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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【WBA×Chelsea】トゥヘル就任以来初の敗戦は、19位のWBAにまさかの5失点!

TOP4フィニッシュをめざすチェルシーは、トゥヘル監督就任以来のプレミアリーグで6勝4分と無敗キープ。10試合で2失点しか喫しておらず、スタンフォード・ブリッジでは公式戦8試合連続クリーンシートです。プレミアリーグ29試合20ゴールという貧攻で、19位に沈むWBAに負ける要素はどこにもありません。ところが…。

本拠地ザ・ホーソンズで、ランパードのチームに3-0でリードしながら追いつかれた降格候補が、敵地で5発大勝!マンチェスター勢とリヴァプール相手にドローに持ち込んだ曲者が、どんな戦い方で驚愕のアップセットを成し遂げたのかを振り返ってみましょう。

GKメンディ、3バックにアスピリクエタ、チアゴ・シウヴァ、ズマ、WBにリース・ジェームズとマルコス・アロンソ。セントラルMFはコヴァチッチとジョルジーニョ、前線はツィエクとプリシッチの前にヴェルナー。チェルシーの布陣はよく見る3-5-2で、カンテの不在が気になるぐらいです。

開始4分、前線のディアニェが縦パスを足元に収め、落としを受けたマテウス・ペレイラがダイレクトショットを放ちますが、メンディが正面でキャッチ。1分後、ジョルジーニョのミスパスをマテウス・ペレイラがカットしてドリブルで突進すると、チアゴ・シウヴァが後ろから肩をつかんでイエローカードをもらいました。この攻防が、後の逆転劇の伏線となります。

12分、チアゴ・シウヴァのロングフィードをボックス左で受けたのは、マルコス・アロンソ。左足でクロスに打ったシュートは、GKサム・ジョンストンが左に反応してキャッチしました。直線的な速攻を仕掛けるブルーズに対して、前からのプレスでパスコースを限定しようとするWBA。21分にプリシッチの落とし受けたコヴァチッチが右足を振り抜くと、ボールはDFに当たって右に切れていきました。

足首を痛めたオシェイがプレー続行不可能となり、イヴァノヴィッチに代わったのは24分。3分後、マルコス・アロンソのFKが右のポストにヒットすると、リバウンドに先着したプリシッチが無人のゴールに押し込みました。1-0とした直後に事件発生。ヨクシュルがボックス手前からシュートを放った瞬間、チアゴ・シウヴァのスライディングが足首に入ってしまい、ベテランCBは2枚めのイエローで退場となってしまいました。

リードを守ろうとしたトゥヘル監督は、33分にツィエクを下げてクリステンセンを投入。37分には、13分しかプレイしていないイヴァノヴィッチがヴェルナーと競った際に右足を痛めてしまいました。追いつきたいサム・アラダイスは、前線にカラム・ロビンソンを足して勝負。42分、ボックスに入ったリース・ジェームズが切り返しから鋭いシュートを放ちますが、サム・ジョンストンが何とか触ってファーポストの外にコースを変えました。

43分にブルーズが仕掛けた4対3のカウンターは、リース・ジェームズの強烈なシュートを好調の守護神がセーブ。1-0で終わるかと思われた追加タイム2分、サム・ジョンストンのキックが最終ラインの裏に入り、ズマの背後を取ったマテウス・ペレイラはメンディと1対1です。ループシュートがゴールの右に決まって1-1。さらに2分後、チェルシー守備陣が再度ミスを犯し、逆転を許してしまいました。

マット・フィリップスのコントロールショットがバーに当たった後、執拗にプレスをかけたWBAが敵陣のボックス手前でインターセプト。ポストプレーで右に流れたマテウス・ペレイラに3人が振り回され、誰もチェックにいけずに右隅に決められてしまいました。トゥヘル監督は、ハーフタイムにプリシッチを下げ、運動量が豊富なメイソン・マウントを送り出しました。逆転に成功したプレミアリーグ19位はプレスを徹底しつつ、ディアニェに縦パスを当てるシンプルなアタックを繰り返しています。

54分、コヴァチッチのサイドチェンジをリース・ジェームズがダイレクトで折り返すと、サム・ジョンストンのパンチが中途半端になってしまい、マルコス・アロンソのボレーがニアを襲います。アジャイが触り、ボールはポストにヒット。58分に中央をドリブルで突進したコヴァチッチのミドルは、DFに当たってCKです。アウェイチームが3点めをゲットしたのは63分。直前にマテウス・ペレイラの強烈なシュートをセーブしたメンディは、ファーロングの完璧なクロスを叩いたカラム・ロビンソンのボレーにはお手上げでした。

この1点で、チェルシー守備陣は集中力を切らしてしまったのではないでしょうか。68分の失点は、決して速くはなかったカウンター。タウンゼントが左から上がったとき、7人が戻っていたのですが、ボックス左でヒールキックを受けたマテウス・ペレイラも、逆サイドでラストパスを左隅に流し込んだディアニェもノーマークでした。

71分、ラインの裏に出たマルコス・アロンソがグラウンダーを入れると、トラップしてGKと向き合ったヴェルナーが、自分で打たずに脇にいたメイソン・マウントに決めさせて2-4。ジョルジーニョをカイ・ハヴェルツというカードは、とにかく攻めろというメッセージです。10人のホームチームの猛攻は実らず、90分に勝負が決しました。

ディアニェとカラム・ロビンソンが仕掛けたカウンター。チェルシーは5人で対応していたのですが、マテウス・ペレイラが縦に通したスルーパスでカラム・ロビンソンがメンディと1対1となり、右足のチップキックが左隅に吸い込まれました。2-5、激痛の惨敗。本日のニューカッスルVSトッテナムとマンデーナイトのウルヴスVSウェストハムで上位が勝てば、チェルシーは6位に転落します。

2015-16シーズンにモウリーニョ解任の後を継いだフース・ヒディンクは、最初の15試合を7勝8分の後、1勝3分3敗と失速して10位フィニッシュ。2018-19シーズンのスールシャールは、12月の就任から10勝2分という快進撃を見せたものの、最終盤は2勝2分5敗で6位に留まりました。解任ブーストが終わってから不振に陥るという流れは、プレミアリーグあるあるですが、トゥヘル監督は踏み止まることができるでしょうか。あまりにもショッキングな負け方だったので、選手たちのメンタルが心配です。


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