イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Crystal Palace×Chelsea】カイ・ハヴェルツ&プリシッチが躍動!圧巻の4ゴール+αをチェック!

プレミアリーグ30節のWBA戦で2-5の惨敗。チアゴ・シウヴァのレッドカードが厳しかったとはいえ、それまでの堅守が嘘のように集中力を欠いたゲームでした。チャンピオンズリーグのポルト戦は0‐2で勝ちましたが、トゥヘル就任後にチームが抱えている課題が解決に近づいたわけではありません。公式戦11勝4分1敗と戦績はいいのですが、3ゴール以上のゲームはゼロ。アトレティコ・マドリード戦でジルーが決めてから、8試合連続でストライカーが沈黙しており、ヴェルナーやカイ・ハヴェルツ、ツィエクといった新戦力がフィットしていません。

31節の相手は、前節までプレミアリーグ12位だったクリスタル・パレス。マンチェスター・ユナイテッドに1勝1分と勝ち越しているチームを侮ってはいけません。TOP4フィニッシュを達成するために負けられない指揮官は、WBA戦から5人を入れ替えて臨みました。トップに未だプレミアリーグ1ゴールのカイ・ハヴェルツ、左に2ゴールしか決めていないプリシッチ。ジルー、ツィエク、タミー・アブラハム、ヴェルナーはベンチで、今ひとつ機能していない2人の同時起用は危険なギャンブルに見えましたが、開始10分までに不安は完全に吹っ飛びました。

8分に右サイドからアーリークロスを入れたのはメイソン・マウント。ニアに入ったプリシッチのボレーは、GKグアイタにセーブされますが、クリアボールをキープしたエゼが2人に囲まれ、カイ・ハヴェルツに奪われます。メイソン・マウント、ハドソン=オドイと短いパスがまわる間に、カイ・ハヴェルツはボックス右でフリーになりました。パスをもらった瞬間は、コースは塞がれているように見えましたが、20センチほど左に動かしてコースを創った29番のコントロールショットが、ガリー・ケーヒルとクヤテの間の狭い門を向けてファーのサイドネットに届きました。

グアイタは打ってくるとは思わず、逆サイドに出しどころがなかったレフティは打つしかなかった1発。触れなかったGKは、どこから打たれたのかを確認した後も、呆然と横たわっていました。天才だから決められた先制ゴールの2分後、チルウェルの縦パスでボックス左に流れたカイ・ハヴェルツがダイレクトでグラウンダーをフィード。ニアに走り込んだプリシッチは、右足のタッチで縦に進むと、GKの肩越しに突き刺さるセオリー通りの強烈なシュートをニアポストぎりぎりに決めました。

あっという間の0‐2。30分には、左から蹴ったメイソン・マウントの完璧なFKがズマの頭を捉え、今季プレミアリーグ5ゴールめとなるヘディングシュートがネットを揺らしました。0-3は、トゥヘル監督にとって未体験のセーフティーリード。クリスタル・パレスがこの試合で放ったシュートは、63分にシュラップのクロスに競り勝ったベンテケのヘッドのみで、1点を返すのが精一杯でした。

78分には、リース・ジェームズのアーリークロスをケーヒルがクリアし切れず、ファーに流れたボールをプリシッチがプッシュして1-4。ブンデスリーガからやってきた21歳と22歳が素晴らしいパフォーマンスを披露し、プレミアリーグ5位をキープしました。本領発揮のカイ・ハヴェルツについては、紹介したいプレイがもうひとつあります。22分にジョルジーニョの浮き球がラインの裏に入ると、左足のインステップで浮かしてファン・アーンホルトをかわし、右足のボレー。あまりにも美しいフィニッシュに、現地メディアが「ベルカンプのよう」「グアイタのビッグセーブがなければ、FIFAプスカシュ賞候補だった」と盛り上がるのは当然です。

カイ・ハヴェルツが完全に覚醒し、プリシッチの獰猛なドリブルが蘇り、精度の高いクロスが武器のツィエクがフィットすれば、得点力は格段にUP。そしてもうひとり、ティモ・ヴェルナーがライプツィヒ時代のプレイを思い出せれば、チェルシーはプレミアリーグの優勝候補になるのではないでしょうか。トゥヘル就任以来の公式戦13試合でわずか1ゴール。「プレミアリーグは190センチ以上の選手が多く、フィジカルに長けており、速い」と意気消沈気味のストライカーに必要なのは、自信でしょう。

プレミアリーグのTOP4フィニッシュ、FAカップ&CL制覇。3つのミッションがあるチームは、最高の着地でシーズンを終えることができるでしょうか。ミッドウィークのCLはポルトとのホームゲーム、週末のプレミアリーグもスタンフォード・ブリッジでブライトン。前線の若きタレントたちとニューフェイスのプレイに、引き続き注目したいと思います。


おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


コメントを残す