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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Liverpool×Leeds】残り2分、サラーがハットトリック!乱戦を制したのは王者リヴァプール!

ユルゲン・クロップVSマルセロ・ビエルサ。昨季プレミアリーグ優勝監督は、初戦を昇格チームとホームで戦えるのを喜ぶべきか、鬼才とのいきなりの激突を嘆くべきか。アンフィールドにリーズを迎えての開幕戦は、プレシーズンで試していた南野トップ下の4-2-3-1ではなく、昨シーズンに何度も見た布陣です。GKアリソン、DFアレクサンダー=アーノルド、ジョー・ゴメス、ファン・ダイク、ロバートソン、MFヘンダーソン、ナビ・ケイタ、ワイナルドゥム。フロントスリーにサラー、フィルミーノ、マネ。2分にナビ・ケイタのスルーパスでボックス右に抜けたフィルミーノは、GKメリエを引き付けて出したラストパスが味方に通らず。その1分後、マネのパスを受けたサラーのシュートがコッホの腕に当たり、マイケル・オリヴァーさんは迷わずPKを指示しました。

強烈なシュートがど真ん中に決まって1-0。「プレミアリーグ王者が昇格クラブを一蹴」という見出しが立つかと思われたゲームは、12分に風向きが変わります。カルヴァン・フィリップスのロングフィードを左で受けたのはジャック・ハリソン。アーノルドを簡単にかわしたサイドアタッカーが中に入って右足を振り抜くと、ボールはアリソンの指先を抜けてゴール左に吸い込まれました。リヴァプールの右サイドは、直前にも帰陣が遅れてファン・ダイクが2対1を切り抜けるシーンがあり、奪われた後の対応が課題となっています。

20分、ロバートソンのCKに飛び込んだのはファン・ダイク。気づくのが遅れたコッホが追いつけず、GKメニエがキャッチしたのは枠の中でした。2-1となった直後、右から中央にドリブルで進んだエイリングの縦パスで、バンフォードがアリソンと1対1。プレミアリーグ屈指の守護神がコースを塞いでリードを守りましたが、アタッカーを見失うシーンが目立つジョー・ゴメスの裏は、少人数で攻めるリーズの狙い目です。24分、マネが横に流したパスをボックス手前のヘンダーソンがダイレクトで叩きますが、ボールはGKの正面でした。

30分、ダラスの浮き球に先着したファン・ダイクが右足のアウトでタッチしたボールをバンフォードに奪われ、左隅を狙ったシュートがアリソンに当たってサイドネットに転がりました。2-2となった3分後、ロバートソンが左から蹴ったFKをストライクがクリアするも、落下点にいたサラーが完璧なボレーを突き刺して3-2。なおも攻めるリヴァプールは、サラーとマネがキレキレで、リーズの最終ラインとメニエが体を張ってシュートブロックする時間が続いています。39分にマネが右から抜け出し、右足のシュートをメニエが足で止めたシーンは、オフサイドではなかったはずです。前半は3-2。次のゴールがレッズなら、勝負はそこで終わっていたでしょう。

49分、ナビ・ケイタ、マネ、フィルミーノ、サラーが中央で軽快にパスをまわし、右からのボールをヒールでナビ・ケイタに落としたフィルミーノが、リターンをもらって縦に突破。グラウンダーをファーでもらったワイナルドゥムのシュートは決定的でしたが、左に飛んだメニエのビッグセーブで4点めは決まりません。58分、ナビ・ケイタが下がってファビーニョ。60分にフィルミーノが仕掛けたカウンターは、マネとサラーのワンツーから最後は10番が打ち上げてしまいますが、手応えを感じている2人は笑顔を見せています。

65分、ヘンダーソンに代わってカーティス・ジョーンズ。その1分後、この日6つめのゴールを決めたのは、プレミアリーグチャンピオンではなく昇格クラブのほうでした。右サイドに展開したクリヒが一気にゴール前にスプリントし、エルデル・コスタのラストパスをもらってワントラップボレー。ファン・ダイクの背後に入った43番の的確な判断が生んだ同点ゴールでした。レッズ、まさかの3失点。76分のカルヴァン・フィリップスのFKは、惜しくも左のポストの外に切れていきます。残り時間は10分。攻めているのはホームチームです。

