2020.11.09 プレミアリーグ観戦記2020-21プレミアリーグ観戦記
【Arsenal×Aston Villa】2人のプレーメイカーに翻弄されたアーセナル、ホームでヴィラに完敗!
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開始46秒、左サイドに流れたグリーリッシュのグラウンダーに反応したのはマッギン。ラカゼットを弾き飛ばし、左隅に強烈なシュートを決めますが、レノの前にいたロス・バークリーがオフサイドポジションにいながら視界を遮ったと判断されました。7分にティアニーがスリップし、オリー・ワトキンスが右サイドでフリーになったシーンは、クロスが逆サイドに流れてしまいました。2度のピンチを切り抜けたアーセナルは、落ち着いて中盤を支配する展開に持ち込みたいところです。
マッギンの短いバックパスにトーマス・パーティーが突進したのは10分。入れ違いでノースロンドンを離れたエミリアーノ・マルティネスがぎりぎりで先着し、安全なエリアに蹴り出します。14分、ハーフライン付近にいたトーマス・パーティーがインターセプトからすかさず左に展開。オーバメヤンのクロスがフリーのウィリアンに届きますが、右足のボレーはバーの上に浮いてしまいました。
21分、左からのFKがボックス手前のティアニーに届くと、ダイレクトショットは黒い壁がブロック。25分、ヴィラの左からのアタックは、中に斬り込んで打つと見せかけたロス・バークリーの縦パスが決め手でした。抜け出したマント・ターゲットがファーにグラウンダーを入れると、トレセゲと競り合ったサカが自らのゴールに押し込んでしまいました。0-1とされたガナーズは、30分に波状攻撃を仕掛けますが、ティアニーのクロスはコンサが足に当て、逆サイドでこぼれ球を拾ったウィリアンの折り返しもターゲットがカット。33分、ドゥグラス・ルイスがドリブルで上がったカウンターは、ボックス左コーナーでトレセゲが放ったシュートをベジェリンがブロックしました。
37分、ホールディングの縦パスで右から上がったベジェリンは、2人かわしてゴールに近づきながら、なぜ打たなかったのか。39分にティアニーのロングフィードが左のオーバメヤンに届き、内側から上がったサカが速いクロスを上げますが、マルティネスが左手を出してシュートを許さず。41分、ティアニーのアーリークロスがファーのラカゼットの頭に合うも、ヘディングシュートは浮いてしまいました。0-1のままで前半を終えたアルテタ監督は、頼りになるトーマス・パーティーを負傷で失ったようで、ハーフタイムにダニ・セバージョスを投入しました。
後半最初のチャンスは、48分のヴィラ。左からカットインしたグリーリッシュのラストパスをガブリエウがカットすると、フォローしたロス・バークリーが右で空いていたトレセゲを使います。右足の強烈なシュートは、ニアを切ったレノが何とかセーブ。55分に左サイドからのFKをウィリアンが中央に流すと、ティアニーの落としを受けたダニ・セバージョスのコントロールショットはファーポストの外を抜けていきます。1分後、ボックスに入ったグリーリッシュが左サイドからのパスをトラップ。ホールディングをかわして打った右足のシュートは角度がなく、枠に収まりません。
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ヴィラの追加点は72分。CKのクリアを後方で拾ったキャッシュが右にいたドゥグラス・ルイスに預けると、素晴らしいロングフィードがボックスの左脇に走ったロス・バークリーへ。ダイレクトの高速クロスはスーパープレー。ティアニーの前に入ってヘッドで押し込んだオリー・ワトキンスは、今季プレミアリーグ5発めです。
さらに75分、マルティネスのスローが左のグリーリッシュに渡り、カウンターがスタート。自陣からドリブルで持ち込んだプレーメイカーは、ボックスの手前で完璧な縦パスをオリー・ワトキンスに通しました、絶好調のストライカーがレノの股間を抜いて0-3!昨季プレミアリーグ王者から7ゴールを決めた古豪が、アーセナルとのアウェイゲームでも得点力の高さを見せつけました。
昨夜の完敗については、3失点とノーゴールを分けて考えたほうがよさそうです。失点のほうは、「プレミアリーグのビッグ6でも通用するプレーメイカー2人に自由を与えてしまったから」。チェルシーから加わったロス・バークリーは、クラブにとって価値の高い新戦力ランキングがあれば、No.1に指名したくなる活躍ぶり。主将のグリーリッシュもヴィラに留まっているのが不思議な選手で、シュートとパスの精度はプレミアリーグのMFのなかでもトップクラスです。強烈なミドルがあるマッギンと、ロングフィードが的確なドゥグラス・ルイスも好調なら、ヴィラの中盤はビッグ6を凌駕する時間帯もあるでしょう。
意外性のあるパスワークに最終ラインが振り回され、売り出し中のオリー・ワトキンスへのチェックが緩くなってしまったのが失点を重ねた理由だと思います。これに対してノーゴールのほうは、「シュートゼロだったオーバメヤンのプレーエリア」「中盤の押し上げの弱さ」「前線へのパスの少なさ」が気になります。昨季プレミアリーグで22ゴールを決めたエースは、サイドでプレイする姿が目立ち、ボックス内でボールをもらうシーンが激減しています。オーバメヤンを中央に戻し、サカ、ウィリアン、ニコラ・ペペをウイングに配する布陣を定着させれば、ゴールは増えるのではないかと思います。
中盤については、ストライカーを追い越してシュートレンジに入ったりボックス脇を突破したりするシーンが少ないのが課題でしょう。8節までのゴールはサカの1本のみで、オンターゲットもサカの5本を除けば、トーマス・パーティーの2本のみ。ダニ・セバージョス、エルネニー、ジャカがファイナルサードに入れれば、点取り屋たちがフリーになるシーンが増えるはずです。1試合消化が少ないアストン・ヴィラの半分の9ゴールしか挙げていないチームは、現在の戦い方を続けるだけでは、勝ったり負けたりの日々を繰り返してしまうのではないかと思います。今季の彼らは、逆転ゴールも同点ゴールもゼロ。「先制されたら終わり」のチームです。(ジャック・グリーリッシュ 写真著作者/Kolforn)
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右サイド、右サイド、右サイド、右サイド
0分の失点から4つ全て右サイド。
ベジェリンとホールディング。若いころからチームにいる選手たちだし応援する気持ちはありますがね。何で彼らがディーセントDFみたいな評価を受けているのか本当にわかりません。ゆっくりと対峙したあげくに簡単に中に入れられるホールディング。スピード自慢のはずが並走しても守備効果0のベジェリン。グリーリッシュとバークリーが規格外だったのはわかるが、それにしても。
ほぼ全員低調な出来で彼らだけを責めるのもアンフェアか。1週間何をやってたんだろう。
ホームで去年の降格争いチーム相手に3ptsとパーテイを失う。3-0、いや4-0は試合内容をリーズナブルに表した結果、と思います。
エミマル、グッジョブ。いいチームに移れてよかった。がんばれ。