害者のように振る舞う。今まさに目にしてるのが韓国そのものだと思います。昨今、インバウンドに沸く日本ですが皆さん経験されているとおり中国人も東南アジア系の方々も日本人とは違います。韓国人とはこういうことなんでしょう。世界はフラットではないと理解しておりますが。
↑こういう人っていっぱいいるのかもしれないですね。何回も何回も管理人さんが言ってるのに。コメントしないで自分で思ってるだけでいいのに。醜態をいちいち聞いてもらいたい人。
makotoさんが、これ以上ないくらいに真摯に差別という問題に対して問題提起をしているのに関わらず、コメント欄が非常に残念です。
こんなにもすてきな場を、しかも差別に対してNOを出しているも関わらず、コメント欄が差別発言が溢れてしまっている…。悲しいです。
ここ何年も毎朝楽しみにブログの更新を待っています。しかし、特にトッテナム関連の記事はみるのがつらくなるような事態が続いており、本当に悲しいです。
「韓国人だから~」という理由で非難する人はおかしいですし差別的で許されないと思います。
ただソン個人についての批判まで差別問題にする人が、余計に問題をややこしくしているように感じます。
個人的にはリュディガーへのファウルの際に、相手の心配もせず真っ先に審判へ自分が被害者の様なアピールをしたのは残念でした。
彼にはしっかりと反省して自らの思考・行動を真剣に見直してほしいです。
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「ソン・フンミンが嫌い」ですむ話なのに「やっぱり韓国人は~」と主語を大きくするからおかしくなるんですよ
称賛されようが、けなされようが、それは所詮個人の資質ですから
人種だ肌の色だなんかどうでもよくてただ、フットボールを楽しみたいだけなのに
ソンはこの前ゴメスぶっ壊したのもあるしね。
そんで今回もやらかしといてあの顔だしお前どのツラ提げて…という気持ちもわかります。
けれども!某掲示板はともかくここに書くのは止めませんか。
お願いします。
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難しい問題ですなあ。
政治的な話は置いておき、悪質な人種差別発言は論外にしても、個人的にわたしも韓国人や中国人選手の荒いプレー、勝てば許されるみたいな風潮は嫌なもの。
ただソンフンミン自身がそこまでひどいプレーが多いかって言われれば…正直デレアリとかのほうがひどいんじゃないかとw
このチェルシー戦もソン以外にも試合通して荒っぽくて、いまの報復じゃない?ってプレーがチェルシーの選手にもありましたからね。
正しいハードワークと危険なプレーの違い、それにメンタルコントロールというのをもっと育成年代から教え込んでいかないといけないでしょうね。
それぞれの歴史、文化、宗教上のその時々の要請に基づくものは多様ですから世の中に絶対的なものなんかないよねって話を受け容れられなくて、韓国人だから差別するなとかしんどい。嫌韓的な態度は今の事象をみてたら理解はできますし、翻って何でもかんでも差別だのヘイトだのとしてしまうポリコレには懐疑的になってしまう。
ここの管理人はノーロンになんか恨みでもあんのかい?
自分はトッテナムはライバルチームなのであまり好きではないですが、それでも先日、ツイッターで、ソンの出自に絡めた差別的なツイートが数千リツイートをされているのを見て、愕然としました。
こう言う人たちは、普段プレミアリーグを見ない人、所属選手の国籍でしか欧州サッカーを見れない人、と思っていましたが、変プレでもわらわら国籍で語ったり国民性で揶揄する人を見て案外根が深いのかも、と思いました。
イギリスでは、人種差別発言をする人は逮捕されます。バナナを投げ込んだサポーターが捕まった事件もありました。それだけ差別に厳しく望んでいるのですが、日本はちがいます。欧州でいうユダヤ人や黒人という明確ない被差別カテゴリーが存在しなかったので、何が差別か、なぜ差別をしては悪いのか、よく理解していない人も多く見受けられます。これは教育で解決するしかない問題だとは思いますが、まずはサッカーから差別にNOを言っていくのは我々サッカーファンの責務であるとも思います。