87分、サラー、マネとつながったボールが中央に走り込んだフィルミーノに通るも、アウトにかけたフィニッシュはミスキックでDFがブロック。CKのクリアを拾ったファビーニョが前に出ようとすると、途中出場のロドリゴが足を引っかけ、PKを取られてしまいました。クラブレコードの移籍金で獲得したばかりのストライカーの仕事は、ゴールを決めることだったのですが…。サラーがハットトリックとなるキックを難なく決めて、4-3。アーノルドをマティプに代えたクロップ監督は、タイムアップの笛を聞くまで落ち着かなかったのではないでしょうか。

久々にプレミアリーグで戦ったリーズの失点は、PK2発とセットピース2本。結果を見ると、それなりに守れていたようですが、レッズの中盤の選手を捕まえきれずに危険なパスを許すシーンが多く、このままの守備では失点を減らせないでしょう。前線は好調だったレッズは、ロバートソン以外の3人の集中力の欠如が気になりました。ラインの裏を狙うFWや、ゴール前に入ってきたMFの見逃しが目立ち、早期に立て直さなければ勝ち点ロストの原因となりそうです。

とはいえ、おもしろい乱打戦でした。相変わらず勝負強いチャンピオンと、徹底したサイドアタックが魅力のリーズは、いずれも今季のプレミアリーグを盛り上げてくれるはずです。勝ったリヴァプールの次節はチェルシー。2億ポンドの補強で攻撃力が高まったロンドンのチームをどう抑えるのか、今から楽しみです。(モハメド・サラー/写真著作者/Mehdi Bolourian アンディ・ロバートソン/写真著作者/Антон Зайцев)


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“【Liverpool×Leeds】残り2分、サラーがハットトリック!乱戦を制したのは王者リヴァプール!” への6件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。今シーズンもよろしくお願いします。開幕戦勝ち切りましたが、いやぁ~疲れました(苦笑)
    まずは勝つことが出来てよかったです。チェルシー戦まで時間があるので、守備面をしっかり立て直してほしいところです。
    サラーは今シーズンもやってくれそうですね。

    • makoto より:

      今年もよろしくお願いします。守備は、レッズらしくなかったですね。
      リーズのサイドアタックは要注意ではありましたが、
      3つの失点シーンは守るのが難しい状況ではなかったと思います。
      マティプが元気にフルシーズン戦えるといいですね。

  2. kan-s より:

    最初のコッホのハンドは、今季のハンド・ルールですと違いますよね。ギャラガーもそのことを指摘してました。リーズのマントゥーマン・デイフェンスに手を焼いたリバプールの印象ですが、リバプール視線だとこんな感じに見えるのでしょうね。貴君のブログはいつも読んでますし、参考にもなります。頑張ってください。

    • makoto より:

      ありがとうございます。コッホのハンドは、「手や腕を用いて競技者の体を不自然に大きくした」という解釈だったのでしょう。
      この基準自体が感覚的なので、意見が分かれるのだと思われますが。

  3. アイク より:

    更新ありがとうございます。
    今季もどうぞよろしくお願いします!

    PFA年間MVP発表からまだ日が経たないのに開幕とはちょっと変な気分です笑
    今シーズンも最後まで全うできますように。

  4. まさやん より:

    今シーズンも楽しく拝見させていただきます。
    なんとか勝ちましたがコロナ前からの守備の不安定さがまだ改善されてないのが不安です。
    しばらくマティプを使うのもありだと思います。
    アーノルドもまだコンディションも上がってなくクロスの精度もイマイチでしたのでこれからに期待したいです。

    しかしリーズのマンツーマンは90分もたないだろうと思ってましたがもちましたね。これもビエルサの鍛え方が凄いんでしょうか。
    他のビッグ6とリーズのゲームが今から楽しみです。

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