「世界一」「ワンクラブマン」をめざしてほしい…大好きなアーノルドが、ちょっと心配です。
「素晴らしい補強だ!」。マンチェスター・ユナイテッドがアーロン・ワン=ビサカを獲得したとき、テンションが上がりまくった私としても、「プレミアリーグNo.1のSBは?」と問われて、自軍の有望株の魅力をプレゼンするという手前味噌を押し通そうとは思いません。目いっぱいがんばっても、リオ・ファーディナンドが自身のインスタグラムでファンの質問に答えたところまででしょう。トレント・アレクサンダー=アーノルドとワン=ビサカを比較したレジェンドは、こんないい回しで両者をリスペクトしています。
「ボールを持ったときはトレントほどじゃないが、1対1の強さなど守備においては上だろう。両者の能力があれば、最強のマシンだね」「(イングランド代表でどちらを起用するかは)試合次第だろう。守備にまわる時間が長い試合なら、ウインガーをロックするためにワン=ビサカを使う」
こちらはプレミアリーグ26試合出場でノーゴール2アシスト。29試合に出場したあちらは、2ゴール12アシストです。攻撃力でアーノルドが上であると認めるばかりか、「どちらが好きか」といわれても口ごもってしまいます。正直にいいましょう。私は、彼に魅了されているのです。ゴール前の危険なエリアに落とす危険なアーリークロス、ファン・ダイクやワイナルドゥムの頭にピタリと合わせるプレースキック、少しでも壁がズレれば容赦なく枠を襲う直接FK、ロバートソンにピンポイントで届ける絶品サイドチェンジ。「世界でNo.1のSB」というと、ラ・リーガやブンデスリーガのファンから物言いが入りそうですが、「世界でNo.1のキックを持つSB」なら頷いてもらえるのではないでしょうか。
左右の足から繰り出される素晴らしいクロスをこよなく愛するアーノルドウォッチャーとして、ちょっとだけ苦言を呈したいと思います。自身の持つDFとしてのプレミアリーグレコードである12アシストに既に並び、残り9試合が行われれば新記録間違いなしの右SBのスタッツを見ると、ここまでの出場試合数は昨季と同じ29。アシストのペースは変わらず、サイドチェンジやロングフィードは凄みを増してきたと評価されているのですが、気になる数字が2つあるのです。
ひとつめは、クロスの成功率です。3トップへのチェックが厳しくなったとみたクロップ監督は、サイドアタックや中央突破のスピードを一気に上げるロングフィードを意図的に使うようになりました。2018-19シーズンと今季を比較すると、アーノルドのロングフィードは117から142になり、クロスの本数も201から313と飛躍的に増えています。問題は精度で、1年前は成功率29%、現在は21%。アーノルド頼みのパワープレーが目立つようになり、強引にこじ開けようとひたすら放り込むシーンが多いのが気になります。
クロスが雑になってやしないか、サラーやチェンバレンをフリーにするコンビプレーがもっとあってもいいのではないか。これに加えて、デュエルの勝率が落ちたのも懸念材料です。2018-19シーズンは48.9%で、今季は41.5%。ちなみにワン=ビサカは、クリスタル・パレスで頭角を現した昨季が66%、マンチェスター・ユナイテッドの初年度も61%という高い数字を残しています。強引なアタックをカットされた後のカウンターで振り切られたり、簡単にクロスを上げさせてしまったりするシーンを減らすことが、世界一と呼ばれるための必須条件ではないでしょうか。
「僕はいつもリヴァプールを愛しており、ずっとサポートしてきた。移籍を考える理由はひとつもない」「とにかくクラブを愛している。そこにいる人々もファンも、街も愛している。なぜ、そんなことを考えなければならないんだ?」(「GQ」のインタビューより)
世界一になってほしい。ワンクラブマンとして、赤いシャツのままでキャリアを終えてほしい。15年後に、YNWAが聞こえるアンフィールドのスタンドに手を振りながら、笑顔をピッチを去る彼の背中を見たいと切に願うのであります。マンチェスター・ユナイテッドをこよなく愛する者として、そんなことを考えなければならない理由はないのですが。
「ボールを持ったときはトレントほどじゃないが、1対1の強さなど守備においては上だろう。両者の能力があれば、最強のマシンだね」「(イングランド代表でどちらを起用するかは)試合次第だろう。守備にまわる時間が長い試合なら、ウインガーをロックするためにワン=ビサカを使う」
こちらはプレミアリーグ26試合出場でノーゴール2アシスト。29試合に出場したあちらは、2ゴール12アシストです。攻撃力でアーノルドが上であると認めるばかりか、「どちらが好きか」といわれても口ごもってしまいます。正直にいいましょう。私は、彼に魅了されているのです。ゴール前の危険なエリアに落とす危険なアーリークロス、ファン・ダイクやワイナルドゥムの頭にピタリと合わせるプレースキック、少しでも壁がズレれば容赦なく枠を襲う直接FK、ロバートソンにピンポイントで届ける絶品サイドチェンジ。「世界でNo.1のSB」というと、ラ・リーガやブンデスリーガのファンから物言いが入りそうですが、「世界でNo.1のキックを持つSB」なら頷いてもらえるのではないでしょうか。
左右の足から繰り出される素晴らしいクロスをこよなく愛するアーノルドウォッチャーとして、ちょっとだけ苦言を呈したいと思います。自身の持つDFとしてのプレミアリーグレコードである12アシストに既に並び、残り9試合が行われれば新記録間違いなしの右SBのスタッツを見ると、ここまでの出場試合数は昨季と同じ29。アシストのペースは変わらず、サイドチェンジやロングフィードは凄みを増してきたと評価されているのですが、気になる数字が2つあるのです。
ひとつめは、クロスの成功率です。3トップへのチェックが厳しくなったとみたクロップ監督は、サイドアタックや中央突破のスピードを一気に上げるロングフィードを意図的に使うようになりました。2018-19シーズンと今季を比較すると、アーノルドのロングフィードは117から142になり、クロスの本数も201から313と飛躍的に増えています。問題は精度で、1年前は成功率29%、現在は21%。アーノルド頼みのパワープレーが目立つようになり、強引にこじ開けようとひたすら放り込むシーンが多いのが気になります。
クロスが雑になってやしないか、サラーやチェンバレンをフリーにするコンビプレーがもっとあってもいいのではないか。これに加えて、デュエルの勝率が落ちたのも懸念材料です。2018-19シーズンは48.9%で、今季は41.5%。ちなみにワン=ビサカは、クリスタル・パレスで頭角を現した昨季が66%、マンチェスター・ユナイテッドの初年度も61%という高い数字を残しています。強引なアタックをカットされた後のカウンターで振り切られたり、簡単にクロスを上げさせてしまったりするシーンを減らすことが、世界一と呼ばれるための必須条件ではないでしょうか。
「僕はいつもリヴァプールを愛しており、ずっとサポートしてきた。移籍を考える理由はひとつもない」「とにかくクラブを愛している。そこにいる人々もファンも、街も愛している。なぜ、そんなことを考えなければならないんだ?」(「GQ」のインタビューより)
世界一になってほしい。ワンクラブマンとして、赤いシャツのままでキャリアを終えてほしい。15年後に、YNWAが聞こえるアンフィールドのスタンドに手を振りながら、笑顔をピッチを去る彼の背中を見たいと切に願うのであります。マンチェスター・ユナイテッドをこよなく愛する者として、そんなことを考えなければならない理由はないのですが。
おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!
コメントを残す