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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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赤い悪魔ならベンチ、インテルならサラリー大幅カット…どうする、アレクシス・サンチェス!?

2015-16シーズンにプレミアリーグ35試合6ゴール19アシストという出色のスタッツを残したメスト・エジルは、週給35万ポンドという高額サラリーを得てアーセナルに残留。2016-17シーズンにプレミアリーグ38試合24ゴール11アシストというう大車輪の活躍でチームを牽引したアレクシス・サンチェスは、週給40万ポンドという高額オファーに乗ってマンチェスター・ユナイテッドに移籍しました。飛び出したエースも、留まった司令塔も、契約を締結したのが合図だったかのようにスランプに陥り、現在も苦難の季節を過ごしています。

再開後のプレミアリーグに出場しなかったエジルは、FAカップ決勝にも帯同せず、家族が待つトルコへ。アーセナルと結んだ契約を全うして、2021年の夏にチームを離れようとしていると報じられています。マンチェスター・ユナイテッドで全く機能しなかったアレクシス・サンチェスは、レンタル先のインテルでトップフォームを取り戻しつつあります

セリエAで22試合4ゴールといわれると、イタリアに残るのは難しいのではないかと思いますが、7月以降の9試合で3ゴール6アシストという数字を出せば、セリエAのクラブが契約したがっているという話も納得です。ここからは、アレクシス・サンチェスの話題にフォーカスしましょう。「法外なサラリーは、時に選手のキャリアの足枷になる」というテーマです。

プレミアリーグ32試合3ゴール6アシスト。彼はなぜ、マンチェスター・ユナイテッドで振るわなかったのでしょうか。最近の「BBC」のインタビューで本人が語っているのは「ジョゼ・モウリーニョの起用法」です。「ユナイテッドでは疎外感に苛まれていた。使ったり使わなかったり、彼の起用はとにかく不安定だった。そのせいで、自信を失ってしまい、雰囲気が悪くなっていった」。何となく納得してしまいそうですが、これは事実とは異なります。入団してから9試合は、すべてスタメン。彼が外されるようになったのは、モウリーニョ監督がパフォーマンスに納得いかなくなったからでしょう。

マンチェスターに移ってから2ヵ月後の2018年3月、チリ代表のスウェーデン遠征中に応じたインタビューのほうが、芯を食っているのではないでしょうか。「マンチェスター・ユナイテッドに移籍してから、あらゆることが激変した。1月のマーケットでクラブを変えたのは初めてだったしね。あまりに多くのことが起こり、難しいことになった」。社交的とはいえないアレクシスは、自らチームに溶け込もうとせず、チームも特別扱いはしませんでした。「コーヒーを飲みながら、いろんな話をする」という唯一の友はズラタン・イブラヒモヴィッチ。神がクラブを去ると、内気なアタッカーは完全に孤立してしまいました。

活躍している選手なら、いくらもらっているかは話題にならないのですが、「高給取りのスランプ」はメディアの大好物です。1ゴールあたりおいくら、史上最大の失敗、売却候補だが週給40万ポンドは誰も払わない…。スールシャール監督に代わっても、途中出場が多かったアレクシスは、出場機会を求めて8年ぶりにセリエAでプレイすることになりました。

「ESPN」によると、直近の活躍を評価するインテルは完全移籍にスイッチしたがっているそうですが、買い取る条件として「大幅なサラリーカット」を要求しているとのこと。マンチェスター・ユナイテッドに戻ればラシュフォードのバックアッパー。出場機会が得られるインテルを選ぶには、半額以下の数字にサインしなければならないようです。31歳のベテランにマン・ユナイテッドで2年ガマンするという選択肢はないでしょう。

エジルとアレクシス・サンチェスにとって、アーセン・ヴェンゲルがいかに貴重な存在だったかと今さらながら思います。常にプロフェッショナルとして尊重し、毎試合起用し、自由を与え、プレスカンファレンスでほめちぎり、プレミアリーグで最も高額なサラリーまで…。2015-16シーズンのプレミアリーグを制覇していれば、2016-17シーズンに2ポイントをプラスしてチャンピオンズリーグ出場権を獲得していれば、世界は変わっていたのではないかと思います。ボスにとっても、彼らにとっても。


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“赤い悪魔ならベンチ、インテルならサラリー大幅カット…どうする、アレクシス・サンチェス!?” への1件のコメント

  1. ユナイテッドファン より:

    エジルとともにほんの少し歯車が狂うだけで活躍できるかが変わってしまうんだと、思います
    あのとき、アーセナルが優勝していればと思いますね

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