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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

レスターで最後のCLへ…あの頃、大好きだったジョニー・エヴァンスの活躍に思うこと。

「スカイスポーツ」で彼の記事を見かけた瞬間、苦い思いがこみ上げてきました。レスターの最終ラインを束ねるジョニー・エヴァンス。32歳になったCBは、近年のマンチェスター・ユナイテッドにおいて売ってほしくなかった5人のうちのひとりです。メンフィス・デパイはやむなしですが、ウィルフリード・ザハ、アンヘル・ディ・マリア、香川真司、ロメウ・ルカクとエヴァンスは残してほしかった…。ルカクを除く全員が、モイーズ解任からファン・ハール体制へと移行する混乱のなかで居場所を失った選手たちです。世が世なら、彼らはオールド・トラフォードでプレミアリーグ制覇を証明するトロフィーを掲げる輪の中心にいられたのではないかと妄想してしまうのです。

なかでもジョニー・エヴァンスは、マンチェスター・ユナイテッドの生え抜きです。サー・アレックス・ファーガソンのチームで出番を増やしていた頃は、オールド・トラフォードの最前列に集うマダムたちのアイドルでした。試合前の練習では、「ジョニー!」の嬌声とともに、「アンタもっとちゃんとしなさいよ!」「監督のいうことを聞きなさいよ!」といじられるのがお約束だったのを思い出します。

レッド・デヴィルズが最後のプレミアリーグ制覇を果たした2012-13シーズンまでは主力だったのですが、モイーズ、ファン・ハールと指揮官が代わると、出場機会が激減。当時の彼が自信喪失気味だったのは、度重なるシステム変更をすんなり消化する器用さがなかっただけだと思います。ジョニーはきっと復活する。どこにいっても必ず成功するはず…。悔しさとやるせなさがない交ぜになったお別れの後、WBAで想像通りの活躍を見せたCBは、2018年にクラブがプレミアリーグに残れなかったため、レスターに移籍することになりました。

クロード・ピュエル監督の下では、ウェズ・モーガンと併用されていたのですが、ブレンダン・ロジャースの就任とともにレギュラーに定着。マグワイアが去り、チャグラル・ソユンチュと並んだプレミアリーグ2019-20シーズンは、速いパスワークを身上とする新しいスタイルを支える存在として、リーグ9位となる1820本のパスをフィードしています。

ハードマークが魅力のソユンチュが、しばしば強引なタックルをかわされてしまうのに対して、ポジショニングに長けたジョニー・エヴァンスは、的確な対応でシュートコースを消し続けています。プレミアリーグ29試合フル出場で、失点28はリヴァプール、シェフィールド・ユナイテッドに次ぐ堅守です。エヴァンス&ソユンチュは、ファン・ダイクの相棒が決まらないレッズをしのいで、今季最高のCBコンビといっていいのではないでしょうか。

マンチェスター・ユナイテッドが、直近5シーズンで2回もレスターの後塵を拝するとは想像できませんでした。コロナウイルスの拡散がピークアウトとなり、プレミアリーグ2019-20シーズンがすべての試合を消化できれば、ジョニー・エヴァンスは久しぶりにチャンピオンズリーグの出場権を手に入れられそうです。33歳になる来季は、彼の集大成といえるシーズンになるかもしれません。最後になるかもしれない彼のCLを観られると決まったら、全力で応援しようと思っています。ジョニー・エヴァンス、素晴らしい選手になりました。ストレッチの合間に、女性たちの優しく厳しいツッコミに応えていた柔らかい笑顔を、今でも覚えています。(ジョニー・エヴァンス 写真著作者/apasciuto)


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